ベジフルサポータージャーナル

青森県循環型農業でうまれる冬の促成アスパラガス

まつのベジフルサポーターレポート

青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑睦子です。

暦の上では春を迎えてもなお氷点下が続く青森県では、農閑期の真冬でも遊休ハウスを活用して葉物野菜が作られ、冬場の収入源になっています。その中でもとっておきの冬野菜、アスパラガスを紹介します。

光を当てて栽培するグリーンアスパラガスや逆に光を遮断し栽培するホワイトアスパラガス。えぐみや苦味が少なく甘みがあり、とても美味しいのです。この時期はハウス栽培とはいえ加温が必要なため、様々な工夫を凝らしてコストを抑え生産しています。輸入に頼らざるを得ないアスパラガスの冬場の需要は高く、夏場に蓄えた養分だけで育つため病害虫の発生が少なく、農薬を使わず、安定生産ができます。

今回は地域循環型農業に取り組んでいる合同会社「イネ子の畑から」の佐藤イネ子さん一家のグリーンアスパラガス栽培をご紹介しましょう。

海、山、湖と豊かな自然に恵まれた農業と漁業を主産業としている中泊町。津軽半島のほぼ中央に位置し、十三湖畔から内陸に広がる中里エリアにあるハウスを訪ねました。
辺りは一面銀世界!冬は「地吹雪ツアー」で知られるほどの県内有数の地吹雪地帯ですが、外の景色が嘘のような暖かなハウスの中では、息子の佐藤真哉さんがアスパラガスの収穫と選別作業を行っていました。

こちらが青森県では女性初の名誉農業経営士、ロールモデルとしても名高い佐藤イネ子さん。

多くの肩書と様々な受賞歴をもつほどの多種多様な取り組みで地域農業の活性と中泊町の魅力を伝え続けているチャレンジャー!中泊町のトマト栽培の先駆者でもあります。米とトマトを中心に秋にはメロン、冬はアスパラガスや寒締めちぢみ小松菜、レタス、パクチーなど、一年を通して生産しています。

冬のアスパラガスは促成栽培。まず2月に種を播き、春から秋までは露地で育て、晩秋の黄化後、根株を掘り起してハウス内の排水のいい砂土壌に密植します。

土の下に温水パイプを通して30度で加温すると、春が来たと勘違いしたアスパラガスが休眠から目覚めて芽を出すのだそう。なかなか見ることができない株の様子や伏せ込み作業はパネル写真で見ることができました。

以前は石油ボイラー2台で加温していましたが、石油価格高騰のため現在は2つの新しい工夫が施されています。

(1)学校給食センターの廃油を活用したエコストーブでハウスを加温→アスパラガスを育てる→地域の子供たちに知って、見て、収穫して、食べてもらう。「給食おもいやり隊」隊長のイネ子さんのハウスには見学や体験でたくさんの人が訪れます。

(2)ご主人の達雄さんが考案した薪暖房システムは、薪を燃やして五右衛門風呂を思わせるタンク内の不凍液を温め、灯油ボイラーと連結させます。常時一定温度を保って循環させ、アスパラガスの伏せ込み床パイプの加温をしています。薪を使うことで燃料代を抑えることができました。
これが「イネ子の畑から」の佐藤さん一家の地域循環・連携型農業の形です。


今回、収穫直後のアスパラを佐藤さん一番のおすすめという「ホイル焼き」でいただきました。


糖度の高さが良く分かりますね。トウモロコシのような?筍のような?ほんのりとした香りと甘さはまさに収穫体験ならでは!冬場のアスパラガスは加熱するとホクホクしていて、より甘みが楽しめますよ。

市場出荷は12月後半から3月まで。青森県内のスーパーや農産物販売所で購入できます。

アスパラガスは名前の由来にもなったアミノ酸の一種「アスパラギン酸」が多く含まれており、新陳代謝を促したり、疲労回復や消化器の働きを促進してくれます。不足しやすい葉酸や亜鉛も含んでおり、免疫力を高め、ガン予防や美肌効果も期待されています。

大寒の末候、「鶏始めて乳す(にわとりはじめてにゅうす)」
今では通年ですが、新暦では大体1月30日から2月3日頃が鶏が卵を産み始める時期とされ、寒い間に産んだ卵は栄養価が高くて日持ちが良いといわれていたそう。ならばと、卵とアスパラガスのオムレツ「トルティージャ」を作ってみました!余熱で甘くなったアスパラガスとふんわり卵にミモレットチーズをかけ、心も体も温まります。

青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーの欠畑睦子でした。

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