まつのベジタブルガーデン

福井県城下町に400年続く越前大野七間朝市と共に【前編】

畑の社会見学

福井県のまつのベジフルサポター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代です。

今回は、福井の小京都と呼ばれる大野市で400年の歴史がある七間朝市と、様々な変わった野菜を栽培し朝市などで販売している若き農業女子の方を紹介します。福井県東部、岐阜県に近い山あいに位置する大野市は、織田信長に仕え、長篠の戦いなどで功績を残した金森長近が治めた大野藩の城下町です。
市内には、雲に浮かぶように見える様が「天空の城」と呼ばれる「越前大野城」があります。
周囲を1000m級の山々に囲まれた大野盆地は、山に降った雨や雪が溶け、地下に豊富な水が蓄えられています。名水百選に選ばれた「御清水」を始めとする美味しい水が、市内のあちこちで湧き出しています。各家庭でもポンプで汲み上げた地下水を飲み水や生活用水として利用しています(飲み水に適しているか水質検査をしています)この美味しい水が、この地の作物を美味しくしているのです。
(越前おおの結ステーション掲示地図より引用)

大野城下には、今でも古い建物が残る街並みがあります。碁盤の目に作られた通りには、東西に六間、七間・・石灯籠通り、南北に本町、二番・・寺町通りと名前が付いています。
かつては、越前と美濃(岐阜)を結ぶ美濃街道が通っていた七間通りには、400年の歴史を持つ「越前大野七間(しちけん)朝市」が春分の日から大晦日まで、毎日朝7時~11時頃まで開催されています。
七間通りの側溝の蓋にも大野城と七間朝市の賑わう様が描かれています。
この七間朝市では、大野の女性たちが育てた季節の野菜や野山で摘んできた山菜、丁寧に乾燥された豆類、花など様々なものが売られてています。こちらでは、古い造り酒屋の軒先に店を出しています。


天然酵母のパンや近くで採れたはちみつ、手作りの竹細工など。
福井名物「すこ(赤ずいきの酢漬け)」を作るために、赤ずいきの皮を剥きながら販売しています。女性たちは、とても働き者で、手仕事をしながら商売しています。

完熟で美味しい採れたてのトマトも。大玉トマト「バルト」や福井のブランドトマト「越のルビー」がありました。肥沃な土地と美味しい水で育った野菜は、どれも瑞々しく味が良いことから、地元の人はもちろん県内外から多くの人が訪れて買っていきます。元気なお母さんたちと対面でやり取りしながら買えることが朝市の醍醐味です。

10月下旬の土日には、七間通りを歩行者天国にし、国内の友好都市が共同出店する「三大朝市まつり」が開催されます。その季節には、木の実や根菜、葉物野菜はもちろん、大野名産の「上庄の里芋」も販売されます。ぜひ、お越しください。

さて、後編でご紹介する朝市に出店している佐藤順子さんです。
大野で生まれ育った彼女は、まだ30代ですが多くの種類の野菜をほぼ一人で栽培し販売しています。佐藤さんの作る野菜は、どれも珍しく美しく美味しいことから、いつも引っ張りだこです。佐藤さんの話は【後編】へ。

福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代でした。

 

 

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