まつのベジタブルガーデン

沖縄県淡白な味わいなのにシブイとは!?

まつのベジフルサポーターレポート

沖縄県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、沖縄野菜プロジェクト協同組合理事の堀基子です。

暦の上では秋を迎えても、亜熱帯の沖縄では、猛暑の余り、店頭に並ぶ野菜の種類も、けっして多くはありません。そんなとき強い味方になるのが、今回のテーマの冬瓜です。

シブイ1

熱帯地方が原産というだけあって、沖縄でも盛んに生産されている冬瓜。沖縄では「シブイ」という名で呼ばれ、伝統的な島野菜の一つに数えられています。琉球王朝時代、王の健康を支えるため、中国へ渡って食医学を学んだ王の侍医長・渡嘉敷親雲上通寛が上梓した食医学書「御膳本草」にも、「熱をさまし、渇を止める」として、冬瓜の薬効が記されています。

シブイ2

シブイ3

当時、中国から琉球へ伝えられた冬瓜漬という美しい飴色の砂糖漬は、琉球王朝伝統の高級銘菓として、今なお沖縄で愛され続けています。長い歴史の中で親しまれてきた冬瓜。沖縄県中央卸売市場の競りでも、ファーマーズマーケットの棚でも、ご覧の通り、冬瓜のオンパレード!10~15kgの大玉から、冷蔵庫に入るミニ冬瓜まで、様々なサイズが店頭に並びます。

シブイ4

シブイ5

昔ながらの沖縄の家庭料理では、豚の骨付あばら肉とともにじっくり煮込んだ汁物や、豚肉と炊き合わせた煮物が定番。豚肉や昆布の旨みを吸って、それは滋味あふれる美味しさです。

シブイ6

また、今では沖縄を代表するマンゴーやパイナップルなどのトロピカル・フルーツがまだまだ身近ではなかった時代、冬瓜の果肉をスプーンでかき削り、甘みを加えた「カチシブイ」というおやつを作ったのだとか。

シブイ7

どこか懐かしい味わいの素朴な「カチシブイ」を、そのまま加熱してコンポートにし、今が旬のシークヮーサーをギュッと搾って加えたら、涼やかなデザートになりました。

シブイ8

沖縄県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの堀基子でした。

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