山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実です。
「フルーツ王国」山梨県で12月頃から始まるいちご狩り。今回は山梨県中央市にあるグルメいちご館前田をご紹介します。
ハウスに入ると甘いいちごの強い香りと笑顔の前田克己館長が迎えてくれます。
こちらのハウスでは、検査機関による残留農薬検査を行っており、その情報を開示しています。(写真は昨シーズンの検査結果)
通路にはマットが敷いてあり、雨が降っても長靴等は不要。車椅子やベビーカーでもいちご狩りが楽しめます。
受付を済ませると、まず最初に渡されるのがこのハサミ。いちご狩りには何度か行ったことがありますが、ハサミを渡されたのは初めて。
「素人が手で収穫すると他のいちごに影響が出やすいので、必ずハサミでヘタのところを切ってください!」と少し強めの口調で話す前田館長。優しい笑顔とは裏腹になかなか厳しいお言葉。他にもお願い事項がいくつか掲げられています。
でもそれだけいちごへの愛情が深いことを感じました。ヘタを入れるビニール袋を持っていちご狩りのスタートです。
まずは「章姫」専用のエリアへ。章姫は静岡県生まれの品種です。
昨年7月8月の猛暑と9月の日照不足の影響で、今シーズンはいちごの生育が遅れているそう。この日も小粒なものが多く、数が少ないように感じました。
果肉が柔らかく甘味が強い章姫は、子供たちにも大人気です。
章姫専用エリアを堪能した後は、オリジナル品種を含む4種類が食べられるエリアに移動します。
まずは「かおり野」。三重県生まれの品種です。瑞々しいのが特徴で、酸味はあまりなくやや薄味。さっぱり味がお好みの人にピッタリの品種です。
こちらは「紅ほっぺ」。静岡県生まれの品種です。「章姫」と「さちのか」を親に持ち、章姫の甘味とさちのかの酸味を併せ持つ、味のバランスの良いいちごと言われています。
それから「アスカルビー」。奈良県生まれの品種。ほどよい酸味があり、果肉は硬めでしっかりしている割にジューシーさを感じます。
中心部以外はまるでルビーのように真っ赤!
そして最後が「ホワイトベリー」。こちらのオリジナル品種です。
円錐型が特徴で、酸味はほとんどありません。
ここまで5種類をご紹介しましたが、実は他にも「幻のいちご」と評される高級品種もいくつか栽培されています。別料金にはなりますが、せっかくなので味わうことに。
こちらは「あかねっ娘(ももいちご)」。関西などでは1粒800円くらいで取引されることもあるそう。
中は真っ白で、酸味はあまりありません。ほんのり桃のような甘い香りがしました。
こちらは規格外となってしまったものですが、ふっくらコロコロした形がかわいいですね。
そしてこちらが「サンエンジェル(サラダイチゴ)」。
シャキシャキした果肉と、トマトやプラム(特にソルダムなどの酸味が強い品種)のような味が特徴的。「サラダ」という名にも納得です。
こちらのいちご狩りは時間制限がなく、エリアを限定することで他のお客様を気にせずに楽しむことができます。また、練乳などは提供せず、いちご本来の美味しさを堪能できるような配慮も。「どれも大切に育てたいちご。先端だけ食べる様な贅沢食いはせず、ヘタの近くまで味わってほしい」と館長。
いちご狩りは5月頃まで。4~5月はナイター営業もあり、仕事後に同僚と訪れる会社員もいるとか。スーツでいちご狩りなんて斬新ですね(笑)。
いちごのシーズンはまだ始まったばかりです。
山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実でした。