ベジフルサポータージャーナル

青森県りんごの一大産地より、「ふじ」にまつわるエトセトラ

まつのベジフルサポーターレポート

青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューテーアドバイザーの欠畑(かけはた)睦子です。

ここ数年、りんごの品種改良はどんどん進み、新品種が続々と誕生し、青森や長野はもちろん、山形、岩手、福島、秋田などのりんごも数多く出回っています。青森県はりんごの生産量日本一(青森県庁HP参照)ですが、人手不足や栽培面積の減少、樹木の老齢化などから生産力向上に向けた取り組みとして、わい化栽培(果樹の高さを低くし植えつけを密にした栽培方法)や無袋栽培など、省力・低コスト、環境に配慮した品質の良いりんご生産を推進しています。

今回はりんご王国・青森で品種登録され、世界中で愛されているりんご「ふじ」にまつわるエトセトラを紹介します。歴史があり老木といわれるりんごの樹は年々減ってはいますが、手入れを続け、むしろその価値を高めていきたいと大切に育てている生産者もいます。十和田市内にある私の実家では、狭い園地ながら長年県南地方のりんご生育調査を務めた樹齢90年の標本樹を含む9本が現存しています。フクロウが棲みついたこともありました。


こちらは、上明戸(かみあきと)りんご農園10代目、上明戸好一さん。
青森県りんご協会が実施している若手りんご産業の担い手養成事業「基幹青年」29期終了生です。試験栽培を経て無袋でなおかつ葉を摘みとらず栽培する「葉とらずりんご」の生産者です。

りんごの甘さは葉の光合成で生み出された栄養分が果実に蓄えられて糖になるため、葉を摘まず自然体で育てると蜜が入り、甘くてとてもジューシーです。

葉を摘まないため色ムラはありますが、糖度は19.8度もありました。

「先代が作り上げてきた素晴らしい土壌を引き継ぎ、試行錯誤を繰り返し、さらに満足のいく樹、最高の葉取らずりんごを作っていきたい。なにより我が子のように大切に育てたりんごをお客様が直接『おいしい!』と言ってくださる、これが農業の魅力ですね」と話していました。

こちらの農園ではほとんどのりんごの嫁入り先がすでに決まっているほどの人気ぶり。

また、北里大学のボランティアグループ、生物環境学科と動物資源学科の「北里農園隊」の学生たちが春の摘果と収穫を手伝ってくれました。「生産の最初と最後を見届けられるりんご作業は充実感がある」と話していました。

ところで、ふじはデリシャスと国光を交配して育成された品種で、無袋の「サンふじ」は色が濃くシャキシャキとした食感、甘みと酸味のバランスが良く、蜜が入りやすい人気のりんごです。

そのサンふじの味を競う津軽のイベント、今年5回目を迎える「りんご王者決定戦2017」に潜入してきました。

会場入りするなり津軽弁の嵐。若いりんご生産者の姿に津軽の勢いなるものを感じました。今年新しく高校生部門も設けられ、地元4校と県外勢もエントリー。今年は長野県からも初参加で、総勢31農園のりんご生産者がトーナメント形式で味のナンバーワンを競いました。

あおもり野菜ソムリエの会の小林潤子会長はじめ、種苗、農機、青果など、りんご関係者のゲスト審査員が勢揃い。小さな子供を含む一般審査員も加わり、自分が食べておいしいと思ったりんごを選びます。

あおもり野菜ソムリエの会は、会場用と審査用のりんごの準備のお手伝いも。りんご農家で育った私も審査員として参加し、味の違いを実感してきました。

これまで岩手県江刺市の菅野農園が2年連続グランプリでしたが、今年は青森県板柳町の下山農園が奪還、グランプリに輝きました。菅野農園の菅野千秋さんは「グランプリのりんごとて、樹により一つひとつ個性を持つ味。収穫直前に葉を最小限に間引き、実を硬めに仕上げるのがポイントであり難しいところです」と語ります。学んだ技術と経験を活かしておいしさを追求する生産者を応援していきたいです。

そして、こちらは弘前市で行われたりんご酒推進協議会主催の「リンゴ酒感謝祭」の様子。

今年収穫されたりんごの実りに感謝し、来年の豊作と健康を祈りながらりんご酒を楽しむワッセイリングというものです。シードルは摘果したりんごや落下したりんごから作られる発泡性アルコール飲料で、りんご生産量の多い青森を代表するお酒として浸透してきています。

おしゃれで魅力的な料理やシードルを楽しむ会場は、まさにりんごの香りでいっぱいでした!

帰りに平川市にある南田温泉アップルランドへ立ち寄り、湯船にりんごがたっぷりの「りんご湯」でリフレッシュ。冬場以外は「りんご足湯」もあります。

時期によって品種は変わりますが、アロマテラピー効果で心身をリラックスさせ、美肌効果もあるそう。この日は弘前ふじとトキの2種でした。

また、収穫や市場出荷用の木箱も健在です。私が子供のころ、夜なべしてトントン組立てていた父母の姿を思い出します。木のぬくもりが味わい深く、マルシェではディスプレイに使われたり、我が家では本箱として活躍しています。

これからが冬本番、寒い冬は温めたりんごジュースにシナモンを添えたホットアップルサイダー(英:Apple Cider)はいかがですか?サイダーとは炭酸という意味ではなく、無濾過・無添加・ストレート100%のりんご果汁です。

りんごの出荷も一段落。一年間、手間暇かけて作られた青森のりんご「ふじ」は雪室やCA貯蔵など、冷蔵技術の進化によってまだまだ楽しめます。青森では新年を迎えると早々に新春剪定大会が行われ、雪深いりんご畑での剪定作業がスタートします。今年もおいしいりんごがたくさん実りますように!!

青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑睦子でした。

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