皆さま、お久しぶりです。DJコウこと商品部の甲将明です。
今回は弊社の中でも味に定評があるトマト産地、「火の国」熊本県は八代の【あぐりーず】さんへ伺ってまいりました。
弊社とは20年来のお取引をいただいており、少数精鋭で美味しいトマトをつくっておられます。今日出荷したトマトはどなたが栽培したものか、生産者がわかるトレース体制にも力を入れている産地です。
あぐりーずさんのトマトハウスは干拓地にあるため、土壌の塩分濃度が高いことが特徴。土壌水に塩分が含まれていると樹が水分を吸収しにくくなるため、果実が水っぽくならず、旨味や甘味がトマトに濃縮されます。
その分、果実も小さくなりますが、糖度は8度から10度近くなるものもあり、フルーツのような甘さ。一般にいわれる「フルーツトマト」や「塩トマト」ができる土壌なのです。
けれど、そうした地域にありながらあぐりーずさんの栽培方針は、甘さだけを追求するのではなく、旨味や酸味とのバランスもとれた味わいを、大玉トマトで実現すること。
生産者の井上さんは、「糖度8度、10度という高糖度ではなく、6~7度で美味しい大玉トマトをつくりみんなに食べてもらいたい。高品質なトマトをつくって、お客様と信頼関係を作っていきたい」と話します。
「以前は、熊本県内でトマトと言えば玉名市(たまな)だったが、八代(やつしろ)地域もがんばっています。親の代から受け継いだ若い生産者が多く、他産地との交流勉強会も行うなど、みな熱心に取り組んでいます」
栽培方法は、土耕の溶液栽培。品種はりんか。水っぽさが少なく旨みがトロッとのる、高糖度に育てやすい品種です。
選果所で行う糖度チェックは、光センサーによる非破壊糖度計、果汁で測るデジタル糖度計、糖分の比重測定計の3種類を用い、整合性を高めた検査を行っています。
小さく育ち、8~10度の糖度があるものは「フルーツトマト」としてパッキングして販売。
大玉に育ったものは、4キロ箱で「大玉トマト」として出荷されています。
下の写真は奥から、生産者の井上さん、まつのとの窓口である相談役の井上さん。そして私、甲。
今年は9月の長雨・日照不足、その後に気温の高い日が続いたため、果実に裂傷ができてしまう裂果(ひび果)が多く発生してしまいました。
トマトは樹の下から上に登るように順に果実をつけていき、それぞれを「段」と呼びます。現在は樹が7~8段目あたりまで成長し、4~5段目の収穫を行っている時期。今後収穫予定の段は異常気象の影響をまぬがれ、大きな問題はない見通しです。
年内はまだ果実の水分量が多いですが、年明けから旨みがのってくるとのこと。味わい深いトマトが届くことが今から楽しみです。あぐりーずさん、今シーズンもよろしくお願いいたします!