提携産地レポート

高知県【JA高知県】なす・ピーマン・にら・生姜のトップ産地へ

開発営業部の三井聖史です。弊社ではJA高知県と業務野菜の販路開拓・拡大強化の取り組みを深めており、その一環として先日、お客様をご案内し産地を訪問いたしました。昨年6月に続いての産地視察です。

(関連記事)つややかに輝く「土佐甘とう」の産地 JA高知春野

 今回訪れたのは県東部の安芸・香美、中部の土長の3地区。まずは安芸地区(安芸市・芸西村)でみょうが、米なす、なす、ピーマンの圃場を視察させていただきました。

(画像提供 JA高知県)

高知県は面積の84%を林野が占め耕地面積が少ない県ですが、冬場の温暖・多照な気候を活かした施設園芸が発展し、冬春野菜の大産地となっています。なかでも安芸地区を中心とする県東部は高知園芸先駆の地。

なすやピーマンなどの栽培が盛んな地域です。

圃場では米なすがたわわに実っていました。

訪問した生産者さんは、「くろわし」という品種を栽培していて、8月下旬に定植、10月~6月が収穫期とのこと。果皮にボケのない艶やかな米なすは、栽培技術の高さの証です。

続いて、安芸地区の集出荷場へ。収穫したてのなすが次々と運び込まれる選果場は圧巻の規模、設備です。それもそのはず、県内で栽培されているナスのうち7~8割が安芸地区が占めるそうで、一日に30トン前後の量を選果するそうです。

果実の重さ、長さ、首の部分の果幅などを定めた細かな規定にあわせて7等階級に選別されていきます。

センサーであっという間に選別されていきますが、最後は人の目と手で確認しながら袋や箱に詰めていきます。

機械と人の組み合わせがあるからこそ、安定的な品質が保証されることがよく分かります。

続いてピーマンの圃場へ。

安芸地区では生産者の9割近くがエコシステム栽培を実践、特別栽培にも取り組んでいます。 エコシステム栽培とは、農薬の使用に頼らない環境への負担をできるだけ減らす栽培のこと。こちらの圃場ではピーマンの害虫であるヒメカメノコの天敵であるテントウ虫など複数の天敵昆虫を利用した対策をされていました。

上手にコントロールできれば、天敵利用の方が農薬で栽培するよりもコストは下げることができるそうですが、最初の10年間は思い通りにいかずとても苦労されたとのこと。年によって気温や日照が違うことから、昆虫の種類や量を調整しながらその時に適した管理をすることが大切なのだそうです。

ピーマンの選果場も圧巻。センサーが瞬時に規格をチェックし、ピーマンが次々と流れていきます。

自動的に計算をし、1袋当たり150gアップになるよう組み合わせてピーマンの袋詰めが出来上がり。1袋ずつ生産者のIDも印字され、エンドユーザーがしっかりトレーサビリティを追えるようになっています。

つづいて香美地区(香南市)のニラの産地へ。(画像提供 JA高知県)

高知県はニラの生産量で全国1位、なかでも香美地区は高知県のニラ栽培発祥の地。1958年に稲作の転換作物として栽培が始まり、1967年に部会が誕生。50年を超える歴史ある産地です。(参考:https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/santi/0806/santi1.html

ハウスに入ると、一面に青々と育ったニラが!種を蒔いてから約120日後には収穫でき、刈り取ってからまた葉が出てくるので5~6回は収穫可能。8~9月は露地、その他の時期はハウスで、高知県では通年栽培しています。

収穫は腰をかがめて手で刈り取るため重労働。訪問した生産者さんは、作業性の面から畝を高めに立てて栽培していました。高齢化や農家減少を受け、それぞれで工夫をされているそうです。

駆け足で廻った視察の最後は中部の土長地区。

(画像提供 JA高知県)

沿岸部、土佐湾に面する南国市の新生姜、土佐甘とう・ししとうの圃場を訪問しました。

高知県は生姜生産も日本一。なかでも得意の施設園芸(ハウス栽培)でいち早く登場する新生姜は、色白で肉質も軟らかく爽やかな香りが特徴です。皮が茶色がかった根生姜と違い、室温の高いハウスの中で土をかぶせて栽培することが、色白な新生姜の秘訣です。

ししとうも高知県の生産量は日本一。なかでも南国市は県内トップの生産量を誇る日本一の産地です。

ししとうの栽培には、定植後の水分のコントロールと土作りがポイントだそうで、栽培初期にどれだけ手を掛けられるかで収量が左右されるそうです。収穫適期を迎えると、圃場内を回って規格に見合ったサイズになったものを一つひとつ手で収穫。あっという間に大きくなるので、タイミングを見極めることが大切です。

その場でししとうを採って食べると、訪問者みんなで感動!とても瑞々しく、爽やかな苦みが口の中に広がります。ご案内したお客様からも産地の方々に活発なご質問をいただき、それぞれ店舗のコンセプトやメニュー構成にあうアイテムにご関心をお持ちいただきました。

「畑とテーブルをつなぐ」ことは、物流をつなぐだけでなく、人と人、ストーリーをつなぐこと。これからも、弊社にできることを尽くしてまいります。貴重な機会をいただきましたJA高知県、東京新宿ベジフルの皆様、ありがとうございました。

 

近畿・中四国の最新レポート