まつのベジタブルガーデン

高知県文旦は自然のべッドで美味しくなる!

野菜・果物品目レポート

みなさんこんにちは!高知県のまつののベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、食育マイスターの斉藤香織です

高知県の代表的な柑橘「文旦」はいまが収穫 真っ盛り!今年も大きくてつやつやの果実ができました。しかし文旦はすぐには食べません。しばらく『野埋け(のいけ)』という方法で貯蔵するのですが、なぜ『野埋け』が必要なのでしょうか?そしてその方法とは?四万十市竹島の「渡辺農園」さんで収穫をお手伝いしながらお話を聞きました。


文旦の収穫は大忙し!地元の人も作業に加わり、みなさんパチパチ手際良くハサミを動かしています。まず新枝が伸びたところから切り落とし再度ヘタの部分で二度切りをします。

ヘタが出ていると実を傷つけてしまうので、ギリギリのところを丁寧に切り落とします。


木の下には切り落とした部分がどんどん積もっていきます。


自分のカゴがいっぱいになったらコンテナに開け、コンテナがいっぱいになったら、園主の渡辺一朗さんが軽トラに積んでいきます。荷台がいっぱいになったら 軽トラはある場所へ移動します。園の一角には、むしろが敷き詰められていました。その上へコンテナの中の文旦をどんどん置いていきますそう、これは文旦の巨大な寝床!ここで文旦をしばらく寝かせるのです。むしろの上に次から次へと文旦を並べていく光景は圧巻です!そしててんこ盛りに盛った文旦の上に、穴あきポリフィルムを掛け、その上から藁をかければ、巨大な文旦のベットが完成です。

このベットで文旦が眠っている間には何が起こるのでしょうか?収穫したての文旦はまだ酸味がきつい。
ゆっくり寝かせることでこの酸味が抜け、果肉の食感もぷりっと良くなるといいますが、その他に注目するのは香り成分です。「土佐ブンタンの香りは少なくとも二百以上の化合物からなる。そのうち、芳香に寄与する最も特徴的な化合物はヌートカンである。この化合物は貯蔵中に著しく増加し、ブンタン独特の香りを増強する要因と成っている。」(高知新聞「研究室から」沢村正義 高知大学農学部教授)

香り成分「ヌートカン」これは実は文旦や文旦の交雑種のみに含まれる成分です。また「ヌートカン」にはエネルギー消費を増加させたり、内臓脂肪の蓄積を抑えるなどの効果があるとも言われていますが、寝かせることでこれが増加し、あの文旦独特の芳香になるのです。また果実にはそれぞれ保存に適した温度と湿度があります。文旦は寒さに弱く、また果皮の張りを保つためには湿度も必要です。むしろや藁が適度に通気性を保ち、断熱の役目もしてくれる。まさに文旦ベットは、自然の力を最大限に利用していると言えます。


休憩中にみなさんにお話を聞きました。一玉600gくらいある果実を収穫するのは重労働だということ。
収穫かごは重いし、手や肩や痛くなる。低いところの収穫では足腰にも負担がくる!なかなかの重労働です。では、文旦の一年の作業を振り返ってみましょう。3月から始まるのは剪定作業。よく果実に太陽が当たるように、イメージを描きながら枝を整えていきます。体だけでなく、頭も使う作業です

そのあとは受粉作業。文旦には小夏の花粉を付けていきます。ちょうどGWの暑い最中、汗だくでピンクに着色した花粉を付けていったことを思い出しました。

4
そして6月から夏にかけては摘果作業。輪っかを使ってサイズを見極め、いいものを残していきます渡辺農園さんは、文旦以外にも小夏、ゆず、温州ミカンなどの柑橘類を栽培しています。それぞれに対して、剪定や摘果を始めとした作業が必要なので、休む間がありません。秋の収穫時も順番に来ます。青ゆず、温州ミカン、そしてラストが文旦!大変な作業の数々を経て、今年も無事に文旦の収穫が終了しました。

仕事納めでカンパーイ!
一朗さんのりこさんご夫婦、一年間本当にお疲れ様でした!束の間ですがゆっくり休んでくださいね。そして私は、ベットの中の文旦が、美味しく追熟する日を心待ちにしています

「渡辺農園」の文旦の出荷は1月末から3月始めまで。(なくなり次第終了となります。)
一番の食べ頃は2月中旬ごろですが、高知のお客さんは出荷が始まると慌てて買って行くそうです。日持ちすることもありますが、高知県人って本当に文旦が好きなんですねー。爽やかな甘酸っぱさと独特の香りをみなさんもぜひ味わって下さい。

『渡辺農園』
高知県四万十市佐岡1120 
0880-35-3860(tel/fax)

高知県のまつののベジフルサポータ、野菜ソムリエ上級プロ 食育マイスターの斉藤香織でした。

高知県の記事