まつのベジタブルガーデン

滋賀県「近江の茶」日本の茶の歴史ここにあり【前編】

伝統野菜・食文化

皆様こんにちは。滋賀県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ベジフルビューティーアドバイザーの辻川育子です。

新緑の美しい季節となりました。いよいよ新茶の時期ですね!日本茶は、805年に中国で茶を学んだ比叡山延暦寺の開祖「最澄」が持ち帰った種を比叡山麓の大津・坂本に植えたことに始まるといわれています。そう!日本茶業発祥の地と呼ばれる場所が滋賀県にあります。

それがこちら。比叡山の麓にある日吉大社のほとり、日本最古の茶園とされる「日吉茶園」。

お茶の樹が20本ほど植えられているわずかなスペースです。立春から数えて88日目となる5月2日の八十八夜には、「茶摘祭」がありました。

神事のあと、近くの幼稚園児や日吉大社の神職らにより新茶の茶摘みが行われました。

近江茶は、滋賀県内では主に南部を中心に生産されています。主な産地は、「朝宮(茶)」「土山(茶)」「政所(茶)」です。丘陵地で昼夜の寒暖差がある気候の中、ゆっくりと育つ茶葉には養分がしっかりと蓄えられ、うまみが多く香り高い質の良いお茶が作られています。

4月27日、県内最初の新茶の茶摘みが甲賀市土山の農業組合法人「グリーンティ土山」の茶園で行われました。「土山」は滋賀県最大の生産量を誇る近江随一の茶どころ。野洲川沿いのなだらかな丘陵地に茶畑が広がり、長い日照時間と清らかな水に恵まれた土地です。

童謡「茶摘み」にあるような『あかねだすきに菅(すげ)のかさ』ではなく、なんと甲賀忍者による茶摘み!その正体は農協や市の職員の方々で、近江茶のPRのために奮闘されています。この日はとても良いお天気で鶯も鳴いていました。

手摘みは1芯2~3葉を摘み取ります。親指と人差し指でつまんで優しく摘みます。私も茶摘み体験をさせていただきました。

柔らかい茶葉をどんどん手摘みしていきます。お茶の品種は「やぶきた」。かつては、ほぼこの品種でしたが、今は品種改良で晩生の「かなやみどり」なども作られています。土山では、茶葉の摘み取り前に覆いを被せる「かぶせ茶」が盛んで、今私が摘んでいる茶畑も直前まで黒い覆いがかぶせられていました。

このシートを摘みとり前の茶葉にかぶせることで、太陽の光が約85パーセントに抑えられ、葉の葉緑素が増えるのだそうです。(直掛け被覆)遮光するのに葉緑素が増えるとは、なんだか不思議です。

この上の写真をよく見てください。奥の緑と手前の緑の色の違いが分かりますか?奥は少し黄色がかっており、手前の方が濃い緑をしていますよね!この手前の茶畑には覆いが被せてあったのですが、奥はまだ被せてません。光合成を抑えることでカテキンの増加を抑え、旨み成分であるテアニンの含有比率が増えます。 茶葉の色が美しくなるだけでなく旨みが増し、渋みを抑えた茶ができるのです。

より高級な茶葉を作るため、でも葉に負担がかからないようにするためにも、上の写真のように覆いをかぶせます。(棚被覆)

ところで、煎茶や玉露の違いをご存知ですか?一般的には、被覆なしが「煎茶」・2週間(14日)以上被覆したものが「かぶせ茶」・3週間(21日以上)被覆したものが「玉露」「抹茶」となります。被覆の期間が味わいの違いに明確に現れるのです。

グリーンティ土山さんの茶園は31ヘクタールあります。茶摘みは手摘みだけでなく機械も使います。こちらはレール式摘採機。

二人の呼吸を合わせて、新芽だけを刈り取るので難しい作業です。別日には、こんな刈り取りの作業風景もみせていただきました。こちらは乗用型摘採機。

摘み取った茶葉は、下の写真のようにしてトラックに積み込みます。

それでは摘んだ茶葉を運んで新茶作りです。

今回お世話になった「グリーンティ土山」の竹田知裕さん。グリーンティ土山の方々は、茶の栽培だけでなく煎茶の製造工程まで、全て自分たちでできる技術をお持ちなのです。
詳細はこちらを参照→グリーンティ土山

荒茶づくりの工程は〈後編〉に続きますので、ぜひお楽しみに!滋賀県のベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ベジフルビューティーアドバイザー辻川育子でした。

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