小鉢ひろかの旬だより

No.1 きゅうりに習う 1つのレシピを10に増やす方法

皆さんは野菜の何が好きですか?肌にいい、健康になる、味が好き…など様々な意見が聞こえてきそう。

私の解は「食感」です。サクサク、パリッ!料理中切る瞬間や口に入れた食べる瞬間、音から私たちを楽しませ元気を与えてもらっています。特に夏野菜は太陽をたっぷり浴びてみずみずしいものが多く、食感を楽しみやすい季節ですね。

 

今日は食感最高、今おいしくなってきたきゅうりで “1つのレシピを10に増やす方法” を紹介します。

レパートリーがないのは思い込み?

定番の”きゅうりとわかめの酢の物”。箸休めにぴったり、作り置きOK、酸味が疲れてる身体に沁みる定番料理です。

 でも毎日は飽きてしまうし、同じものを作って家族に「また?」とは言われたくないですね。何度も同じものが作れないため、多くの方がレパートリーがないと悩まれがちです。

 

でも、もしこの同じ料理があと10通りの別の料理に変わったら…?

さぁ、レシピという地図を応用してみましょう!

まずは素材の〇〇を変えよう

全く同じ材料で、きゅうりの切り方を変えました。上品になり、人が来たときにも出せそうですね。調味料の配合も、全く同じ。でも見た目と、口に入れた時の食感が違うので、新しい体験として食べ手は受け取ってくれるでしょう。

今度はきゅうりを叩いて切り方を変えました。大きく切っておくと、食材から水分が抜けにくいので、作り置きにもおすすめですし、よく噛むことで満足感が出てダイエット効果も期待できます。

 

他にもきゅうりは、乱切りや棒状、斜めに厚く切るなど様々な切り方が楽しめます。切り方が違うだけで時短やダイエット、日持ちするなど様々なメリットがあります。同じレシピでも切り方を変えるだけでレパートリーは増やすことができるんです。

〇〇を足して簡単!味変

叩ききゅうりは見た目がワイルドなので、居酒屋風にアレンジしてみましょう。ごまと塩昆布を足して風味を加えました。甘酸っぱい中に昆布の旨味が足され、酸味の苦手な男性でも食べやすくなりました。お父さんの晩酌にぴったりです。

生姜の風味を効かせ、元気が出ない日の食欲増進に。生姜が入ると食べ飽きない味になるので、2日目の作り置きに足すなどもおすすめです。

さらに応用してみましょう。酢の物のタレをゼラチンで固めジュレソースに。タレを軽く温め、ゼラチンを溶かして冷蔵庫で冷やすだけです。最後にゆずをかけたら料亭でも出す料理に大変身です。

 

他にも、酸味を酢からレモン汁や梅酢に変えたり、鰹や昆布の風味を強めたり、唐辛子や柚子胡椒などアクセントを加えるなどもおすすめです。同じレシピに風味を足すだけで、違う味に感じられレパートリーを増やすことができます。

 

“素材を楽しむ”というタイトルに込めた思い

今が旬のきゅうりは、水分が多い食材なので切り方一つで食感も見た目も、味の入り方も変わりやすい素材です。実験しやすい食材ともいえますね。

どうぞ素材を知って、さまざまな料理を楽しんでください。

きゅうりのおいしさは1通りではありません。真夏のきゅうりは太陽をたくさん浴びて皮の味が強くなりほろ苦さも感じます。皆さんはどう調理しますか?私なら、梅の酸味を足して、ほろ苦酸っぱい味に仕上げます。小さいベイビーきゅうりちゃんに出逢ったら、そのやわらかく優しい味わいを切らずに1本ガブリと楽しんで。

 

同じきゅうりでも、産地も時期も違えば味わいも違う。どう料理しようか、レシピという地図を見ながらどうぞ今日も料理が楽しい癒しの時間になりますように。

 

このコラムは、毎週月曜日朝6:00に公開しています。来週は「ヤングコーン」どうぞお楽しみに。

 

小鉢ひろか 副菜料理家 / 管理栄養士

Instagram:https://www.instagram.com/kobachi_hiroka/

もっと詳しいきゅうりの食べ方はこちらもどうぞ。

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