ベジフルサポータージャーナル

長野県都心から約2時間半!自分好みのブドウを食べに行こう!

野菜・果物品目レポート

熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美です。

みなさんは、今年ブドウを食べられましたか?甘くて香り良いブドウは、次から次へと手が伸びて、いつの間にか一房食べてしまったということも。私もその一人!最近はブドウの品種も増えて、いろいろなブドウを食べてみたいですよね。だったらブドウの産地に行ってみよう!ということで、全国でも有数の生産量を誇る長野県中野市を訪れました。

初めて訪れた中野市ですが、車窓からはブドウ園やりんご園などの果樹園が広がり、目を奪われる光景ばかり!果樹園は生産者だけでなく市民の宝でもあるそうで、果樹園を鳥や獣から守るため、市では生活ゴミの分別やルールまでも厳しい管理がなされているそうです。

訪れたブドウ園は中野市内にある広宣ファーム。ご案内してくださったのは出澤英之さん。園内に入るとそこは、いろんな色のブドウがランタンのようにぶら下がり圧巻!まるで、ブドウが「いらっしゃいませ」と言っているようにも見え、ブドウに歓迎されている気分になりました。

こんなにブドウがぶら下がっているのを見るのは初めて!いろんな色のブドウが下がっていますが、こちらでは8種類のブドウを栽培されているそう。一つ一つ教えていただきました。

「種無し巨峰」

巨峰は種ありよりも種無しの方が栽培も盛んなんだとか。出澤さんの巨峰は、多汁で甘みと酸味のバランスがよく、皮も渋くないので、果実に皮の渋さやクセがなくスッキリとした味わい。無意識に食べていたら一房なくなりそうなほど食べやすい巨峰です。巨峰って昔からあるブドウなので、いろんな思い出も蘇り、懐かしさも感じられます。

「ナガノパープル」

ナガノパープルは、皮ごと食べられる種無しブドウで長野県のオリジナル品種です。巨峰にロシア原産品種リザマートを交配して作られたもので、黒に近い色で凛々しい姿をしています。去年までは県内農家のみの生産となっていましたが、今年から県外生産が許可され全国的に流通量が増える可能性もあるそうです。

とはいえ、ロシアの土地に合ったリザマートを日本の土地に合わせて栽培する難しさや、いかに皮を薄く作るかという技術の難しさがあるとのこと。パリッとした食感で、高糖度ながら爽やかな甘みが特徴なナガノパープル。巨峰と食べ比べてみると味の違いがわかります。

「シャインマスカット」

シャインマスカットも皮ごと食べられる種無しブドウで人気が高くなりました。緑系のブドウですが、完熟に近くなると黄色味がかった色になり、糖度もグンと上がるとのこと。大粒で皮張りがよく、色のいいものは高値で取引されるんだそう。しかしそれまでの栽培管理は難しく、特に水分量の調整によっては皮が割れてしまうため、かなり手間暇をかける必要があるそうです。

その分、味は最高!口に入れた瞬間、パリッとした皮から果汁が口の中に飛び出し、蜜のような甘さとマスカット特有の香りに包まれます。間違いなく、幸せを感じられることでしょう。

「翠峰(すいほう)」

「何ですか!これ!」と思わず叫んでしまうほど、巨大な姿にびっくり!一房1kgほどの重さがあるそうで、あまりの大きさに驚愕しました。味は、あっさりとした甘みで酸味も程よくあり、果汁も十分。皮ごと食べられ種もないのですが、果肉が大きいので私は一粒を2口で食べました。透明感のある混じり気のない黄緑色にも惹かれます。

「シナノスマイル」

全国的に生産はされているそうですが、ブドウ全体からすると希少な品種です。赤系のブドウで粒も大きく、食べると口の中で甘い果汁が滴ります。さらに、ゼリーのようにとろける食感がやみつきになり、何個も口に頬張りたくなるほど!「シナノスマイルはなぜか緑色のものも甘いんです」と出澤さん。名の通り、自然と私たちを笑顔にしてくれるブドウです。

「クイーンニーナ」

こちらはさらに大粒の品種で500円玉ほどの大きさ。そして何と言っても砂糖がかかっているのかと疑うほど極甘なのが特徴です。パリッとした食感から弾け飛ぶ甘い汁は、子供も大人も虜になりそうな味!程よい酸味がさらに甘さを引き立たせてくれています。

「昭平紅(しょうへいこう)」

細長い形をした赤系のブドウ。私にとっては初めて見るブドウです。一口頂くと、今まで食べてきたブドウにはないサクサクとした食感が印象的でした。さらにブドウらしくないほのかな香りと甘みが口中に広がります。「何かの味に似ている・・・」と思っていた所、出澤さんが「リンゴっぽい味がするでしょ?」と一言。確かに、リンゴのような芳香と爽やかな甘みがありました。今年は試験的に栽培されているとのことで、来年より出荷されるそうです。とても楽しみです。

「クイーンセブン」

8種類の中で、私が一番やみつきになったブドウです。クイーンセブンは、シャインマスカットとマニキュアフィンガーの交配で作られた品種で、細長くスマートな形をしています。シャキシャキした食感に加え、芳醇な香りと濃厚な旨味、甘みが、まるでワインを飲んでいるかのよう!たった一粒食べるだけで、昼間のブドウ園が夜のワインバーにいるような感覚に陥りました。お酒のお供にピッタリなブドウです。

8種類のブドウを案内して頂きながら気づいたのですが、木の高さが地面から165㎝ほどしかなく、出澤さんは中かがみの状態で歩いていました。この状態での収穫や管理は大変困難とのこと。私も他の農園で収穫の作業をお手伝いしたのですが、もっと低い木もあり、160㎝の私でさえ中かがみの状態。まさかこのような状態で作業をされているとは思いもよらず、長野に来たからこそ知ることができました。

ブドウを栽培する上ではいろんな管理法がありますが、ブドウの色と味を安定させるために「環状剥皮(かんじょうはくひ)」という作業をされるとのこと。葉で作られた養分が木の篩管(しかん)を伝わって根の方に降りていくのを遮断させるために木の皮を削ります。そうすると養分が果実の方へ蓄積され、鮮やかな色と甘みの強い味の果実になるそうです。日々の管理がおいしさへと繋がる・・1年かけて育てたブドウをしっかりと味わって食べたいと思いました。

出澤さんは、何と元お笑い芸人!6年ほど前にブドウの生産を始めようと思われ、1年間の修行の後、今では絶大な人気を誇るブドウ生産者として活躍されています。「長野のくまモンです!」と言って笑わかせてくれた出澤さん。将来は、プロから認められるようなブドウ生産者を目指しています!とのこと。その夢も近い将来叶うのではないかと思うくらい、立派なブドウを育てていらっしゃいます。

「お客様に喜んでもらうのが嬉しい。今まで一番嬉しかった言葉は、記憶に残したいブドウだと言われたことです。また食べたいとリピーターも増えました。そのためには、安定した生産をし、品質向上に努めたいです。」現在はご家族で生産に取り組まれていらっしゃいますが、ご家族も「お客様においしいと言われることが何より嬉しい言葉」だそう。みなさんもおいしい野菜果物に出会ったならば、ぜひ生産者に「おいしい」という言葉を伝えてみてくださいね!

今後はさらに新しい品種にもチャレンジされるそうで、また中野市に来る楽しみが増えそうです。都心から新幹線などを利用して約2時間半、自分好みのブドウを探しに中野市へ行ってみてくださいね!

熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美でした。

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