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台風24号による各産地の被害状況

停電発生地区も多く、被害全容が把握できていない産地も多数あります。ただ総じて今回の台風では強風による被害(塩害含む)が各地で大きく出ており、段々と被害が深刻になり、今後入荷量の制限が少なからず発生する可能性が大きく出ています。現時点で把握できている被害状況をお伝えいたします。

トマト

●愛知県
ハウスのビニール破れ等はあるもののトマトに関しては高潮被害は少ない模様。ただ広範囲で停電しており選果が出来ずのところも出ていました。多少ならず入荷量に影響が出る見込みです。

●千葉県
ハウスの破れが多少なりとも出てはいますが、今のところ大きな被害は少ない見込みとなっています。

●岐阜県
現状は大きな被害の報告は出ていません。

●宮崎県
ハウスの浸水被害が出ておりますが、連絡取れない生産者も多く、被害調査中で全貌が見えておりません。ただ今後のトマトの生育には影響は出る見込みです。

レタス・サニーレタス・グリーンリーフ 他

●茨城県
8月下旬に定植(10月上旬出荷)した苗が先日の台風、高温により枯れてしまっており、9月の低温、長雨もあって10月上旬は減少傾向でありました。そんな中での台風24号の強風、大雨により結球レタス、非結球レタス(サニー・リーフ)の葉が穴だらけになってしまい、品質低下、出荷数が減少が確実視されています。台風一過による気温上昇の影響から病気発生の懸念も出ています。特にサニーレタスは生育不良傾向が大きいため、台風被害の影響が深刻に反映されそうです。

●群馬県
茨城県と同様で結球レタスに関しては、結球部はなんとか無事でしたが、外葉の破れが多くでており剥き玉での出荷が増えてしまう見込みです。非結球レタス(サニー・リーフ)に関しては内部に穴があいている物がでており、圃場によっては全部ダメになってしまった所もあります。結球レタスより深刻な被害が出ています。

●静岡県
結球レタス、非結球レタス(サニー・リーフ)共に大きな被害が出ています。強風で定植した物があおられ、葉がちぎれ、海水がかかり黒ずんでしまって(塩害)います。育苗ハウスもビニールが飛び、定植前の苗も同様に被害が出ています。結球レタスは11月第3週頃まで、非結球レタスは12月上旬頃までを定植していたためその期間に関しては半分以下収量に落ち込む見込みとなっています。生産者からすると昨年10月末の台風よりも風が強く被害が大きいとのこと。

●長野県
産地終盤(10中旬頃には終了見込みでした)であり、雨・低温の影響を受け生育停滞し病気も発生しています。結球レタスは20、22玉サイズ、非結球レタスも18玉サイズと小さくなっております。今回の台風で傷ついたものも多く、終了が早まる可能性があります。

きゃべつ

●鹿児島県
強風の影響で作物がちぎれて飛ばされていました。被害全貌はまだわかりませんが、キャベツへの被害は甚大です。

●愛知県
前回の9月の台風では定植が遅れ気味(通常の20%程しか出来ていなかった)であったため被害が少なくて済んだのですが、今回はほぼ100%定植が進んでいたため被害は甚大。塩害も出ており冬期きゃべつに大きく影響が出る見込みです。

●群馬県
嬬恋村現状は大きな被害はでてはいません。

その他の品目について、産地別にお伝えいたします。

高知県(なす、ししとう、おくら、土佐あまとう 他)

降雨は少なくて済んだものの、風が強かったため、木が倒れハウス破損等が出ています。ただ大規模な損害はいまのところまだ報告が上がってきていませんが強風による茄子や柚子の擦れや傷の発生は否めない状況です。台風以外でも雨続きであることから日照が足りず、収量は依然少ないままとなっています。

静岡県

浜松市内で大規模に停電が発生していたため連絡が取れない地区・生産者が多く被害全貌が掴みきれていない状況です。ただ停電のためどこも出荷作業が全くと言っていいほど出来ておらず、本日の出荷分に関しては昨日作業してあったものがほとんどとなっており、糸みつばや青梗菜、空芯菜などは入荷が全く止まっております。ハウス倒壊・破損が多数あり、クラウンメロンの一大産地でもあることから、野菜でもガラス温室を使っている生産者も多くいるため被害が甚大なものとなっています。塩害も多く出ており、冬期のキャベツやセロリ・パセリなどに甚大な影響がでる見込みです。

千葉県

長葱等の路地物は風で倒伏してしまっているものが多数出ています。生育中であった人参や大根は今直ぐには影響が出ないものの、12月頃から出荷が始まるものに塩害等の被害が顕著に出そうな見込みです。ハウス破損も多くはありませんが被害でています。また、パセリ・かぶなどに関しては停電で作業できていない生産者が多く、一時的に入荷が減りこんでしまう見込みです。

愛知県

各品目被害は大きく、ハウスが飛んでいる穂じそが一番被害甚大、他に金魚草や小菊等も大きく被害が出ています。大葉は、本日作業できていない生産者が多く、元々曇天の影響から入荷が減少していましたが、更に入荷減りこむ見込みとなっています。停電復旧が本日の夕方であったため、詳しい状況が農協でも把握しきれていないのが現状であり、被害詳細は木曜以降になりそうです。

茨城県

県内の殆どの圃場から被害があがっています。内容としてはネギの倒伏・葉の折れ・土寄せしていた土が流される等が大多数となっています。また圃場への直接被害だけではなく、電柱が折れたり、それによる電線異常での停電が各地区で発生していました。被害全貌は出ておりませんが、葉の部分のいたみや身の部分のいたみから、今後正品率の低下が見込まれています。

埼玉県・千葉県・長野県

ハーブの提携産地がありますが、どこの圃場も被害が大きく出てしまっています。千葉の圃場では6棟のうち3棟が半壊、埼玉の圃場は15棟のうち一部破損、3棟半壊。長野の圃場は5棟がいずれも一部破損(ビニールが剥がれる等)してしまいました。バジル・ディル・イタリアンパセリなどが影響を受ける見込みです。

茨城県

小松菜や水菜、春菊等を栽培・出荷していますが、ハウス倒壊やビニール破損が多く、生育中の物が強風により倒伏と浸水の被害が出てしまっています。ハウスへの被害59棟(全体の約14%)にも上っており、いかに例をみないほどの強風だったかが伺えル状況となっています。また路地作物(小ねぎ等)は軒並み倒伏してしまっています。

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