まつのベジタブルガーデン

山梨県いぶし銀の輝き?重さ世界一のスモモ!「貴陽」

まつのベジフルサポーターレポート

初めまして。
今月から山梨県のまつのベジフルサポーターになりました、ジュニア野菜ソムリエ・パンアドバイザーの村上由実です。

「フルーツ王国山梨」というと、桃や葡萄の印象が強いかもしれないですが、実は「スモモ」の収穫量・出荷量共全国トップです。
(平成27年産 農林水産省統計)

今回は、桃や葡萄の人気の陰に隠れがちな存在「スモモ」をご紹介します。

現在山梨県では、左に収穫間近の桃の木。

そして、右には傘を被った葡萄の棚。

という光景があちらこちらに見られます。

しかし、直売所に行ってみると、たくさんの「スモモ」が並び、人気者の桃の少し後ろから主役の座を狙ってます(笑)

みなさん、「スモモ」にどんなイメージをお持ちですか?
おそらく、多くの人が「とにかく酸っぱい」とお思いになるのでは?

「スモモ」の糖度は平均15~17度と言われており、決して低くはないのですが、「スモモ」には独特の酸味があり、子供達には敬遠されがち。
見た目も、主力品種の「ソルダム」の果皮は緑で、あまりおいしそうには見えない?・・・のでしょうか。

でも切ってみると果肉は鮮やかな濃紅色。
美味しそうに見えませんか?

続いてご紹介するのは「サマービュート」。
山梨県の果樹試験場で育成した品種です。
果皮は赤紫色で、種が少し小さめ。
果肉は淡い黄色です。
「ソルダム」と比べると酸味が少ないので、酸っぱいのが苦手な人にも食べられそうです。

続いてご紹介しますのは「貴陽」。
200グラム以上の極大玉になる品種。

平成24年7月に開催されたギネス世界記録挑戦イベントで、323.77グラムの貴陽が、「世界で最も重いスモモ」の認定を受けたスモモです。
平均的な桃の重量が250~300グラムということを考えると、ギネス認定を受けた貴陽の大きさが、どれだけすごいか、分かっていただけますか?

ちなみに、写真の左側が桃で、右が「貴陽」です。

「貴陽」はジューシーで甘味がとても強いため、他の「スモモ」との違いに衝撃を受ける人も多いとのこと。

しかし、「貴陽」は栽培が難しく、 「幻のスモモ」と呼ばれているんです。

実は今年4月、友人の圃場を訪問し、受粉のお手伝いをしました。
「貴陽」は自家結実性がないため、別の品種の花粉を使って最低5、6回人の手で受粉作業を行うのが一般的なんだそう。

この日受粉に使ったのは「ハリウッド」という品種。
赤い実をつけるそうですが、売り場に並ぶことは少なく、受粉樹としての役割がほとんど。

「スモモ」というと白い花を想像しますが、「ハリウッド」の花はこんな感じ。

「ハリウッド」は「貴陽」より開花時期が早いため、受粉用に事前に花粉を採取しておきます。

「貴陽」の花はこちら。

受粉は、開花後5~6日後に行うのが効率的といわれているそうですが、それも気温や天気次第で確実ではありません。

実際、この次の日は雨でした。
ということは、この日の作業は役に立たなかったかも・・・

それでも、愛情をたっぷり注がれた「貴陽」は、たくさんの実を付けました。

他のものに比べると高価ですが、糖度の高さとジューシーさの虜になるリピーターも多く、贈答品としても人気の品種です。

「スモモ」には、桃や葡萄のような派手さはないかもしれません。
でも、品種によってここまで酸味や甘味のバランスが異なる果物も少ないのではないでしょうか。

これまで「酸っぱい」だけで「スモモ」を敬遠していたみなさま!
「スモモ」は果皮に酸味が強いので、皮をむくことで、 独特の酸っぱさが大分やわらぎます。

甘味が強いスモモが好みな人もいれば、酸味が強いスモモが好きな人もいます。

また、スモモは、追熟します。
酸っぱいと感じたら、常温で保存し、追熟させてみてください。
果肉がやわらかくなって、おしり部分に輪の模様。

さらに甘い香りがしてきたら食べ頃です!
冷蔵庫に入れ、よ~く冷やして食べましょう。

今が旬の「スモモ」。
いろいろな品種を食べ比べし、自分好みの品種を見つけてみませんか?

山梨県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ・パンアドバイザーの村上由実でした。

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