ベジフルサポータージャーナル

京都府桂うりの普及へ励む高校生の挑戦

伝統野菜・食文化

こんにちは。
京都府まつのベジフルサポーター野菜ソムリエ上級Pro、管理栄養士の中本絵里です。

伝統野菜の個性や風味の良さ、そして機能性成分の高さなどが日本各地で見直されています。
今回は、近年機能性の高さが見直されている京野菜のひとつ『桂うり』と桂うりの普及に奮闘する高校生の活動をご紹介します。

桂うりは、京都市西京区の桂地区で江戸時代から栽培されていました。

白うりの一種で、一つあたりの大きさは4キロ前後とかなり大きな瓜です。肉質は緻密で完熟するとマスクメロンに似た強い香を放ちます。完熟しても甘くならないのが特徴で、主に奈良漬の材料として用いられています。

昭和17年ごろには、桂地区を中心に約30ヘクタールもの広さで栽培されましたが、戦時中の澱粉作物栽培のため桂うりの植え付けが中止になるなど栽培が減りました。その後、桂地区では、宅地化がすすみ桂うりの生産者は、京都市特産そ菜保存圃として委託された1戸にまで減少しました。しかし、近年京都府立大学などによって、完熟した桂うりに含まれる香りの成分(MTPE等)の発がん抑制作用などが研究され、機能性成分を活かした利用が活発化しています。

また桂うりのエネルギーや糖分が低いという特徴を活かし、低カロリーかつ低糖質のスイーツなどが開発されました。このような復活に向けた取り組みが功を奏し生産者が少しずつ増えています。

桂うり復活への機運が高まる中、普及に取り組む若者たちがいます。彼らは、桂うりの本場にある京都府立桂高等学校 専門学科(食物クリエイト科、ビジネス園芸科)の京の伝統野菜を守る研究班に在籍する高校生。桂うりなど、現在14種の京野菜の種子保存に取り組み、それぞれの野菜の特性や機能性を分析し、現代の食文化にあった加工品の開発や新たな利用方法について研究を続けています。6年前より桂うりの完熟果を用いたスイーツの開発に取り組み、様々な企業と共同し取り組みを実現しています。

彼らの活動は、毎日積み重ねてきた知識や経験が基礎となっています。校内の圃場で種取り、栽培、収穫、販売までを指導教員のもと、生徒たちの手で行っています。校内での販売はもちろん、リアカーに野菜を乗せ売り歩く昔ながらの「振り売りスタイル」も取り入れ、自ら栽培した野菜を販売し消費者の生の声から学んでいます。毎日の地道な生日を活かし普及に向け活動の幅を広げています。

7月より伝統野菜の病院給食への定期的な提供が始まりました。伝統野菜の個性のある風味や豊かな味わいが、塩分を控えた調理を可能にするという新たな視点での活用です。今後も毎月、近隣の桂病院では、伝統野菜を用いたメニューが提供されます。取材日は翌日の桂うりの提供に向け、生徒たちが出荷準備に励んでいました。

桂うりは、加熱すると出汁を良く含みトロっとした食感に変化します。嚥下機能が落ちている方への食事には、軟らかくにた桂うりのとろみが役立つかもしれません。冷やすと食欲のない方でもさっぱりといただくことができる食べやすい食材です。健康志向が高まる中、調味料を抑え調理のできる力強い伝統野菜の魅力さらに強くなり健康食材としての利用の可能性がひろがるでしょう。

また、大阪のピクルス専門店 idsumi(イズミ)ピクルスと京伝統野菜ピクルスを共同開発し現代の食習慣にあった食べ方を提案しています。冬に販売された金時人参や九条ねぎなどの冬野菜のピクルスに続き、桂うり、鹿ケ谷かぼちゃのピクルスが商品化されました。


高校生の活躍によって桂うりの新しい魅力がまし、今後の活動が楽しみでなりません。

京都府まつのベジフルサポーター野菜ソムリエ上級Pro、管理栄養士の中本絵里でした。

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