ベジフルサポータージャーナル

熊本県果汁弾ける!手のひらサイズのイチゴ「ゆうべに」

まつのベジフルサポーターレポート

熊本県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美です。

熊本はイチゴの一大産地!イチゴの収穫量は全国で3位(農林水産省調べ)です。

特に、熊本県で誕生したイチゴ「ゆうべに」は県内でも大人気の品種。

今回訪問しました「荒木いちご農園」は、昨年もまつのベジフルジャーナルでご紹介しましたが(参照記事→熊本の新品種!感動のおいしさ「ゆうべに」)、園主の荒木庸伸さんより「ものすごいイチゴができたから、ぜひまた紹介してください!」と嬉しいお声がけをいただきました。

選果場で目に飛び込んできたイチゴに度肝を抜かれ、思わず「でかーー!」と叫んでしまった私。

量ってみると1粒60グラムも!

60グラムと言われてもピンと来ないかもしれませんが、一般的なイチゴと比較してみると一目瞭然!比較対象のイチゴは普通サイズといってもやや大きめの2Lサイズのもの。それでもこの大きさは圧巻です!

しかも、このビッグサイズのイチゴが次から次に実り、たくさん収穫できるとのこと。なぜこのような大粒のイチゴが実るのか、秘密を探りに生産現場のビニールハウスへと向かいました。

遠くまで広がるいちごの楽園!すべて「ゆうべに」です。「この連棟ハウスのイチゴで約17〜18トン収穫できます。収穫作業だけでも大変です」と荒木さん。

一般的なイチゴ狩り体験の農場は高設栽培が多いでしょうが、こちらは土耕栽培。わざわざ土耕で栽培されている理由が、大粒イチゴとなにか関係がありそうです。

「高設栽培は作業をしやすいのがメリット。立ったまま作業できるので効率が良いですね。でも、イチゴのことを考えると根の張りが制限されてしまったり、水分量が多くなりすぎる可能性も。土耕栽培だと土が十分にあるので根が下までしっかり張ることができ、水はけもよくなるので、イチゴにとってはのびのびと良い環境なのです」

そして、こちらのイチゴのもう一つ特徴は、ただ粒が大きいというだけではなく、綺麗な円錐形をしていること。「この円錐形を作るためには肥料の設計技術が必要です。窒素成分が多すぎると変形しやすくなります。11月頃から毎日毎日イチゴの様子を見て、肥料の微量な調整と灌水(水やり)などを行います。休日なしですよ!」と荒木さん。

さらに、定植してから一度も農薬を使わず有機肥料だけで栽培しているそう。「育苗期間中もほとんど農薬は使用しません。育苗から収穫まで行っています。イチゴ農家は400日かけてイチゴを育てているんですよ」400日?一年は365日ですからオーバーしますよね。

「冬の収穫作業と同時に育苗もしなければならないので、今は大変忙しい時期ですが、両方とも大事な作業なので手を抜けません」ご存知でしたか?私たちが今こうしておいしくイチゴをいただいている時に、イチゴ農家では来季のイチゴを育てているということを!

荒木さんの「ゆうべに」、一口では無理なので三口でいただきました。一口目はヘタの方から!まず口の中にジュワーとほのかに甘い果汁が広がり、まるでイチゴジュースを飲んでいるようです。そして独特の甘い香りが鼻から抜けていきましたが、この香りの高さには驚きでした!そして二口目は真ん中辺り。だんだんと甘さが強くなるのですが、果肉がとても柔らかいのです。

「この果肉の柔らかさもうちの特徴です!日が経って柔らかくなるものとは違って、採れたての時にすでに柔らかい状態の果肉ができるよう肥料設計をしています。それに伴って、果汁が口の中で弾けるようなジューシーなものを作っています」だからこんなに柔らかいのか!と納得です。そして三口目は一番甘い先端部分。強烈な甘さと香りが口いっぱいに広がり、その後もずっと甘さと香りの余韻が続くのです。

今ではこのように立派なイチゴに育っていますが、熊本地震の直後は悲惨な光景だったそう。「収穫がまだ終わらない4月に地震がありました。枯れていくイチゴを目の前に愕然としました。地震以降のイチゴは全て採ることはできず、収穫は断念せざるを得ませんでした」とのこと。収穫だけでなく作業場も全壊し、当時はご自宅内で選果や箱詰めをされていたそうです。

(荒木いちご農園より提供)
地震から3年が経とうとしています。栽培もまともにできなかった状況から、このような立派なイチゴを作られ、さらに昨年は作業場も建てられた荒木さん。毎回お会いする度に、イチゴにかける情熱と愛情、こだわりがひしひしと伝わってきて、私にとっての「日本一のイチゴ農家」だと思います。

荒木いちご農園では「紅ほっぺ」と「よつぼし」も栽培されています。こちらの紅ほっぺは栽培時農薬不使用。この形が紅ほっぺの美しい形だそうです。

ゆうべにに比べて酸味が強いので甘酸っぱいおいしさ。旨味もあって、どこか懐かしい味でもありました。

よつぼしは、2017年に登録された新品種。果肉に弾力があって、甘みが強く酸味はやや控えめ。昨年荒木さんのよつぼしを新宿で販売したのですが、店頭に置く度に売れていき、国内外問わずお客様に大人気でした。


最近は甘みの強いイチゴが求められ、あまおうやゆうべに、よつぼしが誕生したそうです。その反面、酸味が楽しめるイチゴも人気で、とちおとめや紅ほっぺなども誕生。イチゴ一つとってもいろいろな味が楽しめる日本は幸せだなとつくづく感じます。生産者と研究員の方々に感謝ですね。

ゆうべにはそのまま食べてもおいしいのですが、たまにはアレンジして食べてみるのもいいですね!
「ゆうべにサンド」

イチゴは2Lサイズくらいがオススメ。生クリームは1パックに対し砂糖大さじ1程度で。ゆうべにが甘いので、砂糖は控えめにしても甘さ十分です。イチゴと生クリームが口の中でとろけてペロッと食べれます。ゆうべにはフルーツサンドによく合いますよ。

「ゆうべにのミニパフェ」

生クリームが余ったらミニパフェにしてもいいですね。さらにカカオ70%のチョコレートを添えれば、甘みとほろ苦さの絶妙なハーモニーを楽しめます。

熊本を代表するイチゴ「ゆうべに」。まだ食べたことがない方、ぜひ召し上がってみてくださいね!
熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美でした。

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