千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀です。
一度食べたら忘れられない新感覚野菜「グラパラリーフ」。現在国内で生産されているのは、ここ千葉県柏市だけです。
どこかで見たことあるような…まるでサボテンのような…
中身はこのようになっていて、薄皮の下は肉厚で濃い緑色のみずみずしい果肉がぎっしり。皮ごとかじってみると、パリッとした食感の後にジュワーっと水分があふれます。そしてほのかな酸味とリンゴの風味が香ります。まるで甘さ控えめのブドウ?スターフルーツ?のようです。この新感覚野菜「グラパラリーフ」について、VegePlomoアグリ事業部の千葉政幸部長を取材しました。
グラパラリーフとは、観葉植物として人気の高い多肉植物の一種、グラプトペタルムをアグリアシストジャパン(株)が食用に改良したもの。食べられる多肉植物なのです。以前は薬草として摂取していたものを、食用に改良し、2009(平成21)年に農林水産省が新種として品種登録しています。VegePlomoはアグリアシストジャパンと業務提携してグラパラリーフの生産・販売を行っています。
グラパラリーフが栽培されているグラパラ農場は、柏市の柏たなか駅から車で数分のところにあり、のどかな景色が広がる中、大きなハウスの中で年間12トンのグラパラリーフが生産されています。プランターの中に並ぶグラパラリーフはまるで花のよう!
ハウスの中は光と温度が徹底管理されています。
グラパラリーフは、太陽の光を上手に取り込む必要がありますが、葉が焼けて変色しないように強すぎる日差しは遮光します。多肉植物は寒さに弱いですが、生命力は強いので、寒くなると成長が止まってしまいます。そのため、冬のハウス内の温度は15度。農薬は一切使用せず、大きくなりすぎた下葉や枯れているものは、間引いて上葉を大きく育てます。
収穫は外側にある下葉を横にスライドさせて、1枚1枚傷がつかないように丁寧に行います。
プチっと簡単に取れます。大きくなると皮が固くなってしまうので、6~8センチのものを基準に、朝の10時までに収穫作業を終えます。多肉植物は夜間光合成で、夜のうちにリンゴ酸がたっぷり作られるため、朝の早い時間にリンゴ酸がたっぷり含まれた葉を収穫します。午後2時に収穫したものと食べ比べてみると、朝収穫したものの方がほのかな酸味があり、味が濃いのがわかります。
不思議なことにこんなに密集していてもお互いに光を求めて、ぶつからないように育っています。
生命力の強さを感じますね。こちらは一枚の葉から赤ちゃんの芽が出てきている様子。
皮はすぐむけますが、放っておくと再生するそうです。
水やりは陽が暮れてから行い、夏は夜、春は朝晩の寒暖差で乾燥してしまったりするので気をつけながら行います。
このように密集してくると生育も悪く、味も悪くなってしまうため、1年~1年半くらいの周期で定期的に植え替えを行っています。
さて、気になる栄養成分ですが、グラパラリーフにはカルシウムとマグネシウムが含まれていて、グラパラリーフ4枚で牛乳100ミリリットルと同程度のカルシウムが摂取できるそうです(http://www.kashiwa-senko.co.jp/agriculture.html)。子供や妊婦さんの栄養補助として、高齢者の骨粗しょう症予防としても期待できますね。
また、グラパラリーフの特徴のフルーティな酸味はリンゴ酸によるもので、その量はりんごよりも多く含まれているようです(http://www.kashiwa-senko.co.jp/agriculture.html)。リンゴ酸はクエン酸サイクルを活性化する働きがあり、疲労回復効果が期待されます。
このように栄養成分も豊富なグラパラリーフ。フルーティな香りと食感を楽しみたい時は、生のまま味噌をつけたり、チョコ掛けしたり、蜂蜜をつけて食べてみてください。パリッとした食感が楽しめます。
下茹でなどの処理が必要ないので、加熱調理にもそのまま使えます。リンゴ酸の適度な酸味が肉料理ともよく合います。そこで、今回はグラパラリーフを使って、インドの簡単ピクルスでカレーに合う漬物「アチャール」を作ってみました。
グラパラリーフ、紫玉ねぎ、パプリカなどお好きな野菜を大きめに切ります。ボウルに入れ、レモン汁、カイエンペッパー、塩、お好みのスパイスを入れてよく混ぜ合わせてできあがり。そのまますぐ食べても、冷蔵庫でなじませてもどちらも美味しくいただけます。辛くてすっぱいグラパラリーフがカレーによく合います。
一枚一枚大切に育てられた新顔野菜「グラパラリーフ」。ここ千葉県から全国へ、たくさんの方にこの食感を楽しんでいただきたいです。
千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀でした。