まつのベジタブルガーデン

静岡県静岡の自慢の品が集う「ふじのくに食の都の祭典」へ

まつのベジフルサポーターレポート

こんにちは。静岡県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの小櫛香穂(おぐしかほ)です。

先日、静岡県静岡市で【ふじのくに食の都の祭典】が行われました。このイベントは「ふじのくにしずおかの食、茶、花を楽しむ2日間!」として毎年 《2月23日:富士山の日》付近に開催されており、静岡県内の多彩な農林水産物をはじめ、様々な催し物が行われます。今年の来場者数は2日間で約5万2千人!今回はそのイベントの様子と、「世界農業遺産」にもなっている「静岡の茶草場農法」についてお伝えいたします。

私がお邪魔したのは開催2日目の開場時、それでもあっという間にこの人波と熱気!会場内は県内各地の「水産物」「野菜」「お茶」「果樹」「花卉」など自慢の品が所狭しと並びます。

静岡県は海岸線に沿って細く長い平野が広がり、北部には富士山や南アルプスなどの山々もあります。また年平均気温は15~17度。冬期において、その温暖な気候と日照時間の長さから多種多様な農作物の栽培がおこなわれ、まさに食の宝庫であります。

数多く農産物が栽培されるなかで、特に「お茶」は静岡を代表する農産物です。今回の会場でも数多く出展され来場者の注目を集めていました。販売や試飲だけでなく、お茶を楽しむための講座も行われていました。

こちらは菊川駅前にある《san grams》様。san grams(サングラム)という店名は一人あたりの茶葉の量(3グラム)から付けられたもの。茶葉や茶器の販売のほか、カフェも併設されているお茶屋さんです。
まるで雑貨のような可愛らしいパッケージはお茶請けのお菓子でした。お茶の試飲とともに頂いたこちらは「薄はり氷」という名前がつけられています。寒天と砂糖を煮詰めて固めた琥珀羹で表面をシャリっと仕上げてあり大変おいしく頂きました。


また「静岡の茶草場農法」は豊かな生物多様性をはぐくみ、環境と共生する伝統農法として《世界農業遺産》にも登録されています。茶草場とは茶園に有機物として投入するササやススキなどの草を刈り取るための半自然草地のことです。茶園周辺には草の積極的な利用の為に草場が点在しています。静岡県では当たり前の風景ではありますが、農業と生物多様性が同じ方向を向き両立していることが世界からも高く評価されているのです。

世界農業遺産について

正式名称を「世界重点農業遺産システム」といいます。グローバル化、環境悪化、人口増加の影響により進退の途にある伝統的農業や文化、土地景観の保全と持続的な利用を図ることを目的に2002年(平成14年)に創設されたプログラムです。食料の安定確保を目指す国際組織である国際連合食糧農業機関が世界的に重要な農業や土地利用のみならず、生態系や土地景観、習慣、伝統文化など農業に関連する文化的な要素も含め次世代に継承することを目的としています。(世界農業遺産「静岡県の茶草場農法」推進協議会より)

現在は世界16ヵ国37地域、そのうち日本では8地域。「静岡の茶草場農法」以外に「佐渡地域」「能登地域」「阿蘇地域」「国東半島宇佐地域」「長良川上中流域」「なべ・田辺地域」「高千穂郷・椎葉山地域」が世界農業遺産として認定され守られています。(農林水産省HPより)
静岡県経済産業部 お茶振興課 鈴木様より 詳しい話をいろいろ聞かせていただきました。静岡の茶草場農法は5市1町(掛川市、菊川市、島田市、牧之原市、川根本町)で茶園面積約10,000ha、茶草場約440ha。現在は応援してくれる企業などが使えるロゴマークの選定やホームページも3月下旬を目安に準備中だそうです。

世界農業遺産の認定を受けた地域では保全のための具体的な計画や次世代へ確実に継承していくことが求められています。ぜひこれを機会に興味を持っていただけたら嬉しいです。

もうすぐ春の旅行シーズン。静岡県へお越しの際はぜひ豊かな「食」と豊かな「自然」をお楽しみください。

静岡県まつのベジフルサポーター 野菜ソムリエ 小櫛香穂(おぐしかほ)でした。

《静岡の茶草場農法について》

お問い合わせ先:世界農業遺産「静岡の茶草場農法」推進協議会 様

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