ベジフルサポータージャーナル

福井県米作りからの酒造り!僕らの酒造りプロジェクト【酒造り編】

まつのベジフルサポーターレポート

福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ認定講師の水嶋昭代です。

「米作りからの酒造り 僕らの酒造りプロジェクト」【米作り編】に続いて、【酒造り編】をお届けします。冬の寒さが厳しい1月中旬、南越前町今庄の北善商店さんにおいて、私たちの酒造りが始まりました。
北村さんからは、日本酒が出来るまでの工程を説明していただきました。大手の酒蔵では、多くの蔵人と杜氏が酒造りをしていますが、日本全国の小さな酒蔵では、蔵元ご自身が杜氏もこなされるオーナー杜氏が多いそうです。北善商店も蔵元の北村さんがお一人で酒造りされています。

北善商店は、北国街道の宿場町「今庄宿」で1716年(享保元年)創業、初代北村善六の名前をブランド名「善六」に現在10代目の北村啓泰さんが「大吟醸 聖乃御代」をはじめとする数々の日本酒を造られています。

日本酒は、米(蒸米)と米麹と水をアルコール発酵して作られます。米には糖分が含まれていないために麹の酵素によって、米のでんぷんを糖化、ブドウ糖に変えて、酵母の力でアルコールに発酵していきます。「糖化」と「アルコール発酵」を同時に行う日本酒は「並行複発酵」、一方、ワインは原料であるぶどうに糖分があるために「単発酵」で醸造されます。

今回4日間通して、日本酒の仕込み作業を体験させてもらいました。
仕込みに入る前に、麹、蒸米、仕込み水にその蔵独自の酵母を加えたものを培養して、あらかじめ「酒母(しゅぼ)、酛(もと)」を作っておきます。酒母は、日本酒の元になるもので、酒母に必要な「乳酸」を得る方法によって、生酛、山廃、速醸などがあります。

予め作られた酒母を元に醪(もろみ)を仕込んでいきます。酒母に仕込み水、麹、蒸米を加えて醪は作られるのですが、一度に加えるのではなく、3回に分けて段々とその量を増やしていくのです。これを「三段仕込み」と言います。

1日目の「初添」、2日目は仕込みを休み酵母を増やす「踊り」、3日目「仲添」、4日目「留添」。加える水と蒸米と麹の量は、日を追うごとに増えていきます。3回に分けることで徐々に糖化が進み、酵母へのストレスが少なく醸造することができます。

【一日目】「初添」前日に洗米して水切りしておいた大量の米を大きな釜で蒸します。
この日蒸した米のほとんどは、麹にします。麹は3日かけて完成します。今日作った麹は4日目の留添に使われます。

麹菌が死滅しないように冷ました蒸米に種菌をまぶし、室に運んで、一定の温度で保温します。
一部の蒸米は、酒母と仕込み水と麹と共に、小さめのタンクに入れます。櫂入れもその都度行います。
翌日の米を洗米。大量の米を水圧をかけて洗っていきます。
浸水。米の状態、水温などの条件によって、それから麹にする米ともろみに入れる米とは、浸水時間が変わります。翌日まで水切り。

【2日目】「踊り」仕込みは休み。今日は、麹を作る米のみを蒸して、麹を作ります。更に6日後に始まる次の仕込みのために酒母の仕込みが始まりました。寒仕込みのこの季節は、常にスケジュールと今日洗米する米の量のチェックに気を配ります。

【3日目】「仲添」前日に洗米し、水切りしておいた米を蒸し、一部を麹に。残った蒸米は、少し大きめのタンクに初添のもろみ、水、麹と共に、入れられます。
昔は、桶やタンクまで蒸米を手で運んでいましたが、現在は蒸米は機械で運びます。
併せて、前日、前々日に仕込んだ麹の世話をします。

【4日目】「留添」更に大きなタンクへ仕込みます。
4軒もの醸造元があることからも分かるように、今庄は酒造りに適した山からの美味しい湧き水が豊富にあり、ろ過器を通して仕込み水に使っています。

留添の大きなタンク、中添のもろみに1日目に作った大量の麹、蒸米、仕込み水を入れていきます。これで、仕込みは終了です。


この後は、櫂入れ、温度管理、発酵具合を見ながら、20日間前後熟成、発酵させます。熟成したもろみを絞り、滓(おり)を沈殿、ろ過、火入れ、貯蔵などを経て、新酒が完成します。(火入れをしないお酒もあります)米作りから始まった酒造りもようやく終盤を迎えようとしています。春には、オリジナルのラベルを貼った自分たちのお酒を受け取ります。


プロジェクトを企画・運営をした中谷さん(左)は、南越前町地域おこし協力隊の任期があとわずか。今後は今庄宿の古民家を再生したゲストハウス「地域まるっと体感宿 玉村屋」の運営をします。「米作りからの酒造りプロジェクト」「つるし柿作り体験」「野菜の収穫体験」など南越前町の自然と豊かな産物、人とのふれあいを宿泊しながら体験してもらうという新しい形のゲストハウスです。県内外から、多くの人が訪れ宿泊しながら体験してくださることで、南越前町のますますの活性化に繋がっていくことでしょう。

地域まるっと体感宿 玉村屋  https://tamamuraya.jp/

北善商店 http://zen-roku.com/

日本人が親しんできた日本酒が、良質な米と水、職人の技術によって作られていることを体験し、日本酒の素晴らしさに気づきました。日本酒は世界に誇れるお酒です。

福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ認定講師の水嶋昭代でした。

(写真提供)南越前町地域おこし協力隊 中谷翔さん、北村明日香さん

 

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