まつのベジタブルガーデン

京都府京の伝統野菜「伏見甘長とうがらし」で暑い夏を乗り切る!

野菜・果物品目レポート

京都府のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、メンタルフードマイスター2級の澤井真佐代です。

この度の記録的な大雨により被害を受けられた皆様には、心からお見舞い申し上げます。今回のレポートの「伏見甘長とうがらし」も影響を受けておりますが、応援の気持ちを込めて、ご紹介させていただきます。1日も早い復興と、すべての方々に穏やかな日々が早く訪れることを心から願っています。
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爽やかな季節から梅雨へ、そして暑い夏へと向かっていきますが、気候が変化していくなかで毎日の食事はとても大切です。今回は京都の伝統野菜の一つとして親しまれている「伏見甘長とうがらし」を紹介します。

「伏見甘長とうがらし」は、「伏見」と名の付く通り、古くは伏見地区を中心に栽培されていましたが、今では京都府内で広く栽培されています。ご覧の通り細身なので、「ひもとう」や「伏見甘長」、「伏見とうがらし」とも呼ばれています。

辛味の無い品種ですが、たまに驚くほど辛いものが混じることもあります。それは、栽培の環境や時期、辛み種との自然交配などに関わりがあるようです。大きさは果長15センチほど。5月から9月頃まで長い期間食べることができます。

選ぶ際は、緑色でツヤがあり、しっかりしているものがよいでしょう。冷凍での保存は低温障害をおこして傷みやすく、カロテンも減ってしまうので、乾燥しないようにナイロンやポリ袋に入れて野菜室で保存し、2、3日で消費しましょう。

それでは、早速「伏見甘長とうがらし」を使った料理をご紹介します。
「伏見甘長とうがらしとジャコの炒めたん」
伏見甘長とうがらし、ちりめんじゃこを油で炒め、酒、みりん、醤油、で味付けした定番料理。

「伏見甘長とうがらしのサッと炒めおかかのせ」

伏見甘長とうがらしを油でサッと炒めて醤油を適量入れ、器に盛り、鰹節をのせた料理。

「伏見甘長とうがらしの肉巻き」

お弁当の作り置きおかずとして、伏見甘長とうがらしを塩コショウした豚バラ肉で巻き、焼きました。ビタミンB1を含む豚肉を使うことで美味しさも栄養価もさらにアップします。

「伏見甘長とうがらし揚げ出し豆腐に添えて」
赤いパプリカと伏見甘長とうがらしのグリーンがとてもきれいな一品ができあがります。

実が販売される少し前に販売される葉の部分は「きごしょう」と呼ばれ、ジャコなどと煮物にしたり、甘辛く佃煮にしておばんざいの一品として食べる風習があります。
葉を洗い、枝から外します。葉を熱湯でサッと茹で、しっかり水気を切ります。鍋にとうがらしの葉、小口切りにした伏見甘長とうがらし(2、3本分)、醤油、みりんを入れ火にかけます。弱火でほぐしながら煮詰めれば、「きごしょうの佃煮」のできあがりです。
京都の野菜は手に入らないという方も、「甘長ピーマン」「甘長とうがらし」はいくつかの品種があり、各地で伏見とうがらしの系統も栽培されています。各地で栽培されているものはその地域独特の名称で流通しています。例えば、岐阜県JAにしみの管内でつくられた伏見甘長とうがらしは「甘長ピーマン」という商品名で出荷されています。

「伏見甘長とうがらし」の系統の野菜は各地に流通していますので、ぜひ味わっていただきたいとです。

「伏見甘長とうがらし」は風邪の予防や疲労回復、肌荒れなどに効果のあるといわれているビタミンCや動脈硬化、心筋梗塞などの生活習慣病予防や美肌を保つためにも大切な栄養素のビタミンEが含まれています。体内でビタミンAになるβカロテン(髪の毛の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、喉や肺などの呼吸器系統を守る働きがあるといわれています)も含まれています。

ますます暑くなり、ついつい喉ごしの良い食べ物が多くなってきますが、その時期の野菜や果物をしっかり食べることが、次の季節を乗り越える身体づくりにつながります。今年の夏も猛暑といわれています。京都の夏野菜のひとつ「伏見甘長とうがらし」を食べて暑い夏を元気にのりきり、次の季節のパワーにつなげましょう。

京都府まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、メンタルフードマイスター2級の澤井真佐代でした。

参考記事:「フーズリンク」

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