ベジフルサポータージャーナル

北海道雪の下でたくましく育つ「雪割りなばな」【前編】

まつのベジフルサポーターレポート

皆様、こんにちは。北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの福島陽子です。

北海道はようやく雪解けがすすみ、春の気配を感じられる季節となりました。今日は、北海道空知地方にある滝川市の「雪割りなばな」をご紹介致します。
日本有数の菜種の作付面積を誇る菜の花の里・滝川市。この早春に新芽の部分を頂く食用のなばなと、初夏に黄色の花を咲かせ、種子から油を搾る菜種用のものは、品種が違います。菜の花が咲く前に一足早く栽培されているブランド野菜が「雪割りなばな」です。
雪割りなばなは、前の年に株を作り、冬は雪の下で越冬させ、3月下旬には雪を割って勢いよく成長します。北海道では、もっとも早い葉物野菜ではないでしょうか。冬の寒さに耐えるために根に糖度を蓄えた雪割りなばなは、他のなばなに比べて甘みが強いのが特長。春に出る新芽の部分を食べるので、太い茎でもとてもやわらかいのです。
今回は、平成元年に最初に食用なばなの生産に取り組まれた滝川市の「なかのふあ~む」を訪ね、中野義治さんに「雪割りなばな」についてお話を伺いました。「滝川市という豪雪地帯だからこそ、雪を割って早く春が来ないかな、という春の待ち遠しさをイメージして名前を付けさせて頂きました」と、名付け親の中野さん。雪割りなばなと地元への愛を強く感じました。

中野さんは、多くの消費者に美味しいなばなを食べてもらうため、JAたきかわなばな生産組合の設立に尽力し、各農家のなばな食べ比べや栄養成分の分析、勉強会などを行い、他の生産者さんと意識を高めながら、雪割りなばなのブランド化に努めています。

さて、雪割りなばなの栽培は、土作りから始まります。なばなを作る前の工程として、前作(なばなを栽培する前に畑で育てる作物)に、緑肥として稲科の植物を育ててすき込みます。これは、ネキリムシなど外敵である害虫の発生をできるだけ抑え、農薬を最小限にする工夫だそう。そして、9月1日前後に種をまき、秋には40センチくらいまでに成長します。冬の間、このなばなを雪の下で眠らせます。滝川市は豪雪地帯のため、秋と春の土壌凍結が少なく、なたねの栽培に適しているそうです。
写真提供:なかのふあ~む

写真提供:なかのふあ~む

2月中旬にハウスを除雪し、ビニールをかけて雪解けを早めます。外は寒いけれどハウス内は暖かい、この寒暖の差でなばなの甘さがさらに増すそうです。この時期のご苦労は、雪の重みでハウスを潰さないようにすること。3月でも稀にドカ雪が降る北海道。夜を徹してハウスの雪下ろしと除雪を行うのはとても大変ですが、中野さんはこの作業が恒例の楽しみとおっしゃいます。それは、楽しみにしているお客様に春一番の美味しい雪割りなばなを少しでも早くお届けしたい!という熱い想いからです。写真提供:なかのふあ~む

3月中旬の様子です。長い冬の間、雪の下で寒さに耐えたなばな。雪もとけて、古い茎葉の間から新芽が立ち上がっているのがわかります。
写真提供:なかのふあ~む

待ちに待った3月下旬(今年は3月24日)、雪割りなばなが出荷されます!長い冬に糖度を蓄え、勢いよく立ち上がったなばなの新芽です!
私は4月初めに、ハウスでの収穫を見学させて頂きました。
なばなの品質を保つため、1年で使用するハウスは1棟とし、次の年は違うハウスを使い、連作を避けるなどの工夫をされています。化石燃料などは使わず、太陽光と保温資材のあたたかさで育てます。まだ寒いこの季節は害虫が発生しないので、農薬を使わずに育てることができるそうです。鮮度を保つため、収穫は早朝に行われます。気温が高すぎると袋の中でなばなが蒸れてしまうため、収穫のタイミングや保管場所にも気を遣います。
この日も寒い作業場で、中野さんご夫婦と息子さんご夫婦の家族4人が、手際よく選果と袋詰めの作業を行っていました。この後、なかのふあ~むのなばなは農協に運ばれ、「JAたきかわ雪割りなばな」として販売されます。ところで、美味しいなばなの選び方とは?茎と葉がピンとしていて、切り口がみずみずしく、茎に空洞がないものを選びましょう。購入後はすぐ新鮮なうちに食べるのがおすすめですが、保存する場合は、湿らせた新聞紙などで全体を包み、ビニール袋に入れて立てて冷蔵庫の野菜室で保存します。

なばなはビタミンCのほか、ベータカロテンや鉄分、葉酸なども多く含んでおり、大変栄養価の高い野菜。
そんな栄養たっぷりの雪割りなばなを、滝川市の子供たちは学校給食でもりもり食べています。農家さんがこどもたちと交流する機会を増やすなど、なばながつなぐ食育のコミュニケーションを知りました。

美味しくて栄養価が高く、今が旬の「雪割りなばな」は、5月10日くらいまでが食べ頃です。JAたきかわ菜の花館、道の駅たきかわを中心に、道内のスーパーや八百屋などで販売中。店頭で「雪割りなばな」を見つけた際は、ぜひご購入下さいね!

JAたきかわ菜の花館 滝川市北滝の川西8丁目 TEL0125-74-5510
道の駅たきかわ 滝川市江部乙町東11丁目13-3 TEL0125-26-5500

滝川市内の地産地消認定店でも、雪割りなばなを使用したお料理を食べられます。なかのふあ~むさんからご紹介頂いたのは、オシャレな欧風居酒屋の「ボン・ビヴァン」さん。今日のなばなメニューは「雪割りなばなと魚介のスパゲティ」です。私もこのスパゲティを頂いてきました!魚介は日替わりで、この日はたっぷりのアサリ!雪割りなばなの甘みとやわらかさ、アサリの旨みが見事にマッチ。ボリュームもあり、食べ応えがありました。なばなが旬の時期だけの限定メニューなので、滝川へ行かれる際はぜひ足を運んでくださいね。
ボン・ビヴァン 滝川市栄町4-5-4 TEL0125-24-3825

後編では、なかのふあ~むさんの新鮮ななたね油やなばなを使った料理など、その魅力をまだまだお伝えしたいと思います。

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