まつのベジタブルガーデン

山梨県笑顔の絶えない農場から生まれるこだわり野菜「ねづ農場」

まつのベジフルサポーターレポート

山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実です。

山梨県市川三郷町のねづ農場は、甲府盆地を見渡す高台にあります。こちらで野菜を育てているのは根津弘毅さんと美奈子さん、そして2人の息子たち。約2ヘクタールの畑で、化学肥料や農薬を使わずに、年間通して40品目を生産しています。きゅうりやトマト、なすやかぼちゃなどの果菜類、レタスやキャベツ、小松菜、ほうれん草などの葉菜類、にんじんやだいこん、かぶなどの根菜類など、その種類は様々です。
根津さんご一家
こちらの写真、長男の毅一朗君が鼻をつまんでいますね。「パパは鶏さんのウンチ撒いてるの!」と教えてくれました。毅一朗君の言う通り、土壌には鶏糞や牛糞を混ぜているそう。生まれたときからパパの背中を見ているだけあり、仕事の内容をきちんと理解しています。
パパのお仕事
先日も弘毅さんが小松菜を収穫する様子をそばでじっと見ていた毅一郎君。収穫をお手伝いする日も、そう遠くはないかもしれません。
小松菜収穫
(画像提供:ねづ農園様)

にんじんを見せていただくと、雨が少ない気候が続いているせいか、葉は大分枯れているものがありますが、瑞々しさを感じました。
粘土質の土から掘り出したにんじん
ところが、よく見ると割れています。でもそれを見ても全く動じない美奈子さん、「割れは割れで売るから大丈夫です」ときっぱり。そう、ねづ農場の辞書には「規格外」という言葉がありません。「どのような状態でも食べることができるなら生活者に届ける」それがねづ農場のモットー。
割れにんじん
実際野菜を販売しているスーパーには「割れ」と書かれたにんじんが置いてありました。また、近隣にある自家製天然酵母パン「アデムク亭」ではこのにんじんを使った酵母でパンを焼いているそう。酵母を起こすのに形は関係ありません。なるほど、確かに「規格外」なんてない!
オギノの割れにんじん
続いて長ねぎの圃場へ。辺り一面に植えられた長ねぎを見て、思わず「わっ」と声が出てしまいました。
辺り一面の長ねぎ
品種は「ホワイトスター」。昨春に種をまき、じっくり育てた長ねぎは、土壌の栄養をしっかりと吸収し、太く立派に育ちます。
ホワイトスター
白い部分はツヤツヤ。
ツヤツヤの長ねぎ
「ぜひ食べてみてください」と子供たちをあやしながら収穫する美奈子さん。たくましい!
抱っこしたまま収穫
こちらは昨年11月に植えた玉ねぎ。
秋植え玉ねぎ
ネオアースやソニックなど、合わせて約1万本。4月頃に収穫予定です。
玉ねぎ約1万本
こちらは種まきを終えたレタスの畑。保温資材を掛け、霜が降りないようにしています。
保温資材の畑
そしてこちらはこの日整地していた畑。何を植えるか尋ねたところ、「これから考えます」と笑顔で答える弘毅さん。「会社勤めとは違い、自分のペースでできるのが野菜を育てる魅力」と語ります。
整地した畑
「ぜひまた違う時期にも見に来てください」と笑顔で語る根津さん夫妻。2人とも山梨県出身ではないものの、この土地をとても気に入っているのだそう。育児で大変な時も、大雪でハウスがつぶれた時も、山梨で知り合った仲間が温かく支えてくれました。「野菜を通じて多くの人とご縁がつながるのが楽しい」と美奈子さん。2人の笑顔を見ていると、野菜作りを心から楽しんでいる様子がひしひしと伝わってきます。

ちなみに、弘毅さんと美奈子さんは揃って東京農業大学出身。卒業後に弘毅さんが就職先として選んだのが山梨県北杜市にある梶原農場でした。そこで3年間農業研修を受けた後、2012年に独立。都内で働いていた美奈子さんと共に、ここ市川三郷町でねづ農場を始めました。

今ではねづ農場の野菜は、近隣のスーパーや飲食店の他に、地域の学校給食食材としても使われています。毎朝収穫し、配達も自分たちで行なっています。地域に根付いた顔の見える農業を続けていくのが2人の理想。こんな写真が飾られていたら、売り場の野菜を手に取ってみたくなりませんか。
顔の見える農業
昨年からは大豆や小麦の栽培も始めたそう。大豆は主に味噌を仕込むのに使い、小麦はパンを作ることを見据えています。地元の小学生らの収穫体験の受け入れや食育イベントなども行っており、地域の人とのつながりを大切にしています。

さて、この日の我が家の夕食は、美奈子さんが子供たちと収穫してくださった長ねぎを使った「スタンディングねぎ鍋」。少しの顆粒出汁とお酒を加え、蓋をして蒸すだけのシンプル調理!
スタンディングねぎ鍋
粗く刻んだ青い部分をどっさりのせ、ポン酢をかけていただきました。トロットロでとろけるような長ねぎを崩れないように口に運ぶのが大変!笑
蒸し長ねぎ
根津さん家族の笑顔を思い出しながら、お腹も心もいっぱいになりました。これからも、笑顔の絶えない幸せいっぱいの農場から、こだわり野菜をたくさんの人に届けてくれることでしょう。

山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実でした。

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