ベジフルサポータージャーナル

石川県加賀野菜『金沢春菊』進化し続ける伝統野菜!

まつのベジフルサポーターレポート

皆さまこんにちは 石川県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの本田智世です。

かつては「ツマジロ(端白)」とも呼ばれていた大葉種の加賀野菜の『金沢春菊』をご紹介いたします。葉の切れ込みが浅く、先端が丸く裏にカールしたような形、葉に厚みがあり柔らかな食感とクセがなく上品な香りが特徴です。
お鍋はもちろん、お浸しや和え物にはかかせませんが、生で食べるとうま味の後にほんのり春菊の爽やかな香りが広がります。加熱しなくても食べられるほど柔らかいんですよ。
加賀野菜とは、昭和20年以前から金沢近郊で栽培されている伝統野菜で現在15品目認定されています。

2016年12月 野菜ソムリエサミットで銀賞を受賞した金沢春菊を育てていらっしゃる「theACふぁ~む」佐川晃さんの圃場に伺いお話を聞かせていただきました。佐川さんは農業大学校を卒業し、金沢春菊の美味しさに魅了され金沢市粟ヶ崎町で栽培を始められました。

金沢春菊は、生育が早く収穫量も多いが暑さや寒さに弱く、発芽率が低い、栽培管理がとても難しい野菜です。そのため近年は店頭で見かけることが少なくなっていました。現在の生産者は3名ほどです。「作る人が少ないのはとても手間のかかる野菜だからではないでしょうか」とおっしゃっていました。


佐川さんは砂地での金沢春菊作りに果敢にチャレンジされています。砂地は湿度が上がらないので病気になりにくく、連作障害もあまりない。困るのは虫、とくにハモグリバエだそうです。

栽培適温は気温15℃~20℃くらいで、15℃以下だと成長はゆるやかになります。寒い今の時期は、夜間ハウス内の温度が下がりすぎないようストーブを点けています。また、気温30℃以上になると、くたっとなってしまいます。地中海沿岸原産の春菊は日当たりよく涼しい乾燥した気候を好むので、水はけが良く風通しの良い環境で栽培することが病気を抑制するポイントだそうです。

一番大変なのは発芽!自家採取している種の発芽率は3~4割程という金沢春菊は種が発芽するときに光によって発芽が促進される、光を好む好光性種子。土作りはもちろん、種を蒔くときにも土を厚くかけすぎないよう土のかけ方や水やりを工夫されています。

きれいな葉で出荷する為に、葉に直接水をかけない灌水チューブを設置し水の管理をされています。肥料も科学肥料は蓚酸(苦みやえぐみ)となる事があるので、有機肥料をメインにし追肥する時も液肥にして葉に直接かからないよう工夫しています。金沢春菊の特徴である爽やかな香り、ふわふわで葉に厚みがあり、歯ごたえのあるものを目指して作っていらっしゃいます。

春先、秋先が一番伸び香りも良く美味しいそうです。丈が短く個性豊かな金沢春菊は、固定種なので個体差のバラつきがあるので、収穫する際に一つ一つ成長の様子を見ながら手作業で丁寧に行い、雑草も手でとります。

1株で真ん中1回、2本残して後は切る。2回とって良いのがあればもう1回。良ければ3回収穫できるそうです。

小さな脇芽はベビーリーフとしてとても喜ばれています。

サラダにぴったりの金沢春菊。「実るプロジェクト」で田中先生に教えていただいたナンプラーを効かせた食欲をそそる一皿にしてみました。

佐川さんのお勧め、焼き肉を巻いていただきます。お肉の油との相性が良く、甘味も感じ、爽やかな後味でいくらでも食べられます。

金沢春菊の名前を知ってもらいたい!

今は部会を作り皆で協力し、より美味しくなるよう頑張っています。レジェンド的な生産者の方がいらっしゃらないので、伝統野菜だが新しい。自分達が作っていく!という想いだそうです。良い種を採り伝統を繋いでいく。優しい佐川さんから強い覚悟を感じました。

石川県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの本田智世でした。

 

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