まつのベジタブルガーデン

兵庫県都市型農業を支えるファーマーズマーケット

まつのベジフルサポーターレポート

兵庫県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
フードライターの坂田理恵です。

兵庫県南部地域は、大都市近郊に位置し、人口密集地であり、消費地が近いという地の利を生かした都市型農業が行われています。都市型農業は、新鮮な農産物を地域の人々に届ける、という役割の他に、災害時に農地を活用し、避難場所や仮設住宅用地として利用できるように備えられています。そんな都市の農業を支える施設のひとつがファーマーズマーケット。今月は、JA兵庫六甲様が運営する兵庫県伊丹市の農産物直売所、スマイル阪神をお訪ねして、マーケットの様子をレポートします。
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兵庫県南部地域の尼崎市、伊丹市、川西市、宝塚市、西宮市、芦屋市、神戸市、三田市、猪名川町で栽培されている農産物が集結し、その日の朝に収穫された、新鮮な野菜や果物を販売するファーマーズマーケット。近隣の農家さんの販売拠点として、大きな役割を担っています。
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スマイル阪神の所在地でもある伊丹市や尼崎市、宝塚市、西宮市、川西市からは、朝一番に直接農家さんが商品を持ち寄り、9時30分の開店と同時に大勢のお客様が新鮮な野菜や果物を求めて集まります。
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11時30分頃には、神戸市、三田市、猪名川町からも商品が到着し、午後からも品揃え豊富にお客様をお迎えしています。地域内で栽培された野菜や果物、お米、植木や苗木、花など販売や、料理教室、加工研修室などのスペースもあり、生産者と地域住民との交流も活発に行われているようです。
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兵庫県南部地域は平成7年(1995年)阪神淡路大震災による甚大な被害を受け、復興までに多くの時間を要しました。その経験を踏まえ、災害発生時に農家の所有する農地を、避難場所や仮設住宅建設用地などに利用する協定を、自治体と農家などが自主的に締結する取り組みも行われているとのこと。農業人口の高齢化が進み、働き手や農地も減少傾向にありますが、新鮮な農産物を地域住民に届ける他にも、自然環境を守ったり、災害時に備えたり、農業にもいろいろな役割があるのですね
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軟弱野菜に分類される、ねぎや小松菜、春菊は県内シェアの40%近くを占めるほど、栽培がさかんに行われています。(ひょうご都市農業支援センター資料より) 売り場の様子を見てみると、葉物野菜が潤沢に並べられていました。
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新鮮野菜の他にも、農産物の加工品など六次産業化の商品も充実しています。川西市では特産品のいちじくを使ったさまざまな加工品も生産されていて、人気の商品になっています。店内には、エリア内の特産品やお肉、お惣菜なども並べられ、品揃えも豊富。
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ちょうど今の季節においしい野菜を、いくつか購入してきました。関西地域では、ゴールデンウィーク前後に市場に出回るこごみも発見。
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ほたるいかと一緒にパスタにしました。味付けはごくシンプルに。オリーブオイルに大葉とにんにく、日本酒に塩少々で、ほたるいかの旨味を引き出して、こごみをおいしくいただきました。大葉もにんにくも、こちらで購入。
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ツタンカーメンもありました。古代エジプトのツタンカーメン王の数ある副葬品の中から発見され、それを発芽させて栽培に成功したもので紫色のさやがとても色鮮やかです。外側は紫ですが、中の豆はグリーン。外見と中身のギャップに驚かされます。
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紫色はポリフェノールの一種ですが、加熱すると色が抜けてしまいます。でも、不思議なことに、豆を取り出して炊き込みご飯にすると、ごはんがうっすらと色づき、お赤飯のようにピンク色になるのです。ファーマーズマーケットで、レシピや食べ方も教えていただいて私もさっそく挑戦してみたら、ほんのりピンク色のごはんが完成!炊きあがった直後は通常の豆ごはんなのですが、炊飯器で数時間保温すると見事なピンク色になるので、塩少々を加えて炊いてみてくださいね。
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新じゃがと新たまねぎは、ゴロッと大きくカットして肉じゃがに。新じゃがは皮がやわらかいのでよく洗い、いったん茹でてまるごと全部いただきます。新たまねぎも大きく1/4にカットして、鍋底にぎっしり詰めて、煮くずれを防ぎながらじっくり甘味を引き出していきます。関西では肉じゃが、といえば牛肉を使うのが一般的なんですよ。地域によっては豚肉を使うところもあるようですね。
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ししとうは、常備菜のマリネにも活用できて、しかもおいしいですよ。フライパンで軽く焼き目をつけたししとう、ボイルしたたこ、トマトをオリーブオイル、お酢、にんにく、アンチョビ、そしてドライトマトと
一緒に入れて、冷蔵庫で数時間。手軽で簡単なマリネができました。

地域の農業を地産地消で支えながら減少傾向にある農地維持にも貢献し、おいしくて楽しい食生活を送っていきたいですね。

スマイル阪神は、朝9時30分~17時まで営業。毎週木曜日定休です。
ホームページはこちらへ↓
http://www.jarokko.or.jp/Sol/Shops/Sumairu/index.htm

近隣のみなさま、新鮮な野菜や果物、お米、加工品など、地域の特産品をぜひ活用してみてくださいね。

兵庫県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
フードライターの坂田理恵でした。

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