ニュース

東日本大震災から9年

東日本大震災から9年。地震発生時刻14時46分に日本、中国、ベトナム、スリランカ、多国籍の従業員が集合し黙祷いたしました。

東日本大震災

9年を経ても記憶は風化せず、一人ひとりの心に残っています。

当時、まつのではいち早く高速道路の通行許可を取得し、震災6日後の3月17日午前5時に2トン車2台でまつの関東流通センターを出発。救援物資を満載に仙台の協力会社のもとへ駆けつけました。22日に第二便、24日には第三便。

東日本大震災

従業員には被災地の出身者も複数おり、実家の100メートル手前まで津波が来たという人も。ご家族の安否を確かめ物資を直接届けられるよう、派遣隊に選抜し、現地に着いた本人から携帯に届いた報告メールは、本文はなく件名のみ。

「お母さんは 無事でした」

よかったと安堵すると同時に、変わり果てた故郷の状況を目の当たりにした気持ちを思うと返す言葉が見つかりませんでした。

緊急対応を指揮した役員、自らハンドルを握り被災地へ向かった役員、今はまつのを卒業生した幹部メンバーは、心に残る光景をこう語ります。

・・・

「この状況では野菜は売れないでしょう」と、いつもなら野菜を積むスペースに数々の救援物資を載せて送り届けてくれた産地のみなさんの心配り。使い切れない程の物資が届き、仙台にそれを送り届けることが出来た。産地、業界内での絆を感じた瞬間だった。

東日本大震災

・・・

現地の方たちの「食」を確保したいという意向で、いち早く東北エリアの店舗営業を再開したモスバーガー。担当する仙台の弊社協力会社も被災し稼働できない状況のなか「まつのさんが出荷してください」と本部から頼りにしていただき、まつのでのピッキングとモス本部の物流の連携で、東北の各店まで届けた。信頼に応えたいという思いと、責任の重さを感じた。

・・・

大田市場では、行き場を失った野菜が市場の外周道路も埋め尽くしていた。徐々に傷んでいく光景に多くの生産者たちの顔がよぎった。

・・・

福島第一原発事故の影響で「日本は危ないから帰国するように」と親御さんにいわれ辞めていく中国人アルバイトが多数。業務が立ち行かない心配のなか、「私たちは親不孝かもしれないが、日本で恩を受けた会社に恩返しをしたい」と家族を説得し、残ってくれたアルバイトたち。そして、通常業務の傍らピッキングを手伝ってくれた社員のみなさんの心意気。今も忘れない。

・・・

トラックは2トンで行き正解でした。様々な物が倒れ、壊れ、道幅が狭くなっていたので4トンではダメ。被災地に向かう道中、震災直後にも関わらず高速道路が繋ぎ合わせではあるが、きちんと直っていた事に感動しました。

東日本大震災

・・・

モスバーガーやロクシタンカフェからお預かりした支援のスイーツや食材。被災地では、食べること、眠ること、生きるための最低限のことで過ごすなか、お届けした避難所のスタッフの方は「嬉しい」と笑顔に。甘い物は気持ちを温かくするんだな。と感じました。

・・・

物資をお届けしたところでは、悲しい顔、暗い顔を見せる方、弱音を吐く方は誰一人いなかった。辛く大変なはずなのに。「ありがとう、がんばります」「みんなが大変な時だから」と。逆に私たちを気遣ってくださるその姿は、凛としていた。日本人の魂がそうさせているのか?

東日本大震災

自分さえ良ければいいなんて人はいなくて、大変なのに人の事も考える事ができる。日本人が誇らしくみえた。

・・・

物資は、先読みをすることが本当に大切だと思いました。何があっても、無駄なく使えるように。灯油だけではなく、ストーブ本体を持っていったこと。ガスのカートリッジだけじゃなく、ガスコンロ本体を持っていくこと。大変な時こそ冷静に。まつのの備蓄品も先読みをして、男女の性別にあわせて必要なものを買い揃えている。大切な事であると改めて認識した。

・・・

協力会社の方々の涙を見ました。不安と、悲しさと、安堵と、感謝と・・・沢山の感情が混ざった涙でした。そこでこれは現実なんだと、今さらながら理解したことを覚えています。そして、自分達も大変なのに届けた物資をすぐに他の人に分けにいく姿に、人の優しさと強さを見ました。

・・・

救援物資を届けるという任務を通じて、少しながらも被災地に足を踏み入れたことは、私と自然の脅威との距離を近くしました。物心両面において備えるとともにまず自分自身を守り、誰かのために動ける状態でいることが大切なことであると、今改めて思っています。まだ避難されている方もいる現実。被災地の方々が自分らしい生活を取り戻せる日が1日でも早く訪れることを祈り、自分が出来ることをやっていきたいと思います。

東日本大震災

・・・

現地での想像も出来ない光景が目に焼き付いています。交通網も一部遮断されていて、やっとの思いで到着した従業員の家族や協力会社様等へ物資をお届けしたときの笑顔が心に深く残っています。9年経っても完全復興には程遠い状況ですが、被災された方々へ心から復興を願っております。

・・・

改めて心に刻むのは弊社の使命です。

まつのには「食品を担う力」「物流を担う力」があります。

それはつまり、有事の際は支援の側にまわる役目があるということ。そして日々取り組む「5S」──整理・整頓・清掃・清潔・躾は常日頃の心の鍛錬にもつながり、有事に求められる迅速な行動の基礎になるのだということ。

今アジアだけでなく世界規模で新型コロナウィルスとの未曽有の闘いが続いています。経済への打撃は甚大ですがコロナの脅威には負けない。その覚悟で全社一丸となっております。どんなときも役目を果たせる組織であり続けられるよう業務の一つひとつを疎かにせず取り組んで参ります。

お知らせの最新記事