小鉢ひろかの旬だより

No.20 驚くジューシーさで、しいたけはお肉を超える?!

2021年は、空前の「唐揚げバトル時代」。

専門店は全国に3000店舗以上。スターバックスが1655店舗なので、スタバの2倍も唐揚げ店がある計算になります。すごいですね、書いていたら無性に唐揚げが食べたくなってきました。

しかし、唐揚げが消費されるほど、畜産業による環境汚染問題が深刻となります。農業に比べ、鶏小屋を清潔に保つために水は沢山使用しますし、飼料として豆やとうもろこしも大量消費されます。私は、絶対食べてはいけない!とは思いませんが、大量消費はやめたいなと感じます。

でも、唐揚げ食べたい(> <)

今日のコラムでは、唐揚げバトル時代に鶏肉ではなく「しいたけ」で戦いを挑んでみたいと思います。それでは!たのもう〜たのもう〜。いざ勝負!

しいたけの季節は2回くる

しいたけは2つの栽培方法があります。おがくずを固めたブロック(菌床)に種を植え付け、室内で人工的に養分や温度管理をして収穫される「菌床しいたけ」。クヌギの原木に2年間かけて菌糸が這いめぐり、自然の力を利用て栽培される「原木しいたけ」。

菌床栽培の発展のおかげで、昔はシーズン以外は乾燥しいたけしか買えなかった状態から、今では1年中収穫でき、いつでも「生しいたけ」が食べられるようになりました。(ありがたや)

とはいえ、やはり自然の恵みで作られた原木椎茸は肉厚さ、香り、味が格段に違う!しいたけ嫌いさんがいらっしゃるなら、ぜひ本物の原木しいたけを食べてみてください。嫌な風味や食感もなく、びっくりすると思います。

そんな原木しいたけの旬は9〜11月の秋と、3〜5月の春。秋は、松茸を代表にきのこのおいしい時期ですね。しめじやえのきも良いですが、ぜひ今だけは原木しいたけを見つけたら、選んでみてください。損はさせません。

びっくりするほどジューシーな、しいたけ唐揚げ

さて、鶏の唐揚げに戦いを挑む時間がきました。

唐揚げの成功は、中からジュワッ、外はカリッとしたあの「食感のコントラスト」を作ること。いくらジューシーでも、全体がベチャベチャではダメ。カリカリに仕上がっても水分を飛ばしすぎて干し椎茸になってはダメ。

この食感コントラストを作るポイントは、粉の付け方揚げ終わりのタイミング。1つずつ工程を見ていきましょう。

今回はしいたけ、舞茸、しめじと3種類を使用しています。ポイント1つめは、細かく切りすぎないこと。揚げると小さくなるので、いつもの一口サイズより少し大きめを意識しましょう。特にしいたけは軸を切り落としてしまう人が多いですが、軸は疲労回復のオルニチンやリラックス効果のGABAが含まれる栄養も豊富な部分です。捨てるなんてもったいない!軸の先、乾燥して固くなった付け根だけ少し切り落とし、軸まで全部使いましょう。

おろしにんにく、酒、みりん、しょうゆで下味を絡めます。1分ほど漬け込んだらOK。取り出して残った液体に薄力粉を加え、衣を作ります。
さぁ、ここからは時間との勝負。ここからの作業は食べる直前にしていきます。揚げ油も180℃に余熱OK、他のごはんもできた!となったら、粉をまぶしていきます。衣が付きやすくなるための接着剤の粉です。たっぷり着けすぎて火が通らないと困るので、全体に薄くつけるのがポイントです。初雪ぐらい、淡くまぶしたいので、茶漉しを使うのがいいでしょう。

180℃に予熱した揚げ油の火加減を強めの中火に変えてから、衣をつけたきのこを入れます。1分、周りがカリッとしたらOKです。揚げ過ぎるとしいたけの旨味液が出てきてパチパチ跳ねるので、揚げ過ぎに注意しましょう。衣が固くなる、箸で持ち上げた時に微振動を感じる(しいたけの中まで沸騰することで微振動を感じます)などすれば、取り出していいサインです。

いざ、実食。

噛んだらジュワッと、しいたけの旨味が溢れ出てきます。しいたけの傘は厚い方がジューシーに仕上がるので、ぜひ今の原木しいたけでお試しいただきたいですね。きのこの種類によって食感が変わって食べ飽きないので、様々なきのこでぜひお試しください。

揚げたてが最高ですが、冷めてしまった時はトースターで焼くとまた外のカリカリが戻ってきますよ。詳しいレシピはどうぞこちらを参考に。

「料理に自信が持てるヒント」を。ブログ始めました

youtube、tiktok時代に今更ですが、ブログ始めました(照)。こちらのコラムもそうですが、レシピはあくまで手段でしかありません。料理の周りにある背景やマインドについて、皆さんの好きな時に読んでいただける場所を作りたいと思い、マイペースに更新中です。よろしければ、こちらもぜひ見にきてください。

小鉢ひろかの、自分を誇りに思える「捨てない料理術」

次の特集は「ごぼう」。

また次回の更新で、月曜朝6:00にお会いしましょう。

小鉢 ひろか/社会問題を料理で解決する 料理コンサルタント
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