小鉢ひろかの旬だより

No.16 油っぽくならない、なすの食べ方

大人になって好きになった野菜を調査したら、「なす」とお答えされる方、多いのではないでしょうか。子供の頃は味がないような気がしていたのに、いつの間にか好きになった。実は私もその一人です。蕎麦屋さんでなすの天ぷらを食べたのがきっかけでした。蕎麦つゆをたっぷり吸い、油とだしの旨味で満タンになったなすの天ぷらは、なんで今まで食べなかったんだろうと後悔するほどのおいしさでした。

今週の特集は、名残のシーズンを迎えた「秋なす」。最後のなすを食べ尽くす、ヒントになれば幸いです。

江戸時代、なすは歯磨き粉だった!?

今でも売っている「なすの歯磨き粉」。

口臭予防、歯槽膿漏、歯周病、ホワイトニング効果まで!様々な効果が言われているなすの歯磨き粉は、なすのヘタを真っ黒になるまで焼いた粉と、塩を混ぜて作られています。歴史は古く、実は今でも販売されています(ネット通販でも買えるほど!)。無添加で、使った後のさっぱり感が石鹸の歯磨き粉とは全然違う、と評判です。

それにしても、なすのヘタを捨てず、あるものを活用し、より良い生活に変える考え方が素敵ですね。

なすは皮に「アントシアニン」というポリフェノール系の色素が含まれています。フランスでは、ワインのポリフェノールのおかげで癌が少ないのよ!なんて言われるほどポリフェノールは注目の栄養素。皮を剥いてしまうとゼロになってしまうので、できれば皮は剥かずに食べたいですね。

皮が硬くて気になる方は、切り方の工夫で噛みやすくしましょう。表面に斜めに切り込みを入れたり、スカートのプリーツのように(もしくは玉ねぎのみじん切りをする時の縦の切り込みのように)切ると、見た目も味の染み込みもよくなります。

例えば、縦にスカートのプリーツのような切り込みを入れ、両面を焼いてポン酢で絡めたら、すぐにポン酢を吸い込んで漬け込み時間要らずで揚げ浸しが完成します。

作り置きなどで時間がある時は、皮の表面だけ切り込み、すぐ食べたい時はしっかり切り込みを入れてしまう。こうやって調整すれば、同じ味が調理時間短くしても楽しめるんです。

なすの油っぽさは絡めて解決!

なすを大好きになったきっかけは「なすの天ぷら」でしたが、実はなすは吸油率が14%と油を吸いやすい食材。

なすは90%以上が水分と、食材に含まれる水分が多いため、加熱して水分が外に出たとき、入れ替わりで油を多く吸ってしまうんです。反対に、水分が少ないと油の吸収も少なくて済むため、切ったなすの断面に塩をふりかけて10分ほど置いて、出た水分をキッチンペーパーで拭き取れば、油の吸い過ぎは抑えられます。(アクとりもできて一石二鳥!)

また、なすは油が熱いと吸いやすいため、冷たいうちにフライパンになすと油をいれ、全体に油を絡めてから火をつけると少量の油でも綺麗に全面を焼くことが可能です。

少量の油で焼いたなすに、コチュジャン、酒、みりんで甘辛いタレを絡めた「ヤンニョム茄子」。ごはん泥棒!と言いたくなるほど、ごはんがすすむおかずです。

なすの表面にザクっと一本包丁の切り込みを入れて、全体をラップで包みチンすると油なしでヘルシーになすが柔らかくなります。チンしたなすの粗熱が取れたら手で割き、ねぎ塩ダレをかけて冷やしておくと、前菜にぴったりな1品に。時間が経っておいしい料理なので、作り置きにもおすすめです。

なすはたっぷりの油で調理するのもおいしいですが、毎日それでは健康を害してしまいます。ちょっとの工夫で、少ない油でもおいしく調理できるコツを覚えておきましょう。

今日紹介したなすのレシピ、こちらをご参考にご活用ください。

甲子園球児のような体験をしてきました

先日、半年間勉強していた集大成のプレゼン大会に出場してきました。こんなに頑張ったのは久しぶりだった…!と泣いてしまうほどの達成感。目標にしていた1位は取れませんでしたが、熱中し、自分を変えられたことを誇らしく思いました。

挑戦することは大事ですね!コロナ禍で、誰にでもチャンスがある時代。青春をピークにしないよう、いつでも全力で楽しい日々を過ごしましょう。

 

次回の更新もどうぞお楽しみに。

小鉢ひろか 社会派料理コンサルタント / 管理栄養士

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今週のまつのフレッシュ野菜はこちら!

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