ベジフルサポータージャーナル

大阪府独りじゃ活きられへん!なにわの伝統野菜・三島独活

まつのベジフルサポーターレポート

大阪府のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエプロ
ベジフルフラワーアーティストプロフェッサーの
万ノ 記子(マンノノリコ)です。

『独活』・・・皆様なんと読むかご存じですか?
あまり見かけることがない漢字。こちらは『うど』と読みます。

代々続く栽培農家により、江戸時代から引き継がれてきたなにわの伝統野菜『三島独活』。伝統農法で人が寄り添うように手間暇かけて栽培されてきた『三島独活』の栽培農家さんも、とうとう最後の一軒となってしまいました。今回は、伝統を絶やしてはいけないと一念発起し、最後の生産者さんから伝統農法を引き継いだ若いご夫婦が育てる『三島独活』をご紹介いたします。

大阪府の北部・茨木市千提寺は隠れキリシタンの村としても歴史的に有名な地域です。歴史ある地域で、ひと・自然・伝統といった大切なものを引き継いで2014年から『三島独活』を栽培されている中井優紀さんと中井大介さんご夫婦の千提寺ファームを訪問しました。
なにわの伝統野菜である『三島独活』の復興を胸に、単に「モノ」を売るのではなく「想い」も売る農業として新たな農業経営のあり方を確立されています。
長年『三島独活』を栽培されてきた師匠 後藤一雄さんから伝統農法と細やかな技術を受け継いで、干草や藁で作られた独活小屋の準備から始められました。

小屋の中は光が遮断され、電球の明かりで幻想的な風景が広がっています。

独活は大きく「山独活」と「軟白独活」の2種類に分けられ、『三島独活』は軟白独活の一種。 他の地域の軟白独活と大きく異なるのは、品種と手間のかかる栽培方法。
『三島独活』の 品種は千提寺地域で代々守られてきており、特に色が白い品種だそうです。

そして特筆すべきは栽培方法。独活小屋の中で何層にも敷詰められた藁と干草。その発酵熱を使って育てられますが、その温度管理には高い技術が必要となります。発酵熱によって土を温め、春のような暖かい空間をつくり、発酵が終わる頃には独活自身が成長するエネルギーで熱が発生し独活小屋内の温度を保ち独活が育てられます。 

温度計で独活床の温度を測り、調節は全て手作業。生産者である中井さんの感覚が全てで一番上の層に隙間を作ったり藁をひっくり返したりして温度・湿度が調整されます。手間のかかる伝統農法ですが、この微妙な温度調節こそがみずみずしくて美味しい『三島独活』を育てるのです。

7層に積み上げられた藁と干し草を押し上げ育った『三島独活』は、ストレスをかけられることで甘くなり香りも強くなります。発芽促進剤は使用せず、細く美しく伸びやかに育つように時間をかけて栽培しています。
また光を遮断し外気に接しないため、真っ白で柔らかく、みずみずしくなり「春の梨」と例えられるほどだそうです。収穫ももちろん手作業で行われます。

三島独活は他の独活と比較し 「白い、香りが強い、甘い、みずみずしい、アクが少ない」という特徴があると言われています。
アクが少ないので生で食べると風味が引き立ち格別の味わい。薄く皮をむき、さっと水にさらして塩をつけて食べるのがおススメだそうです。
また、炒めたり煮たりすると食感が変わり、色々な料理法で味わいを楽しむことができます。
どんな素材とも相性がよく、特に味噌や醤油の調味料とよく合います。

露地ではもうすでに来年に向けて『三島独活』の新芽が育てられています。栽培には1年を要し、春夏秋冬ずっと手間がかかりますが収穫は1年に1度で、2月下旬から3月下旬頃のみ。
80歳にもなる三島独活の最後の生産者である師匠 後藤一雄さんから伝統農法を忠実に受継ぎ、次世代になにわの伝統野菜である『三島独活』と農業を継承していく中井さんご夫婦。お二人は地域のみんなの応援に支えられ『三島独活』を栽培しているのだと仰っていました。

もともと独活(うど)は自生するため『独りで活きる』という意味からこう書かれてきました。けれど、『三島独活』は決して独りで育つことはなく、高い技術と手間暇をかけられて生産者と共に活かされているのです。

途絶えそうになっていた、なにわの伝統野菜である『三島独活』を守り、語り、次世代に継承していきたい…生産者さんの熱い想いを聴いて私も応援したいと心から思いました。

三島独活ホームページはこちら→大阪・千提寺farm.

大阪府のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエプロ
ベジフルフラワーアーティストプロフェッサーの
万ノ 記子(マンノノリコ)でした。   

大阪府の記事