まつのベジタブルガーデン

佐賀県根も葉も美しい赤紫色の伝統野菜~女山大根~

まつのベジフルサポーターレポート

皆さま こんにちは。冬の寒さが本格的になってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
佐賀県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ・ 食育マイスター
前田成慧(なりえ)です。

佐賀県に移住してから毎年冬になると楽しみになるお野菜があるのでご紹介いたします。

『伝統野菜』という言葉は聞いたことがありますか?今回は佐賀県の伝統野菜 ~女山大根~をご紹介いたします。
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伝統野菜とはその土地で古くから作られて来たもので採種を繰り返していくうちにその土地の気候風土にあった野菜です。野菜の揃いが悪く、手間がかかる理由から、大量生産が求められる時代により生産が減少してしまいました。

今回取材にご協力いただいた方は佐賀県多久市西多久町の舩山真由美さん(58歳)です。女山大根を生産されている方の中で一番若い方です。
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実は
伝統野菜~女山大根~
一度はなくなってしまった野菜 なんですよ!!生産する者がおらず 約15年かけて育種をくりかえし復興した野菜なんです。

現在作られている方々はご高齢の方が多く、平均年齢は77歳だとか…。最高年齢は91歳とお聞きしております。生産者が年々減っていると嘆いておられました‥‥。
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300年前から佐賀県の多久市西多久地区に伝わる女山大根は、根も葉も美しい赤紫色です!
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サイズは大きいもので長さは80cm 胴回りは60cmにもなり重さは13kgにも育つものもあります。大きい大根なので運ぶのも洗うのも重労働です!
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根は繊維質がきめ細かく、肉質は硬く歯ごたえが良いので煮込んでも煮崩れしにくいのが特徴の大根です。甘味はなんと!普通の青首大根に比べて1.5倍も糖度が高い大根!!糖質が多いため大根特有の辛味はあまり強く感じません。
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上から葉を見ると放射状に広がってとてもきれいです。
 女山大根の旬は12月~2月です。私は、この時期しか味わえない女山大根を求めて、多久市まで足を運びます。『幡船の里』ばんせんのさと(多久市ふるさと情報館)にて購入することができます。
住所 佐賀県多久市西多久町大字板屋6157-4    tel.0952-74-3239
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季節限定野菜である女山大根は 旬が感じられる野菜として大好きです。夏にも味わえる【乙女のこころ】というアイスクリームも販売されています。(通年販売)
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さっそく家で皮ごとすりおろすと ステキな紫色の大根おろしができました。色が濃いのが特徴です。
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これにゆず果汁を加えると…。こんなに色鮮やかに発色します。大根とゆずは相性抜群ですね!ドレッシングとしてもよく女山大根を使います。(塩+油+薄口しょうゆ+酢)
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購入したらいつも女山大根の葉の部分は紫色がキレイなので煮汁を使いゼリーを作ります。
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ゆず果汁を入れる前と入れた後では色の違いが凄いので楽しめちゃいます。大根おろしも入れてゆず果汁を入れたゼリーは産地の方から教わりました。
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【食育メモ】
大根やカブなどのアブラナ科の植物は花が満開になった春の時期に他の品種の花粉が運ばれて自然に交雑しやすくなります。(白い大根やカブになる)紅い大根やカブが各地に伝統野菜として存在しますが、花が咲く時期にはハウスに隔離(距離的も)など行い交雑を防ぎ、 味の良い、カタチの良い、色の良い品種を大事に守っているのです。

ちなみに、アブラナ科の植物は世界に3000種以上もあり4枚の花弁が特徴で、十字花の呼び名もあります。女山大根の花は白が基調で花の先がピンク~紫色のすてきな花です。
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女山大根をPRするゆるキャラもいるんですよ~~!多久のゆるキャラ「たくおうさん」
 
毎年一月頭に開催される「西多久町を考える会」が主催する【七草粥会・女山大根まつり】で 今年も会えるかも…。
 
今年は、1月7日(土曜)朝8時~
地域の鬼火たき、七草がゆを味わう会も合わせて開催され、500円でなますやふろふき大根、七草がゆ、イノシシ汁(幡船汁)、かけあいなど 味わうことができます。(先着150名)
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春の七草の「すずしろ」は大根のこと
【女山大根まつり】会場は「幡船の里」の向いに位置する 西多久公民館です。お問い合わせはtel0952-75-2205

「伝統野菜」の復活を目指す動きが全国各地で盛り上がっています。今の野菜にはない香りやえぐみ、辛味、うま味、甘味など個性豊かで魅力的な「伝統野菜」をぜひ探してみてください。

佐賀県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ& 食育マイスター
前田成慧でした。

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