沖縄県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの齋藤珠美です。
1月から2月にかけて沖縄本島北部から寒緋桜(カンヒザクラ)の開花が始まり、桜のシーズンを迎える沖縄。北部地域は山原(やんばる)と呼ばれ、手つかずの自然があふれています。そのやんばるでコーヒー収穫体験があると聞き、興味津々で参加してきました!その名も「大人の遠足 in やんばる 珈琲豆の収穫から焙煎まで」(Cookhal主催)
この体験、収穫期の11〜3月まで楽しめるそう。参加メンバーは年齢も性別も様々。コーヒー好きはもちろん、地元住民や県外からの移住者、私のように「コーヒーより紅茶党」なんて人もいました。
緑のトンネルが続くやんばるの森。野鳥の鳴き声に癒され、熱帯の木々を見ながら、コーヒー農園へと向かいます。
名護市中山にある「中山コーヒー園」は、1700坪の敷地に800本のコーヒーの木を農薬を使わずに栽培しています。世界のコーヒーは、赤道を中心に北緯25度、南緯25度のコーヒーベルトと呼ばれるエリアで生産されており、沖縄は少し外れた北緯26度の位置ですが、熱帯と温帯の中間である亜熱帯性海洋気候のため、かろうじて栽培ができるコーヒー栽培最北の地とのこと。
日本で栽培するためには「台風・強光・寒波」この3つの対策が必要です。コーヒーの木は根が横に張るため風に弱く、この山あいに密集して育てることで、周りの木々が防風林となり、台風による強風や冬の冷たい北風から守られます。また直射日光に当たると葉焼けを起こすこともあるため、森の中なら遮光もできます。自然の地形を活かし、コーヒー栽培に適した環境を実現させた中山コーヒー園。こんな起伏激しい土地で栽培をするのも納得です。
ここ2~3年は大きな台風もなく順調に育っており、苗木を植えてから早くて3年で収穫ができるとのこと。
今回収穫体験をしたのは苗を植えてから4~5年の木で、アラビカ種という世界で最も栽培されていると言われる品種。正式名称は「アラビカコーヒーノキ」香りがよく上品な酸味を持ち合わせ、レギュラーコーヒーの原料として使われています。
収穫しやすいように大人の背丈ほどの高さに剪定されている木は、4~6月にかけて白い花が咲きます。その約8ヵ月後、真っ赤に熟した実へと成長する12月頃から春先まで収穫できます。
完熟したコーヒーの実は、まるでさくらんぼのように赤くなることから「コーヒーチェリー」や「レッドチェリー」と呼ばれます。木々をかき分けプリッとした真っ赤な実を、一粒づつ手摘みで収穫。
この実はそのまま食べられるとのこと。かじってみると…「あまーい!」フレッシュな甘さについつい収穫しながらつまみ食い。果肉の中から出てきたこの2粒の種子がコーヒー豆です。
このカップ1杯で、1人分のコーヒーが飲める量になるそう。
みんなで摘んだコーヒーチェリー、さぁいよいよ焙煎です。
後編では、収穫したコーヒーの焙煎の様子をご紹介します。
沖縄県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの齋藤珠美でした。