松野貞文の全国視察レポート

福井県「とみつ金時」と「勝山水菜」の里を訪ねて

先日、福井県へ視察に行ってきました。現地では、野菜ソムリエコミュニティ福井のメンバーのみなさんのご案内で「とみつ金時」「勝山水菜」を視察。アクティブ野菜ソムリエでベジフルビューティーアドバイザーの中島早苗さん(写真右から二人目)に、視察レポートをお寄せいただきましたので、ご紹介させていただきます。
福井視察
最初に訪れたのは、日本海に面した丘陵地を利用して、さつまいもの栽培を手がける福井県あわら市富津地区の(株)フィールドワークス。代表取締役・吉村智和さん(写真・左から三人目)に、施設内をご案内いただきました。
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吉村智和さんは、若手生産者5人で作る後継者グループ「エコフィールドとみつ」のメンバーのおひとりで、地域貢献にも積極的に参画されている若きリーダーです。農地では、トラクターなどの大型重機、太陽光発電システムを備えためずらしい木造のキュアリング貯蔵施設にも圧倒されました。
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キュアリング貯蔵とは、収穫の際などにさつまいもの表面にできたキズを癒やすための保存方法で、8月下旬~11月上旬に収穫した土付のとみつ金時を35度、湿度95%以上の室内に90時間置き、その後一気に温度を12度まで下げて湿度を85%にして保存。

表面をコルク化させることで、適度な水分を含んだまま、約10カ月間おいしい状態で出荷できます。この日は約50トンものとみつ金時が出番を待っていました。
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若手生産者5人が知恵を出し合い、安心でおいしいさつまいも作りと近隣住民の雇用を確保し、地域コミュニティの活性化を目指す吉村さん。頼もしい限りです。

「富津の豊かな農村風景がいつまでも続くように、生活者として生産者を支えていきたい」と語る中島早苗さんに、とみつ金時のアイデアメニューをご紹介いただきました。

『とみつ金時ごろごろポケットサンド』
カリッと焼いた食パンに、粗挽きマスタードを塗り、蒸したとみつ金時とクリームチーズの細の目切りを、塩、こしょう、少量のマヨネーズで和えてサンド。おでかけランチにもおすすめです。
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次に、勝山市北市地区で伝統野菜「勝山水菜」の栽培を手がける伊藤農園を訪問。暖冬の影響ですっかり茎立ちし、収穫も終盤を迎えていました。
福井視察06
勝山水菜は、春を告げる野菜として地元で親しまれ、江戸時代から密かに種を取り、大切に守り継がれてきたのだそう。
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かたそうに見える太い茎は、茹でると驚くほど柔らかくなります。上の写真の左は郡(こおり)地区の「白水菜」。苦味が少なく、適度な甘みがあり淡白。収穫時期は1月下旬頃~3月下旬頃。右は北市地区の「青水菜」。苦味がやや強く、甘みも多いのが特徴。ほろ苦さを味わうにはもってこいです。収穫時期は2月中旬~4月上旬頃。茎の色の違いを見れば一目瞭然ですね。

積雪のある1月に雪を取り除き、水を引き込みながら育てるのですが、想像以上に辛い作業です。初出荷時には1束約700円で販売されますが、それでも勝山の人達は購入します。生産者の苦労を理解しているからこそ購入するのです。地元の誇り、愛され野菜ですね。

勝山の伝承料理『ぼっかけ』を、中島さんが教えてくださいました。

福井視察

『ぼっかけ』とは、炊きたてのご飯に、熱々の汁を「ぶっかける」が「ぼっかける」に転じたといわれています(参考:勝山市発行「勝山水菜レシピ集」)

雪を栄養に育ち、雪解けの寒さで甘くなる勝山水菜を使ってぼっかけをアレンジ。圃場で松野社長が「花を食べると甘いよ。今、野菜の花は注目されているから」とおっしゃられ、おそるおそる口の中へ。だってほろ苦いと信じていましたから。ええーーーーーっ!あまぁ~い。ぼっかけに散らしてみると、きれいな春の彩りに♪野菜の花が注目されていることにも納得できました。

福井視察
中島早苗さんから、「今回産地見学に同行させていただき、地元野菜と向き合うことができ、たいへん勉強になりました。自分の目で確かめ、生産者とは笑顔のお付き合い。大切なことですね。野菜ソムリエとして何をなすべきか、宿題をいただいたような気がします。関係のみなさまお世話になりました。本当にありがとうございました。」とのご感想をいただきました。

野菜ソムリエコミュニティ福井のみなさま、今回の視察では、大変お世話になり、ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。

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