まつのベジタブルガーデン

埼玉県地元密着!「八百八Yaohacci」奮闘中

まつのベジフルサポーターレポート

埼玉県のまつのべジフルサポーター・野菜ソムリエプロの柴田妙子です。

「八百八Yaohacci」の存在を知ったのはSNS。株式会社まつの営業推進本部の三井聖史さんの投稿で、東武東上線のみずほ台駅のすぐ近くに個人の八百屋さんがあることに驚きました。小売りの八百屋さんが次々閉店していく昨今、八百屋をやると決断した勇気には何か理由があるのでは?と、店主の小嶋英嗣さんを取材しました。

(画像提供:小嶋英嗣さん)

かねてから「八百屋をやりたい!」と考えていた英嗣さんは、前職時代の生産者の友人から「株式会社まつの」の話を聞き、すぐ行動に移しました。「株式会社まつの」とのつながりはここから始まりました。そして担当になったのが営業推進本部の三井さん。三井さんは英嗣さんの熱い想いに共感し、多くのアドバイスをもって強い味方になってくれたそうです。

いよいよ、八百屋開業に向けて発進!あちこち物件を探して、たどりついたのが埼玉県の富士見市西みずほ台でした。


(画像提供:小嶋英嗣さん)

海外青年協力隊員としてアフリカのボツワナ共和国に派遣されていた英嗣さん。NGOの活動でインドネシアに赴いた際、日本語の教師をしていた真美恵さんとの運命の出会いがありました。その後、二人は日本に帰国して結婚。前職が農業関係だったとはいえ、英嗣さんがこの決断を打ち明けたとき、真美恵さんはとても動揺されたそう。でも、真美恵さんもまた大きな決断をしたのです。


(画像提供:小嶋英嗣さん)

開業のきっかけのひとつは、20年以上親交のある有機農業「木の里農園」の布施大樹さんとの出会い。「よいものをお客様に伝えたい!」という布施さんの熱い想いに触れて、大きな刺激を受けました。開店当初、市場の大先輩たちは「悪いこと言わねー、八百屋なんてやめとけ!」と口を揃えて言ったそうです。その反面「お兄ちゃん、頑張るね!」と応援してくれることも。


「食べ物を売る側になって改めて思うのは、売り手の責任の大きさ。売る側の行為が生産現場にも、生活者の行動にも影響を与えるということ。日本の生産現場が外国頼みに傾いている現状のひとつには、農作物の慢性的な安値取引もある。売り買いする選択のひとつひとつが、農業の有様、さらには社会の有様を変えていく、その責任を痛感しています」と語る英嗣さん。

「ただ売るだけの価値観にとらわれたくない、本物を提供するという信念を貫こう」と心に決めています。八百八Yohacciのコンセプトは「食べる・知る・考える・体験する」。そのためのステップとして、180坪の畑を借りて「やおやのはたけ」を始動!


(画像提供:小嶋英嗣さん)

生産者と生活者をつなぐものとして、生産者としての苦労も伝えたい。この畑でよい土壌を作り、作物を育てることが簡単ではないことは百も承知。しかし、昔取った杵柄と言え、一人で300キロの堆肥まきにはさすがにへこたれそうでした。若いときには笑っちゃうような面積だったのに、この歳になるとやっぱりきつい!種撒きゃ勝手に育つわけじゃない」と、農業の大変さを再認識しました。


安さを売りにしているわけではなく、一般的な量販店とは価格設定が異なります。でも、「よい物だからこそ店に立ち寄ってもらえる」、それが八百八Yaohacciの目指すところなのです。

試行錯誤を繰り返しながらひたすら突っ走ってきたこの7か月はあっという間でした。お客様からは「八百八さんのおかげで野菜を使う幅が広がりました」「一人暮らしだからたくさんはいらないの。だからとても助かるわ」という声が聞かれます。小嶋さん夫妻の信念と努力を評価してくれる常連のお客様が増えたそうです。

私も新鮮な野菜とフルーツに魅せられて、今日もまたたっぷり仕入れてしまいました。

「お客様からはくさんの学びをいただきます」と話す小嶋さん夫妻。生産者の思いを伝えようと、地域に根差した八百屋を目指して頑張っています。まだまだ日々緊張の連続だという真面目な英嗣さんと、その傍らでかいがいしく働く真美恵さんの温かい眼差しが印象的でした。

埼玉県のまつのべジフルサポーター。野菜ソムリエプロの柴田妙子でした。

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