まつのベジフルジャーナル
JOURNAL
千葉県 楽しくて美味しい!地元食材を使った郷土料理「太巻き祭り寿司」
千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀です。
千葉県の郷土料理「太巻き祭り寿司」をご存知ですか?「房総太巻き寿司」や「太巻き寿司」とも呼ばれ、房総地方に古くから伝わるお寿司です。農林水産省「農山漁村の郷土料理百選」にも選定され、そのルーツは「葬式の時に芋がらの煮つけを芯にして握り飯を作ったもの」あるいは「紀州の漁師が房総に鰯を追いかけてきたときの弁当に持ってきためはりずし」など諸説あります(参照:千葉県HP)。
千葉県は東京湾と太平洋に面し、豊かな漁場があります。温暖な気候にも恵まれ、その食材の豊富さは全国でもトップクラス!そんな千葉でとれた魚やかんぴょう、しいたけ、にんじんなど、海の幸と山の幸を具材として芯に入れ、すし飯で包み、海苔や卵焼きで巻いたものが「太巻き祭り寿司」です。
千葉は海苔と米の産地でもあります。そのため、海苔と米をたっぷり使うこのお寿司は、冠婚葬祭や大勢のお客様をもてなす時にごちそうとして振る舞われてきました。現在、私たちが「太巻き祭り寿司」を食べているのは、あらゆる場面で先人たちの知恵や技が受け継がれてきたからなのです。一番の魅力は、なんといってもその艶やかな切り口。

お米が美しく見えるように、具材、海苔、卵焼きで巻き方を工夫して、花や文字、動物などを表現します。巻き終わっても、カットし終わるまでは緊張が続きます。絵柄を美しく見せるために直径10センチ程の大きなものもあるそうです。
今回、太巻き祭り寿司を教えてくださったのは、千葉市に飲食店を開いて40年、千葉県の郷土料理を楽しめる食事処「千寿恵」の女将・石橋ちず江さん。郷土料理の文化継承だけでなく、予防医療という健康的な側面からも郷土料理を紹介しているエキスパート。数々の食に関する資格を持ち、野菜ソムリエでもあります。
三種類の太巻き祭り寿司「花椿」「菜の花」「祝い」を作ってもらいました。使用する材料は、このように小分けにして綺麗に並べておきます。すし飯、薄焼き卵、野沢菜、かんぴょう。

絵柄を綺麗に仕切る重要な役割の海苔。

まず最初に花びらの部分を作ります。ピンクに色付けしてあるすし飯を4本作ります。

花びらひとつひとつ丁寧に形を整えます。


薄焼き卵を錦糸卵にして、くるくるくると巻いて花の芯を作ります。


大きい薄焼き卵にすし飯を敷き詰めて、その上に先ほど作った花びらと芯の部分になる卵をのせます。横から見ても、まだ何ができるかイメージできませんね。

左右両端をよせて巻きます。

左手にしっかり持ちます。1合以上のお米なので、ずっしり重そうです!

残りのすし飯を右手でのせていき、

形を整えます。

最後にもう一度形を整えて巻き終わりです。


いよいよ仕上げのカットです。

なんとも華やかな花椿のできあがり!カットするまでどんな絵柄になるかわからないので緊張しますね。

実際に味わってみると、甘い卵焼きとさっぱりしたすし飯、しっかりとした味の具材がよく合い、食べながら楽しい気分に。作る楽しみと食べる楽しみの両方が味わえますね。
さて次の材料はこちら。何ができるでしょう?

黄色いすし飯がたくさんありますね。これから出回る黄色い花でしょうか?

横から見てもまだわかりません。

正解は菜の花です。黄色い花びらが可愛らしいですね!

最後は文字を作ってもらいました。

かんぴょうがたくさんありますね。

薄焼き卵の上にすし飯を敷き、海苔で巻いた具材をのせていきます。

次々と具材をのせていきます。

まだまだのせます。

左右両端を寄せて巻きます。

カットしてみると、「祝」の文字が出てきました!

文字を作るのはとても難しく、熟練の技が必要だそうです。いろいろな形の文字、なんだか手作り感がありますね。
石橋さんは「食生活が豊かになった今、郷土料理とは節約料理が大切ではないでしょうか。地元産の旬の食材は手に入りやすくて栄養も豊富なので、先人たちの知恵を見習いながら、地元の食材を上手に活用して、効率よく健康的な食生活を送りたいですね」と語ります。
目で見て楽しくて美味しい千葉県の郷土料理「太巻き祭り寿司」、ぜひ一度味わってみませんか。

千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀でした。
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