熊本県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、チョコレートソムリエの佐藤真美です。
来月はいよいよバレンタインデー!店頭に並ぶチョコレートを見るとついつい食べたくなりますね。でも、チョコレートがどのようにできているかご存知ですか?今回は、熊本で私も一員となっている「スリランカカカオプロジェクト」より、カカオとチョコレートについてご紹介します。
チョコレートの原材料はカカオ。その名はよく耳にしますが、実際にカカオの実物を見たことがありますか?
カカオは、年間平均気温が20度以上、年間降水雨量1500mm以上の熱帯雨林気候の地域で栽培されています。主に、アフリカのコートジボワールやガーナ、中南米のエクアドルやブラジルなどで、コーヒーの産地とほぼ同じです。
カカオは「アオギリ科」に属する植物なのですが、同じアオギリ科の仲間に「コーラ」があります。カカオとコーラは親戚のような関係なのです。
カカオは、幹のあちらこちらからいくつかの実がぶら下がったような状態で実を付けます。1本の樹に約20〜50個の実をつけると言われています。
(プロジェクト関係者より写真提供)
このカカオの実を「カカオポッド」と言います。収穫期になると約700g前後で、黄色やオレンジ、赤などカラフルに富んでいます。このように色が違うのは、品種や栽培環境で異なります。
(プロジェクト関係者より写真提供)
カカオポッドの外皮は硬いのですが、割ってみると中から白い果肉とタネが出てきます。この果肉は「パルプ」といい、甘くてとてもフルーティ!私はこのパルプをジュースとして飲みましたが、カカオからは想像できない、チョコレートとは全く違う味で、トロピカルフルーツをミックスジュースにしたような濃厚な味わいでした。実は、カカオは果物なのです!パルプのジュースは、チョコレートショップなどで提供しているところもあるので、ぜひ飲んでみてくださいね!
(プロジェクト関係者より写真提供)
一つのカカオポッドには約30粒のタネが入っています。これが「カカオ豆」。と言っても先ほどご紹介した通り、カカオは豆科ではなくアオギリ科。カカオ豆と呼ばれていますが、豆ではなくタネなのです。
このカカオ豆からいくつもの行程を経てチョコレートが誕生します。私が所属しているカカオプロジェクトではスリランカ産のカカオ豆を使っていて、スリランカでは手作業でチョコレート用のカカオ豆を生産しています。
【取り出し】
カカオポッドからカカオ豆を取り出します。
(プロジェクト関係者より写真提供)
【発酵】
取り出したカカオ豆は、木箱に詰めたりバナナの葉で包んだりして発酵させます。ブドウからワインを作る工程と同じです。カカオ豆の糖分やアミノ酸を増やすための工程ですが、この発酵が不十分だとチョコレートは深みやコクの少ないぼやけた味になってしまいます。非常に重要な工程の一つです。
(プロジェクト関係者より写真提供)
【乾燥】
発酵後は、カカオ豆を乾燥させます。天日干しと機械で行う場合がありますが、機械で行うと風味が落ちてしまうので、良質なカカオ豆を作るためには天日干しで丁寧に乾燥させます。天日干しと言っても、地面に直接置くのか、アスファルトの上か、板の上か、台の上か、屋上かなどで、できあがるカカオ豆の味が変わっていきます。水分量が7〜8%になったところで完成。
(プロジェクト関係者より写真提供)
そして、いよいよ世界各地へ向けて輸送されます。後編ではチョコレートを製造する工程をご紹介しましょう。
熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、チョコレートソムリエの佐藤真美でした。