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2011年 4月 19日 (火)

我々の使命【茨城県四季菜くらぶ:ほうれんそう(2)】

by ちゃーりー



代表理事の青木さん(右)
ほうれん草を作っている中村さん(左)

事務所でもお話しを伺いました。

「お客さんはどんな反応なのか、実際のところを教えてほしい」
第一声、逆に質問を投げかけられました。

伺ったその日は、
3度目の放射線量の検査結果が出た日。
3週連続、基準値以下であることが確認されたので、

「週明けには、出荷制限が解除される」
という見込みが立ち、これからが見えてきたタイミングでした。

しかし、
「解除されたところでこれから売れるのか?」という心配が。

放射線の安全基準値超えの発表以降、
茨城県内のスーパーでさえ暫くの間は、
ほうれん草だけでなく茨城県産の青果全般が撤去された と聞きました。
野菜を市場に持っていっても値段がつかないし売れないため、
茨城県内の市場は始めの10日間ほど開店休業状態・・・だったとのこと。

先に出荷制限が解除された「群馬県産のほうれん草」は、
出荷再開初日は高い価格がついたが、それ以降は価格が振るわない状況。

出荷禁止されていれば保障があるかもしれないが、
解除されて出荷しても値段がつかなければ逆にマイナスになる・・・


風評被害が今後どれだけの影響を及ぼすか
それを強く心配されていました。



「四季菜くらぶ」では、
独自に検体を筑波の分析センターへ送り、放射線量を週二回検査
をしてきました。

検査は送ったそのままの状態で行われるため、
検体はあえて洗わずに送り、洗浄前の数値を確認しているとのこと。

放射線簡易測定器を用いて行う、放射線量測定。
検査費は、1回1000円程かかり
自分達で負担しなければならないのですが、
安全であることを証明するために行っています。

「四季菜くらぶ」だけでなく、多くの産地が独自に検査を実施しており、
まつのにもその検査結果が随時送られてきています。

調べる成分の対象が少ないため、
残留農薬検査よりは短期間・費用も安く検査はできるんだよ
そう教えてもらいました。

とはいえ、本来ならばする必要もなかった検査。
そして、
その数値が問題ないことを確認しながらも、出荷出来ない現実。

育ててこられた中村さんにとって、各地の生産者さんにとって
どんな気持ちで過ごしてきただろうか・・・
育てていない自分でも想像するだけで悔しく、辛い気持ちになりました。

大震災と原子力発電所事故による影響は
あらゆる方面に、様々な困難と戦いを生じさせていることを改めて感じました。


ひとつ気になっていたのは、
「どうしてほうれん草で高い数値が出たのか?」ということ。

それは放射線の量が
可食部分のキロ当たり含有量で計測されることが大きな理由でした。

今回の放射性物質は、空気中に飛散したものが落下し、
野菜等の表面に付着したと言われています。
ほうれん草は、食べる部分全体が空気に直接触れているため
放射性物質も多く付着したと考えられます。
今まで、
「葉からも直接吸収してしまったのかな」と誤解をしてしまっていました。

そのこともあり、キャベツ・長葱 等
直接空気に触れる部分が少ないものでは数値が低く、
パセリ・かきな等では高い数値となっていたのだとわかりました。

上記理由で影響が現れやすいことから
行政からの検査指示1品目は「ほうれん草」だったそうです。



出荷制限解除を受け、
昨晩、久々にまつののセンターへ入荷した「四季菜くらぶ」のほうれん草。
中村さんのほうれん草は、5月一杯入荷予定です。

これからますます旬を迎える「四季菜くらぶ」の野菜をはじめ
東北・関東の青果物をぜひ召しあがって下さい!


これから私達に出来ることは、
生産者の方々が作ってくれた野菜を届け、食べてもらうこと。
情報・想い、しっかりと伝えるべきものを伝えていくこと。


これは
生産者さんとお客様の間をつなぐ青果物流通に携わる我々の使命 
であると強く感じています。


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