まつのベジタブルガーデン

岡山県果物の女王「マスカット・オブ・アレキサンドリア」

まつのベジフルサポーターレポート

みなさんこんにちは!東京都のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロの増田智子です。

夫の転勤で5年間を岡山県で過ごしたことから、すっかり岡山県の野菜・果物のファンになり『(自称)おやま応援団』として、今は東京から岡山の農産物の魅力を発信しています。

6月になりいよいよ岡山県の果物の季節・本番がやってまいりました。「マスカット・オブ・アレキサンドリア」全国のみなさまも名前は聞いたことがあるかと思います。岡山県の人や生産者さんは愛情込めて「アレキ」と呼びます。

果物王国の岡山県でも夏を代表する果実の一つです。生産量、栽培面積ともに全国一。ほぼ100%近くを岡山県で作っています。こちらを参照→岡山県HP
例年5月末に初出荷を迎え、8月末までハウス栽培のものが出回ります。そして9月ごろには露地ものも楽しめ、11月まで約半年間ほど食べることができます。

先日、出回り始めたばかりの「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の試食販売会イベントが行われ、私も高級フルーツ店など売り場に立たせていただきました。

一旦、人が集まり始めるとたくさんの方が手を伸ばしてくださいました。

お客様の反応は様々。よくご存知の方は食べていいの?とワクワクしながら。一方、初めて食べる方は口に含み、広がる甘さにびっくり。

 淡いエメラルドグリーンの透き通る粒。口に放り込めば、ふぁぁあーっと広がる香りで幸せいっぱいになります。この「高貴な香り」と「上品な甘さ」が最大の売りです。
「目をつぶって、口の中に広がる香りを感じてみてください」と声をかけますと
「甘~い!この何とも言えない風味!おいしい~!!」と、みなさまビックリして、とても素敵な笑顔になってくださいます。今年は天候が良く、出始めでもかなり甘さが乗っていていい出来だそうです。

原産地は北アフリカ・エジプトのあたり。地中海沿岸のアレキサンドリアの港から世界各地へ広がったことから「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の名前がついたといいます。そして日本にたどり着き、岡山県にて栽培が始まったのが明治19年。それから130年間、大事に守られて作られ続けています。

ブドウもイチゴも、様々な果物で新しい品種がどんどん生まれてくる中で、変わらずに作り続けられているのは…やはり、それだけ美味しくて、優秀で、人気があるからに他ならないと思います。
最近人気の「シャインマスカット」や「ルビーロマン」、「ピオーネ」「瀬戸ジャイアンツ」などもみんな先祖をたどると「アレキ」に行き当たります。

お客様には「皮ごと食べてみてくださいね。種がありますので種はお出しください」と声をかけますと
「え~!種があるの?ダメダメ!種アリは食べにくいから」
そんな風に言われてしまうこともありました。しかし、この種があるからこそ!命が繋がり、新しい品種も生み出されます。
一粒引き抜くと現れる長い繊維は「果芯」と言って人間でいうとへその緒。根から種までずっとつながって、次の命を育てているんですね。本来、種があるブドウの種を無くすためには、ジベレリンなどホルモン処理を行う必要があります。植物が自分自身で作る成長ホルモンを与えるので、人間はもちろん植物にとっても害はないのですが、ブドウ特有の香りは少なくなってしまいます。

種は必要なものですが、やっぱり食べるときにかじってしまうと苦みもあるので、大人も種を取ってからじっくり味わって食べてみるのもいいかも知れませんね。(ブドウは種を遠くに運んでもらうためにおいしい実をつけますが、種まで全部食べられてしまうと生き残れないので種には苦味があるんです!)
 
そのことをお話しすると、みなさま納得してアレキの香りとおいしさを感じてくださっていました。小さなお子さんがいらっしゃるお家では縦半分に切って種を取り除いていただくと食べやすいと思います。
 
おススメの食べ方は、氷水で半身浴5分!

 冷えすぎるとアレキならではの素晴らしい香りが閉じ込められ、感じにくくなってしまうので、この方法がおすすめです。
食べ方はサラダに?デザートに?もちろんいろいろな活用法があると思いますが、まずはしっかりと味わっていただきたいです。目を閉じて全神経を口の中に集中して!じっくりと味わってみてください。
 他のブドウにはないさすが!果物の女王「マスカット・オブ・アレキサンドリア」。一度食べていただければファンになっていただけること間違いなしです!

 岡山県民、特にブドウ生産者の方にはアレキへの想い入れは強く、ほかの品種を栽培していてもやはり、味は何と言ってもアレキが一番。他のものには変えられない。とおっしゃいます。

以前に野菜ソムリエコミュニティー岡山のイベントでブドウ食べ比べ勉強会がありましたが、その時も20種類ものブドウが並ぶ中で「アレキ」は1番と2番に並べられてました。(人気順位ではなく、まずは!アレキから並べようということ)

私にとっても、アレキはやはりナンバーワン!のブドウです。みなさま、これを味わわずに夏を過ごすなんて本当にもったいないですよ!今はまだ出始めで少々お高めですが、これからたくさん出回るようになってきて、少しずつ手に入れやすくなってきます。栽培の難しさや生産者の高齢化などもあって、岡山県でも生産量は徐々に減少中のアレキ。お目に留まったときはぜひ手に取ってみてください。
 
今は東京在住なのでなかなか圃場にも行けませんが…東京からアレキの実るぶどう棚に想いを寄せて、夏を楽しみにしている私です。東京都のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・(自称)おかやま応援団の増田智子でした。

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