ベジフルサポータージャーナル

愛知県昔懐かしい味わい!愛知の伝統野菜「ファーストトマト」

まつのベジフルサポーターレポート

愛知県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの中神ルミ子です。

先月に引き続き今月もトマトのご紹介。今回は愛知県の伝統野菜「ファーストトマト」。


全国的にも名の知れたファーストトマトですが、実はその発祥は愛知県豊橋市。しかし、今では豊橋市で栽培している農家は数軒のみで、隣の田原市で多く栽培されています。

こちらは生産者の大谷和祥(かずよし)さん。

大谷さんがファーストトマトを栽培し始めたのは今から28年前。それまでは冬は漬物用大根、夏はタバコの葉を作っていましたが、ご結婚されて奥様の紗知子(さちこ)さんの就農により転作しました。重量のある大根よりもトマトのほうが女性が運びやすく栽培しやすいのではと考えたそう。

当時はまだファーストトマトが主流でしたが、その後は作りやすくて輸送に適した桃太郎などが出回るようになり、どんどん丸玉トマトが主流になっていきました。大谷さんは今でもファーストトマトしか作ってない数少ない農家のお一人。早速おいしいトマトの見分け方を教えてくれました。

丸みとハリがあり、スジがきれいに出ていてグリーンベースがあるもの。グリーンベースとは、ヘタの周りにある緑色の部分。

「トマトは赤い部分だけじゃダメだね」と大谷さん。それから、ハウスへ移動して、栽培の様子を見学しました。

水をしぼって栽培しているため、葉はしおれたようになっていますが、これがトマトを美味しくする秘訣。

こちらのトマトはヘタがピンピンしていてグリーンベースもきちんと出てますね!見るからに美味しそう!

でも、ファーストトマトは花が乱れて、このような奇形株が出やすいそうです。

このような奇形は出荷できません。栽培の難しさこそ、ファーストトマトの生産量が年々減少する原因でもあります。大谷さんは「美味しいものを作ろうとすると収量があがらない。水をしぼって美味しさを追求すると玉が小さくなってしまいます」と語ります。それでも、ファーストトマトにこだわる理由は、お客様からの「美味しかった!」の言葉。

実は大谷さんのファーストトマト、田原市で毎年行われる品評会で、今年3月、10回目の愛知県知事賞を受賞しました。

早速頂いたトマトを切ってみると、とても味が濃く、酸味の中に甘味があります。

年配の方からは、「昔懐かしい味がする」「トマトの匂いがする」などと好評を得ているそう。

そんな大谷さんのファーストトマトを使った料理をご紹介しましょう。奥様の紗知子さんオススメのトマト料理は「トマト味噌汁」。作り方は簡単!数ヶ所切り込みを入れたトマトを熱々の味噌汁に入れるだけ。トマトの旨味成分が出るので、味噌を少し少なめに入れるのがコツだそう。

器に盛り付けるときにトマトをくずしながら入れると良いですね。手間がかからず、簡単にトマトを丸ごと味わえる一品です。

さて、最後になりましたが、ファーストトマトの名前の秘密とは?みなさん、ご存知でしょうか?田原市役所の農政課の方に驚くべき由来をお聞きしました。それを裏付けるように『日本のふるさと野菜』(日本種苗協会)に記載されていたのは「品種の育成に携わった人が野球のファーストが守備位置であったことから命名されたと伝えられている。その意味からはFirstとつづるべきでFast(速い)ではない」とのこと。まさかファーストトマトと野球がつながっていたとは!

また、昭和13年4月20日の豊橋温室組合春季総会で「ファーストトマト」と命名され、組合奨励品種とされたとのことです(参照:『野菜園芸大百科 トマト』農山漁村文化協会出版)。しかし、その後戦災によって創立以来の記録がすべて焼失してしまったため、言い伝えとして残っているそうです。

そんなファーストトマトをPRしようと、田原市が作ったリーフレットには、生産者の大谷さんと一緒に私も載せていただいてます。
ファーストトマト
(画像提供 田原市役所)

ファーストトマト


  (画像提供 田原市役所)

これからも愛知県が誇るファーストトマトを応援していきたいです!
愛知県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの中神ルミ子でした。

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