まつのベジタブルガーデン

滋賀県「近江の茶」荒茶の製造工程と生茶葉料理【後編】

まつのベジフルサポーターレポート

皆様こんにちは。滋賀県のまつのベジフルサポータ―、野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザーの辻川育子です。今日は近江の茶の〈後編〉です。

摘み取った茶葉は呼吸をしています。素早い熱処理と、その後繰り返される揉みによって、お茶の品質が大きく左右されます。さっそく荒茶づくりの工程を見ていきましょう。
(1)今年初の新茶の生葉が届きました。(茶業指導所)
こちら↓は、乗用型摘採機で摘採された茶葉がトラックで運ばれてきました(グリーンティ土山)。

(2)摘採した生葉は「送風・加熱」で発酵による生葉の品質劣化を防ぎ、鮮度維持のため水分の保持と呼吸熱の低下を図ります。

(3)「蒸熱」蒸気でまんべんなく蒸します。20~30秒で蒸されてきました。蒸された茶葉の香りと手触りで出来具合を確認されています。(茶業指導所)

蒸された茶葉の見た目はこんな感じです。私も香りをかがせていただきました。青菜を茹でた時のような爽やかな香りです。

(4)「冷却」では茶葉の色沢・香味の保持をはかります。
(5)「葉うち」約20分かけて乾燥した熱風を送り込み茶葉の表面の蒸し露を取り除いて、大雑把に乾かします。

(6)「粗揉」グリーンティ土山では、2段階で乾燥した熱風を送りながら打圧を加え、ゆっくり揉んで水分をとばしていきます。粗揉後の茶葉がこちらです。

(7)揉捻

こちらは「揉捻機」(茶業作業所)。加熱せずに重み(圧力)を加えることで中の水分を出して揉みます。
(8)「中揉」

「中揉機」。主に茶葉の外側の水分をとっていきます。中を開けてみるとこのようになっています。

茶色い部分は竹でできています。竹が余分な水分をとってくれるのだそうです。
(9)「精揉」

「精揉機」で9割近く茶葉を乾燥させていきます。
(10)「乾燥」で茶葉の水分をさらに除いていくことで「荒茶」ができます。
「蒸し」→「荒茶」ができるまでに約4~5時間かかります。新茶は特に水分が多く時間がかかりますし、季節によって製造工程は少し変わります。荒茶はまだ製品価値の備わっていない状態です。荒茶を製品として完成させるために、茶問屋や専門店などで仕上げ加工が行われます。

後日、摘んだ新茶のお茶(仕上げ加工されたもの)を頂きました。

お茶のプロ(竹田さん)に淹れていただきました。ありがとうございます。

煎茶は70度程度に冷ました湯をいれ、ゆっくりと(2分くらい)浸出します。最後の一滴まで入れるのが大切です。新茶の青々とした爽やかさと旨みのあふれるお味でした。

お茶を淹れた後の茶葉です。まるで摘みたての新鮮な茶葉のようです。新茶ならではですね。この日も茶摘みをさせていただき、摘んだ生茶葉もいただきました。

綺麗な新鮮な茶葉は、おすすめの天ぷらにしてみました。

お茶の香りとほのかな苦みが爽やかです。塩をつけるだけでまるで抹茶塩をつけてるよう。

この時期の出会いもの、タケノコと合わせた天ぷらと、新玉ねぎ・桜えびと合わせたかき揚げ。なんとも贅沢な天ぷらになりました。

新茶葉をさっと湯がいて食べてみたら、まだ苦みが強かったので、細かく刻んでクッキー生地に入れて焼いてみました。

まったく苦みがなく、ほんのりお茶の香りがする美味しいクッキーになりました。頂いた新茶とともに幸せなおやつタイムです。

今回お世話になりました「農業組合法人グリーンティ土山」の代表理事・藤村春樹さん、竹田知裕さんをはじめ、皆様本当にありがとうございました。「グリーンティ土山」は、複数の日本茶インストラクターを有するスタッフが、全国荒茶審査審議技術会において全国1、2位となる受賞者がお茶をつくられていて、これまで数々の賞も受賞されています。

詳細はこちらを参照→グリーンティ土山 

お茶に含まれるカテキンには発がん抑制作用・成人病予防・老化防止・虫歯と口臭予防・食中毒の予防などの効果があると言われています。歴史あふれる近江のお茶をぜひ味わってみてください。
滋賀県のベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ベジフルビューティーアドバイザー辻川育子でした。

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