まつのベジタブルガーデン

秋田県驚きの作業行程 「ソラマメの根出し」

まつのベジフルサポーターレポート

皆様 こんにちは。
秋田県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
ジュニアアスリートフードマイスター
最上美貴子です。

今回ご紹介する「秋田のうまいもん」は・・・ソラマメです。

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大仙市太田町の清水川さん。以前ご紹介した「寒締めジャンボ小松菜」の生産者さんです。ソラマメも栽培されていて、昨年お邪魔した際に撮影した写真です。畑は、こんな感じ。

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下の写真は只今の太田町です。

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寒い。すっかり雪に埋もれています。「ソラマメ前線」ご存知でしょうか。3月に収穫のピークとなる日本一の産地・鹿児島。その後、収穫時期が日本列島をどんどん北上。7月まで各地で収穫が続きます。秋田では、6月20日頃が収穫の時期。父の日(第三日曜日)が狙い目です。お父さんのビールのお供にって事。しかし、なかなかどうして・・・希望通りの時期にならないそうです。今回ご紹介するのは、収穫に向けての最初の作業「ソラマメの根出し」。1月末から2月にかけて行う作業です。まずは、プラ箱に鹿沼土を敷いて、適度な水分を与えた根出し床に、種を並べます。

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並べ方にはコツがあります。種のオハグロ(黒いおへその部分)を下にして、斜め45度に。これで、根っこが下に向いて伸びます。種は、カビ防止の処理をしているので、こんな色になってます。このプラ箱をハウス内のトンネルに入れ、3日から5日ほど置いておきます。

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そして、選別作業。根が出たもの、出ないものを分けます。

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この日の作業は、清水川さん、奥様、お嫁さんの3人。根が出たものは・・・

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これを発泡スチロールの箱に並べ

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タオルをかけて

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ポットに植えるまで、こちらの箱で待機です。一方では・・・育苗用のポットを準備しています。

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シートの下には、たくさんのポット。数回水をかけて、フカフカのベットを作ります。

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根が出た種をポットに植えて苗を作り、畑に植えるのは3月末から4月。その頃には、ようやく雪が消えているはずです。畑に植えるまでには、たくさんの手間がかかっています。畑で育ったソラマメを見ただけでは、想像もつかない行程ですよね。雪深い今の時期から、愛情を込めて育てています。収穫の時期には、これまでと違った想いで、ソラマメを見るんだろうなあと・・・6月が楽しみです。この後、お宅にお邪魔して、色々お話を伺いました。玄関にはきれいなハボタンが。

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リビングには蒔ストーブ

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金粉入りのお茶を出していただいたのですが・・・

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テーブルの上にある虫眼鏡…なんだか懐かしい。「こんなに手間がかかって。大変な作業ですよね」…と伺うと、「毎日晩酌するためには、これ位働かないと美味しくないから」なるほど。秋田でのソラマメの植え付けは、減反がきっかけだったのだそうです。清水川さんは20年ほど前から、毎年試行錯誤して、今の根出し方法に行きついたのだとか…。各生産者さんそれぞれのオリジナルのやり方があるようです。鹿児島が一大産地なので、暖地向けの野菜かと思いましたが、花芽をつけるには低温に当てる事が必要なのだとか。うーん…ソラマメの栽培は奥が深い。伺うこと一つ一つが興味深く、たくさん話し込んでしまいました。お菓子やミカンなど、色々出していただきましたが、美味しかったのが自家製干し柿。

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この干し柿は絶品です。「美味しい」を連発したら、帰りにお土産に…美味しさをお届けできないのが残念。野菜には、生産者さんの愛情がしっかり詰め込まれています。お人柄も…。清水川さんの野菜が美味しいのは、そんな色々なものが、ギュッっと濃縮されているから…。そう実感した時間でした。今回の「秋田のうまいもん」は、ソラマメ。収穫に向けての根出し作業をご紹介しました。

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