まつのベジタブルガーデン

熊本県恵方巻きは有明産の河内海苔で!

伝統野菜・食文化

熊本県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美です。

2月3日は「節分」ですね。みなさんの地域では、どのような恵方巻きを食べますか?熊本では中の具よりも、全体を包んでいる海苔が有名です。

その中でも、約6mの干満の差がある有明海で作られる「河内海苔」は、柔らかくとろけるような食感です。今回は、熊本特産の河内海苔と恵方巻きをご紹介いたします。

熊本市河内町は温州みかんなどの柑橘類が有名な産地です。

山を下ると有明海が広がる港町。河内漁業協同組合の友田清文さんの海苔工場を訪ねました。

海苔は有明海から船で引き上げ、タンクに入れて撹拌します。

1時間で約5,500枚分の海苔を撹拌するそう。磯の香りが部屋中に行き渡ります。次の工程では、海苔に付いている不純物を取り除きます。

そして固まっている海苔を切断します。

熟成機で塩分を取り除きます。

海水の温度が上昇しているせいで、海苔の質にも変化が見られるそう。この日は大阪や広島でも大雪が降る寒い日でしたが、海苔の生育環境において、今の海水温は異常に暖かく、ここにも温暖化の影響がありました。

その後、海苔の濃度や厚みを調合します。

いよいよ板海苔の形に成形。ベルトコンベアーで一枚の海苔となって現れます。

海苔は乾燥され、機械で運ばれ…

束にされます。

特級品やB級品に分けられ、

板海苔として加工業者に出荷し、焼き海苔や味付け海苔、佃煮などに加工されるのです。

河内海苔は真っ黒で光沢があり、磯の香りが濃厚で、まろやかな味わいです。

その河内海苔を炙った焼き海苔は濃緑色へと変化し、より一層香り高く、パリッとした食感に。どちらも店頭販売されており、メニューによって使い分けるとおいしくいただけます。
(左が焼き海苔、右が板海苔)

板海苔は太巻き、軍艦巻き、佃煮、天ぷら。焼き海苔はサラダ巻き、手巻きに。では、おにぎりはどちらが合うでしょうか?できたてにすぐに巻きたい方は板海苔を、海苔を後から巻いて食感を味わいたい方は焼き海苔がオススメです。

河内漁業協同組合 http://jfkawati.com

それでは、板海苔、焼き海苔を使い分けた恵方巻きをご紹介します。

☆野菜巻き☆

野菜なので焼き海苔を使用。白菜を巻きカラフル根菜を乗せ、ショウガ醤油でいただきます。具はしいたけやニンジンに加え、熊本名物「南関あげ」を入れて、郷土ならではの恵方巻きです。

☆飾り寿司☆

節分は立春の前日なので、一足早く春の雰囲気で。こちらは板海苔です。

☆韓国太巻きキンパプ☆

ちょっと変わり種!オーソドックスな恵方巻きに加え、キムチの入った韓国のキンパプを板海苔でいかがでしょう?

寒さ厳しい毎日ですが、鬼は外!福は内!恵方巻きは口!で、元気にお過ごし下さい。

熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美でした。

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