小鉢ひろかの旬だより

NO.15 日本の香り秋みょうがをたっぷり使う方法

おしゃれな人ほど小物にセンスが光るように、料理上手な人も脇役の香りにこだわります。

もし、いつもの料理に変化をつけたいと思うならば、香り野菜を意識してみましょう!

三つ葉、大葉、スダチ、しょうが….。 食べ応えはないくせに、100円もしてちょっと贅沢に思ってしまうかもしれませんが、100円出せば手に入る料理上手への道です。ここでケチらず、一度買ってみてください。

 

今週の特集は、香り野菜の1つ 秋みょうが。みょうがは、高知が有名な6〜8月の夏みょうがと、露地物が出てくる8〜10月の秋みょうが2回シーズンがあり、今は秋みょうがのピーク。ぎゅっと身がしまり、おいしい季節です。

みょうがを食べるとリラックスできる訳

アロマオイルや香水など、心地よい香りを嗅ぐとフワ〜と身体が軽くなる気分になります。野菜の香りにもその効果があり、特に香味野菜は香りの成分に特徴があります!みょうがの香りは「α-ピネン」。胃腸の消化を助けて食欲増進効果のほか、爽やかな香りによるリフレッシュ効果が期待されます。

夏は暑くて体温調節にエネルギーが必要なため、他の季節より食べ過ぎてしまう季節でしたね。そんな夏バテの胃腸をみょうがの香りはスッキリさせてくれます。また、季節の変わり目で体調が崩れやすい今、みょうがの香りでストレスを減らし、元気に活動することができます。そう、つまり、みょうがは夏の終わりの今絶対食べておきたい野菜なのです。

みょうがは香りを楽しむ野菜です。香りは時間経過と共に、弱まってしまうのでいつも以上に鮮度の良い状態で召し上がってください。切り方を変えるだけで、繊維の切断面から香りが出てくるので、細かく切って香りをたたせるのもいいですね。

薬味で終わらせない、みょうがが主役の食べ方

輪切りにしたみょうがに、塩とごまを混ぜた「みょうがふりかけ」はいかがでしょう。フワッと軽い食感なので、豆腐やなす、白身魚など柔らかで軽いものに合わせるのがおすすめです。ただ切っただけとは違い、みょうがだけでも食べ進められるので、1本2本と少量ではなく3~4本たっぷり使うのをお勧めします。

食べる瞬間の香りは落ちますが、口に入れた時のほろ苦さと香りは抜群!なのが、天ぷらです。最後のとうもろこしと合わせてかき揚げにするのはいかがでしょう。どちらもポロポロと細かな食材なので、クッキングシートを活用して、形を作ると作りやすいでしょう。もちろん、みょうが単品でもおいしいです。

荒めにみじん切りにして、香りを最大限に楽しむのもいいですね。食べるラー油や、ねぎ塩のように、みょうがの食感を楽しむソースにしてしまいましょう!みょうがの香りを楽しむために、私はあえて塩とオリーブオイルだけ混ぜたソースにしました。トマトだけでなく、食パンにしらすと一緒にのせてトーストしても最高です。

みょうがを主役にするときは、ごちゃごちゃと香りを混ぜないこと。そして、食感を大事にし、噛んだ瞬間に香りが口の中に広がる工夫をしましょう。フワ〜と爽やかな香りが広がれば、自然と笑顔になれますね。

 

今は、野菜も季節の変わり目!高いと思わないで

5〜6月と、9〜10は季節の変わり目で、夏野菜、冬野菜、春野菜のように目立ったお得野菜がなく「野菜高騰した!?」と感じる方が多くいらっしゃいます。いいえ、まだ冬野菜には早過ぎるから、白菜が高いだけです。季節の変わり目は、名残(なごり)と言って最後の前シーズンの野菜を楽しんだり、通年野菜のキノコ類、根菜類を楽しむのもいいでしょう。

無理して先取りした次の季節の野菜を買う必要はなく、今目の前でキラキラ輝く食材を見つけてくださいね。

 

また次回の更新で、月曜朝6:00にお会いしましょう。

小鉢 ひろか 料理家/管理栄養士

instagram: https://www.instagram.com/kobachi_hiroka/

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