小鉢ひろかの旬だより

NO.23 大きな大根も丸ごと食べ尽くすアイディア

大きな野菜を抱えるとなんだかワクワク・ソワソワと身震いします。

原始時代に獲物が獲れなかった時のDNAのせいなのか、はたまた不作の年が続いた苦しい時代のDNAなのか。とにかく、たくさん食べ物がある状態は遺伝子的に嬉しさを感じます。

しかし、昨今問題の食品ロスを筆頭に、大きすぎると逆に食べ切れるのか不安も感じたりします。「キャベツに白菜、大根、カリフラワー…。冬の野菜はどうしてこんなに大きいんだろう…」

実を頂く夏野菜に比べ、葉や根を頂くことの多い冬野菜は、じっくり成長するため1個が大きくなる傾向が強いです。鍋の季節なので、煮込めば小さくなるとはいえ、ドキドキしますよね。

今日は冬の定番の大根を、実も葉も皮も!1本食べ尽くす方法をお伝えしていきます。大きな大根を手に入れた日のヒントになれば嬉しいです。

先端の方が辛いのは虫のせい?

大根は部位によって甘さが違う、という話は有名ですが、いざ買い物するとき「上下どっちがサラダ用だったかな?」と混乱する経験はありませんか。大根は頭(上)のほうが甘く、下のほうが辛いと言われています。一説によると、虫に食べられないように土深い先端の方が辛い、なぁんて言われるそうです。よく考えると「全部土に埋まってるから、下だけ辛くても意味なくない!?」と不思議に思う話ですが、私はこの話を聞いてから「下が辛い」と覚えやすくなったので、今回皆さんにもご紹介します。

上はみずみずしく甘いのでサラダ向き、下は辛みがあり水分が少ないので長時間漬け込む漬物におすすめです。

では、大根おろしは?というと、ふわふわの甘い大根おろしが好きであれば上、辛めのガッツリした大根おろしが好きな方は下を使うといいでしょう。大根おろしに塩麹、天かす、ねぎ、しょうがを混ぜるとサクサク食感で食べる「おろし大根の薬味サラダ」になります。大根1/3本(300g)がペロリと食べれてしまう、おすすめの食べ方です。

えっ、おでんの大根はビタミンゼロ?

冬は煮物やおでんのイメージが強いですが、実は下茹でして煮込んでしまうとビタミン類や消化酵素などの栄養素はほぼゼロになります。食物繊維などの栄養素は残りますし、食べ物は体の栄養以上に心の栄養も大切ですので、大根の煮物料理も大切にしたいですが、いつも煮物ばかりならサラダや漬物、炒めるなど煮る以外も試してみませんか?

切った大根をフライパンで炒め、しょうが焼きの調味料で炒め煮した「大根の生姜焼き」。下茹でしないのでビタミン類の減少を最小限に抑えることができます。お酒のアテにもぴったりの1品です。

実は大根、揚げてもおいしいんですよ。煮物やサラダとも違う、新しい大根の一面に思わず驚かれる「大根と三つ葉のかき揚げ」です。

おいしい大根の煮物を作るなら皮を厚めに剥くのがコツですが、残った皮もおいしく食べきりたいところです。パリパリと少し硬い食感を生かし、漬物にするのはどうでしょうか。みんな大好き、ゆず大根にすれば残り物の皮とは思えない争奪戦間違いなしです。

大根が食べきれない時には、冷凍することをお勧めします。しかし、大根を普通に冷凍すると解凍した時にスカスカになっておいしくない。そこで、しょうゆやだし汁など「煮物の調味料」と一緒に漬けた状態で汁ごと冷凍するとスカスカになる心配もなく、大根の中まで調味料が染み込むので時短でおいしい煮物ができます。写真は、冬に大好きなふろふき味噌を白みそで作ってみました。大根の下味も薄味なので、上品で何度でも食べたくなる味です。

大きな大根を楽しく食べ切るヒントになれば幸いです。詳しい分量などレシピはこちらをご参考ください。

私がハマる、〇〇野菜!毎日研究中です

最近干し野菜と冷凍野菜にハマっています。干し野菜は農家さんから取り寄せ、冷凍野菜は自作で試す日々です。同じ野菜でも生、干し、冷凍で味が全く変わりますし、どう調理していくか科学も違うので試作が本当に楽しい!(難しい課題の方が燃えるタイプです)

干し野菜は農家さんによって全く味が違うので、全国から取り寄せたいですし、冷凍野菜は保存した後の料理のコツさえ掴めばすごい発明になりそうでワクワクしています。早くおいしい調理方法を見つけて、皆さんに紹介できたらなと思います。ブログに進捗を書いているので、ぜひ応援してください!

 

 

では、また次回の更新で、月曜朝6:00にお会いしましょう。

小鉢 ひろか/社会問題を料理で解決する 料理コンサルタント
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