ベジフルサポータージャーナル

北海道留寿都村「雪下長いも」目覚めの季節【前編】

まつのベジフルサポーターレポート

皆様、こんにちは。北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの福島陽子です。 

4月中旬、ルスツ村の「よしかわファーム」さんで春掘りの「雪下長いも」を収穫すると聞き、取材させて頂きました。
蝦夷富士とも呼ばれ、北海道を代表する名峰「羊蹄山」の麓にあるルスツ村は、寒暖差のある気候、火山性の土壌、羊蹄山の清らかな水、様々な自然の恩恵をうけた野菜の栽培に適した土地です。
長いもの収穫量は、北海道が全国第1位(平成27年産野菜生産出荷統計 農林水産省調べ)。2位の青森県と北海道だけで、全国の約8割以上のシェアを占めています。「雪下長いも」は、雪の下で越冬させた春掘りの長いも。厳冬の凍結から身を守るために糖分を蓄え、甘くて美味しいのが特長です。この時期に収穫した長いもを心待ちにしている道産子も多いと聞きます。

このルスツ村で農業を営む「よしかわファーム」の吉川浩さんと奥様の巴さんにお話を伺いました。浩さんのお父様は、この地で最初に長いもの栽培を始めた農家さん。約30年前、全国的に有名な「川西長いも」の産地である十勝で勉強され、難しい長いも栽培の技術を習得されたそうです。

長いもは細長く、傷つきやすいため、どのように収穫されているのか、大変興味がありました。
巴さんに畑まで案内して頂くと、大きな長いも畑に重機5台を使った、迫力の収穫風景が出迎えてくれました。長いもの収穫は、吉川さんのご親戚総出の大作業!まず、最初の重機で土がやわかくなるようにやさしく表面を掘り起こすと、すかさず次の特殊な重機が、繊細な動きで長いもを傷つけないように土を震わせながら丁寧に掘り出します。そのすぐ後ろの座席では、慣れた手つきで土を軽く払い、長いもを並べていくお母さんたち。重機の運転手は常に後ろを見ながら慎重に前へと進めていきます。
掘り出した長いもは、その場で選別しながらコンテナに入れていきます。おしりが丸くなっているものは成熟した長いもで、反対にとがっているものは成熟しきれず味が良くないとのこと。このほか、傷の無いもの、形のいいものなど、厳しい基準を通ったものがA級品として販売されます。よしかわファームさんの雪下長いもは、温度管理された倉庫で土付きのまま保存され、通信販売やルスツの道の駅へと出荷されていきます。

さて、今回取材した春掘りの雪下長いもと、昨年収穫した秋掘りとの違いはなんでしょう?長いもの栽培方法と一緒にご説明しますね。4月、畑の準備が始まります。長いもは地中深く育っていきますので、トレンチャーという機械で1メートル80センチの深さに耕します。種となる「種芋」の準備も行われます。種芋は成芋の切り芋を使って栽培されます。

5月は種芋の植え付け時期。種芋は芽の部分を上に向けるなど、長いもが真っすぐ育つように植え付けます。地道だけど、とても重要な作業だそうです。その後、長いもはすくすくと成長していきます。よしかわファームさんでは地温を上げて成育を良くしたり、雑草対策の役割のあるマルチ(ビニール)をかけているとのこと。

7月には茎がつるになり、支柱やネットにからまりながらどんどん伸びます。つるは地上2メートルまで伸び、葉が生い茂る頃になると、地中では、茎の根元にできた新しい芋が大きくなりはじめます。秋に葉や茎が黄色くなり枯れてきたら、機械で支柱やネットを外し、葉や茎を刈り取ります。11月頃に成熟した「秋掘り」の長芋を収穫しますが、収穫せずに土の中で保存した残りが、今回ご紹介した雪下長いもです。

成熟した長いもは冬眠に入り、土の中で貯蔵することが可能です。低温環境にある成熟した長いもからは芽が出ません。その性質を利用し、春まで土の中でこのまま保存します。冬の寒さや寒暖差から身を守るために糖度を蓄え、甘くて美味しい長いもになります。
冬のあいだ土の中で過ごした雪下長いもは、冬眠からさめて芽が出る前の4月中旬から2週間くらいかけて収穫されます。巴さんも「長いもの収穫が始まると、春の訪れを感じます」とおっしゃっていました。
春に目覚めたよしかわファームさんの雪下長いもは、道の駅230ルスツで販売されています。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいね。
道の駅230ルスツ 虻田郡留寿都村字留寿都127番地191(国道230号沿い) TEL013647-2068

また、よしかわファームさんでは通信販売も行っており、全国から購入可能です。こちらもぜひご覧ください。
よしかわファームyahoo!ショッピング 

後編では、長いもを使った簡単で美味しいお料理のほか、ルスツ村で農業と向き合うよしかわファームご夫婦についてご紹介致します。ぜひご覧くださいね。

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