幸せ野菜ランチレポート

台風18号の落下梨を乾燥ベジフルに(2017年)

まつのクッキングプランナーの谷口恵里です。この度の台風18号により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

新潟県三条市で梨の栽培を手掛ける土田農園さんも、台風の暴風雨により年一度の収穫期を迎えようとしている梨が落下する被害にあわれました。なかでもダメージを受けたのは「新高」。10月中旬から出荷が始まる品種で、台風18号通過はまだ収穫3週間前。味を乗せる最後の期間を待たず、多くの果実が落下してしまいました。

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そこで落下した新高100kgを購入させていただき、乾燥ベジフルに加工しました。100kgの梨は約240個。並べると圧巻ですが、落下果実のほんの一部。園地の被害は計り知れません。
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落下によるアタリや傷

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収穫3週間前のため甘さと香りが通常よりも低く、生食でいただくにはサッパリとしすぎ、少し物足りなさもあります。

こんなときこそ、乾燥の出番!乾燥機の庫内10段フル稼働で、乾燥ベジフルにしました。
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傷みと果皮や芯を取り除き3ミリ厚にカット。
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ここでのポイントは、素早くカットして素早く並べること。梨は空気に触れるとすぐ茶色く変色するため、少しでも生の果実の美しい色を保てるよう切ってから乾燥開始までの時間を短くするようにします。
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1回の工程で約40個16kgの梨を乾燥、完成まで約24時間。乾燥前の約8分の1の重量になるため、1回約16kgの生の果実から約2kgの乾燥梨ができあがりました。

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もとは味がまだ乗らず物足りない印象の果実も、乾燥で水分が抜けることによって甘さや香りが凝縮され、コクのある味わいに仕上がりました。

今回の乾燥梨のように、生の果実としては販売に向かない味わいのものも、乾燥や冷凍などの手を加えることで濃厚な美味しさに生まれ変わります。

そうして付加価値を高めることもまつのの役目。もっと知恵を絞り、急な天候災害にも対応できる体制を整え、少しでも皆様のお役に立てられるように加工技術を磨かなくてはと思いを新たに致しました。

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