ベジフルサポータージャーナル

大阪府農業で地方創生にかける想い

まつのベジフルサポーターレポート

大阪府のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(まんののりこ)です。

手間を惜しまず時間をかけ丹精込めて作られる伝統野菜のえび芋。このえび芋で富田林市の街興しプロジェクトが現在進められており昨今注目を集めています。今回はそんな伝統野菜のえび芋と富田林市の地域活性プロジェクトをご紹介致します。

海老芋は毎年春に種芋を植え11月頃まで約半年かけて育てられ、種芋を親にして子芋、孫芋と分かれながら育っていきます。下の画像のぽっこりと生まれている芋が子芋です。


今回訪問させて頂いた浅岡農園の浅岡均さんご夫婦に詳しくえび芋の育て方をお伺いしました。

えび芋は成長過程で約4回ほど土寄せという作業が行われます。土寄せとは親芋と子芋を離すように株の間に土を入れていく作業で、これが海老芋の特徴的な先太りの紡錘形にするために欠かせない作業なのです。

手間暇かけた独特な栽培方法で湾曲した形状を作り出すのですが、この反り返った形状と表面の横縞がまるでエビのように見えると京都の料理人達が言い出したことがえび芋の名前の由来とも言われています。

京都の料亭などでえび芋はとても人気があり高級食材として扱われています。京の伝統料理で有名な「いもぼう」はえび芋と棒鱈を炊き合わせた江戸時代に考案された京料理です。厚く面取りした海老芋と、一週間かけて柔らかく戻した棒鱈を一日かけて炊きあげます。手間暇をかけて作られる芋棒の特徴は全く異なる性質の素材同士がお互いの性質をうまく作用させている点で「出会いもん」とも言われています。棒鱈を炊くときに出る膠質(にかわしつ)が海老芋の煮くずれを防ぎ、海老芋から出る灰汁(あく)は棒鱈を柔らかくするのです。

栽培に手間暇がかかるためえび芋を育てる農家数が激減しましたが、地域では収穫後も土に埋めておくことで2月頃までの出荷に対応されています。根を切り親芋から子芋・孫芋を外して洗いにかけていく作業は全て手作業で、収穫してからもかなり手間暇がかかります。

栽培規模は縮小されましたが伝統を絶やすことなく素晴らしいえび芋を育て続けてらっしゃる浅岡さんは「えび芋名人」と異名を持つほど。新規就農者や後継者育成に力を注いでらっしゃいます。

そして近年、富田林市で街興しプロジェクトが立ち上がり伝統野菜であるえび芋を使った「富田林コロッケ」が誕生しました。

ねっとりホクホクの食感はえび芋だからこそ出る粘り。えび芋特有の甘みのある富田林コロッケは南大阪の富田林寺内町で販売されており大変注目を浴びています。

最近では京都府でもえび芋の栽培が増えてきているそうです。そこで熟練の技術と伝統の栽培方法で育てられる富田林市のえび芋と他の地域のえび芋との差別化を図るため同市はGI認証取得に乗り出しました。GIとは地理的表示保護制度のことで、伝統的な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地等の特性が、品質等の特性に結びついている産品の地理的表示を知的財産として登録し、保護する制度のことです。えび芋の成分分析など第三者機関に調査委託しGI認証に向けて準備を進めているところです。

富田林市の特産農産物としてえび芋の栽培技術を絶やすことなく、富田林コロッケに想いを託して地域の活性化に取り組む富田林市は今年プロジェクト開始から3年目を迎えます。徐々に認知度が高くなってきた富田林コロッケは地元スーパーでのイベント販売で1日約1,000個売れるほど人気が出てきています。「コロッケで街興し」…ノスタルジックな富田林寺内町で特産品を使って作られている富田林コロッケをぜひご賞味頂きたいです。

大阪府のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(まんののりこ)

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