小鉢ひろかの旬だより

No.10 刻みのワンパターンから脱出!オクラの楽しみ方

オリンピックの盛り上がりから、全く知らなかった競技の良さを知る機会が増えました。スケートボード、サーフィン、3 on 3バスケット。スケートボードに関しては、特に解説者の盛り上がり方が話題になりましたね。「カッケー」「アツッ」「ヤベェー」など、素直に表現された言葉により、熱量が伝わり、なんか楽しい競技だったな!と感じた方が多かったのではないでしょうか。

“人の心は熱量で動く”

オリンピックから、本気で楽しむ大切さを教えてもらった気がします。

このコラムも同じですね。私の熱量を言葉にのせて、今日も激アツな野菜を紹介しましょう!

買う前にわかる、野菜の特徴の見分け方とは?

今週の特集はオクラ。

オクラってほぼ、あの緑色のネットに入って販売されていますね。なぜかご存知ですか?

オクラは温度や湿度が高くなり蒸れると、傷みが早くなります。ネットに入れることで、通気性をよくして鮮度低下を抑えています。同様に、ニンニクは白いネット、玉ねぎは赤いネットに入れて通気性を保っています。思い返してみると、野菜によってビニールが密閉しているものもあれば、サニーレタスのように上が開いている野菜、キャベツのようにラップに巻かれているものなどそれぞれです。包装というおめかしをした野菜達も、その特徴に合わせた洋服を着ています。野菜の個性がわかる瞬間でもあるので、買う前にぜひチェックしてみましょう!

オクラは実は生でも食べられる野菜です。特にご家庭菜園で柔らかいオクラが収穫できた時は、生でも召し上がってみてください。加熱する場合は、ゆでるなら1分程度、電子レンジでも30秒程度から様子をみましょう。ゆですぎは、ビタミンやネバネバ成分の流失につながるのでご注意を。切ってからゆでると、水溶性の栄養素が全部流れ出てしまうのでNGです。

 

オクラはヘタに苦味があるので、ガクは削りましょう。ガクは麦わら帽子でいうとツバの部分。くるんと一周むけばOKです。うぶ毛をとると口当たりが良くなるので、しっかり塩もみしましょう。数本なら両手でこすり合わせ、5本以上の時は板ずりが便利です。

刻んで食べる、ワンパターン食べから抜け出そう!

オクラの食べ方といえば、小口切りにしてかつお節と醤油で食べるのが定番ですね。私も大好きです!

でも、夏のオクラは成長が早く、一度にたくさん収穫できるのでワンパターン食べは食べ飽きてしまいますね。そんな時は、人気料理の調理法を真似すると、野菜が苦手なお子さんも食べやすくなり、レシピの幅がぐーんと広がりますよ!

オクラに醤油と生姜を混ぜた衣をつけてサッと揚げると「ベジ唐揚げ」に大変身!他にも、長芋、なす、ピーマン、ゆでたじゃがいもなどもおいしく仕上がります。ポイントは、衣に味がついていて焦げやすいので、サッと火を通すこと。そのため、使う野菜はあらかじめ火を入れたものか、生でも食べられるものがいいですよ。

みじん切りのねぎに、醤油、酢、ごま油を混ぜて作る「油淋鶏タレ」をかけた油淋オクラ。これもナスや小松菜、青梗菜、トマトなど他の野菜でもおいしいです。クセの少ない野菜と合わせるのがポイント!甘酸っぱいタレが夏バテした時にも食べやすくておすすめです。

オクラは中が空洞なことから、水分を吸いやすい野菜です。切らずに、調味料につけておくだけでおいしい液を吸って、噛んだらジワっと味が溢れる地味深い一品に。鶏肉や魚の塩麹漬けをイメージして、塩麹、わさびに漬け込んで一晩寝かせたら、夏のビールにぴったりの1品になりました。

 

今回の3品は全て「鶏肉の人気料理」からヒントを得てアレンジしたレシピです。人気料理には必ず、味や具材の組み合わせに黄金のルールがあります。一から新しい料理を考えるのは大変ですが、少しズラすでレシピをアレンジすると、簡単に新しいレパートリーが増えることに!上記の食べ方もいつも副菜ポジションにいるオクラとは思えない、主役級のおいしさです!ワンパターン食べからの脱出、ぜひ試してみてください。

雨と気温にやられているのは人間だけじゃない

先日大きな撮影のお仕事で、季節外の野菜をたくさん使用しました。そうすると、買ったばかりのまいたけが水っぽくて臭いも変。なんとか手に入れた春菊は緑が薄くて弱々しい。水菜は溶けひどくて選別が大変。対するきゅうりやオクラは立派すぎて撮影に不向き。うーん、と材料集めに時間がかかりました。

雨や気温にやられているのは人間だけではありませんね。野菜も必死に生きている。

なるべくなら、食卓は季節の野菜を使って、生産される野菜にもストレスのない状態で頂きたいものだとしみじみ感じました。旬は野菜にも人間にもwin winですね。

 

 

次回の特集は「ゴーヤー」苦みが苦手な方必見!どうすればおいしくなるのか、読み解いていきましょう。

また来週も、月曜朝6:00にお会いしましょう。

 

小鉢 ひろか 副菜料理家/管理栄養士

instagram: https://www.instagram.com/kobachi_hiroka/

☆今回特集したオクラも入った、「まつのFresh!宅配」はこちらから

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