東京都のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、そして「おかやま応援TOKYO隊・隊長」の増田智子です。岡山県にご縁をいただいたことをきっかけに、東京から岡山県産農産物の応援をしています!(おかやま応援TOKYO隊についてはこちらに)
先日は東京都新宿にある新宿高野本店にて、おかやま応援TOKYO隊として「紫苑(しえん)」の試食PR活動に参加してきました。
ここ数年岡山産フルーツのPRに携わってきましたが、紫苑をPRするのは初めてのことです。紫苑は美しいワインレッド色の果皮で、糖度が高く、果汁たっぷりでジューシー!10月下旬から12月半ばまで出荷され、冬にも楽しめるということから「次世代を担うフルーツ」として、今岡山県で大注目の冬ブドウです。
それでは、私の試食PRの実演です!
パートナーはJA全農おかやまのキャンペーンスタッフ薙野華奈さん。
「今が旬!岡山の冬ブドウ!紫苑をご紹介しています」
「この時期には珍しい冬のブドウです。寒い季節にこれだけ大粒で国産のものは、ほかにはなかなかありません」
「大粒、種なしで甘みと果汁がたっぷり!皮はマスカットなどに比べると気になりますが、実離れがいいので一旦口の中に入れて、おいしいところを全部味わってください。うまみも香りも栄養成分も皮のところにありますから」
のぼりを指さしながら、「むらさきに『その』と書いて、しえんと読みます。岡山の冬ブドウ。ぜひ覚えて帰ってくださいね」
ブドウ棚の写真を見せながら、「美しい紫色のブドウが垂れ下がる景色はまさに紫一色!このことから紫(むらさき)の苑(その)紫苑と名付けられました」
「新宿高野では5階のフルーツパーラーで紫苑を使ったパフェ、地下2階の売り場では紫苑を使ったデザートとサラダもご用意していますので、ぜひ期間限定のこの味をお試しください」
フルーツパーラーが人気で戻って来られたお客様にも声をかけます。「粒の先端は赤、果軸に近づくにつれて徐々に緑色に移り変わる一粒のグラデーションが美しい紫苑。縦にカットしてお皿に並べるだけでも素敵な一皿になります。ヨーグルトやアイスクリーム、シンプルなケーキ、自家製のデザートなどに添えても彩りが良く、この1房で何人分ものデザートが作れます!」
ちなみに、このキャラクターは「シェーン」と言います。岡山フルーツのキャラクターは何種類もあって可愛らしいのでこちらも注目してくださいね。
お忙しい買い物の合間に足を止めていただけるととてもうれしいです。まだまだ貴重で珍しい紫苑。都内でもあまり出回らないので知っている方も少ないようです。「え?今頃ブドウ?」と驚かれる方が何人もいました。試食PRを終えて、やはりまずはたくさんの方に知ってもらうことが大事だと感じました。
昭和58年に山梨県植原葡萄研究所で育成された紫苑。赤色のおいしいブドウ「赤嶺(せきれい)」とたくさん実がなり病気に強い「紅三尺」から生まれました。赤嶺は甲斐路の変異種で(早生甲斐路とも呼ばれる)非常に近い関係。なるほど、私は甲斐路がとても好きなので、この紫苑が美味しく感じるのも納得です。
岡山県で注目の「マスカット・オブ・アレキサンドリア」などを栽培する職人のような生産者の方々が、種なしで冬まで美味しく食べられるようにと試行錯誤しながら栽培技術を確立させました。
紫苑栽培の難しさはこの粒の形にあります。細長い形をしているので、ピオーネのような丸い粒に比べあちらこちらに広がったり、小さく埋もれてつぶれてしまう粒もあって、美しい形の房を作るのは本当に大変だそうです。マッチ棒の先のような小さい実のうちから、どちらに伸びるのかどんな形になっていくのか、予想しながら形作っていきます。それは匠の技をもった生産者さんでもなかなか難しいのです。
どんなに手間がかかっても、おいしいものを作りたい!というこだわりを持った、職人のような生産者さんたちが作りあげた冬ブドウ「紫苑」。まだ栽培量が少なく東京にも多くは出回らないほど、とても希少な品種です。
さて、ここで美味しいブドウの見分け方をお伝えしておきましょう。
・軸が緑色でみずみずしいこと(シャインマスカットはのぞく)
・粒にハリとつやがあるもの。赤色の濃いもの
・果紛(粒の表面に薄く粉のようについているもの。ブルームとも言います)がしっかりと残っているもの。果紛はブドウ自身が出す天然の成分で、粒を乾燥や病気から防ぎます。丁寧に作られているブドウは生産者さんがこのブルームを落とさないよう細心の注意を払って栽培しているのです
食べごろはすぐ!ブドウは追熟することがないので、購入したらすぐに食べるのがおすすめです。洗う時はしっかりと軸をもって上からざーっと水道の水をかければ花のカスやほこりが流れていきます。丁寧に洗う必要はありません。そして、氷水に5~10分、少しだけ冷やして食べてみてください。甘さが引き立ちます。
5月末のマスカット・オブ・アレキサンドリアに始まり、岡山のブドウリレーの最後を飾る紫苑。例年なら10月下旬から収穫をはじめ、12月半ばまで出荷しています。この夏は豪雨災害などもありましたが、その後何週間も雨が降らなかったことから木が傷み、今年の紫苑は例年より終わりが早いようです。気になる方はどうぞ早めにお買い求めください!
私も大好きな「紫苑」。より多くの方にもっと知っていただくために、「冬においしい岡山のブドウ紫苑」を引き続き応援していきます。東京都のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・おかやま応援TOKYO隊隊長の増田智子でした。
(園地等の写真提供:岡山県対外戦略推進室 山下裕様)