まつのベジタブルガーデン

長野県初冬の風物詩「野沢菜漬け」

伝統野菜・食文化
みなさま、こんにちは。
長野県のまつのベジフルサポーターアクティブ野菜ソムリエの戸谷澄子です。
干し柿が軒を飾り半月もすると信州では野沢菜漬けが始まります。
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信州の「野沢菜漬け」は、「広島菜漬」「高菜漬け」とならび、日本三大菜漬のひとつとされています。各家庭により味が違うのも特徴です。 生まれも育ちも信州のわたし。子供の頃からこの時期になると、家族総出で野沢菜を収穫し、お菜(野沢菜)洗いをし、祖母や母が我が家の味で樽に漬け込むのを見てきました。
今回は、私の曾祖母の代から伝わる我が家の「野沢菜漬け」をご紹介したいと思います。
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野沢菜は長さ80センチほどの大きさにまで成長します。地元では、霜に2~3回あたるとやわらかく美味しくなると言われ雪が降り葉がしなっても同様です。
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そのため、11月の中旬~下旬にかけて収穫が最盛期を迎えます。県内各地の道の駅や直売所では野沢菜を買い求める人たちで大賑わい。農家さんが店頭に並べた端から飛ぶように売れていきます。
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さあ、我が家も、野沢菜漬け開始!まずは、お菜(野沢菜)洗いです。
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たっぷりの水に浸けて洗い、土や枯葉などのごみを取り除きます。温泉が湧き出る地域では、温泉の湯で洗っています。株の大きさごとに仕分けて水切りしていきます。

次は、漬け込みです。大きい株から漬けていきます。葉の部分も切り落とさず漬けると美味しく仕上がります。
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桶に ぎっしり隙間なく並べ、1段ずつ塩を多めに振り、2段目からは株と葉が反対になるよう向きを変えて漬け込んでいきます。この時、野沢菜が平らになるよう敷き詰めていくことがポイントです。
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上まで積み上げたら、重石をし桶の2/3の高さまで水を張ります。

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このまま、一晩おきます・・・。

翌朝・・・。
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上まで水がつき、野沢菜はしんなりと、カサは約3/4ほどになりました。そして、この野沢菜を桶から出し、またもう一度よく洗い水を切ってから本仕込みに移ります。

今度は1段ずつ薄塩で塩をふり、さらに赤唐辛子、干した柿の皮を加え、前回と同じ要領で漬け込んでいきます。赤唐辛子は辛みと殺菌のため、柿の皮は甘味をつけるために入れます。
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上段まで漬け込んだら最後に、しょうゆ・酒・酢・ざらめ少々を混ぜ合わせた漬けタレをまわしかけ重石をし漬け込みます。約3週間もすると、美味しい野沢菜漬けの完成です。

野沢菜はアブラナ科アブラナ属

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今から約250年ほど前・・・野沢温泉のとあるお寺の住職が京都学遊の際、大阪や京都で名産の天王寺蕪の種を持ち帰り撒いたところ、蕪は小さく葉が大きい、天王寺蕪とは違ったものが育ちました。野沢温泉は積雪量の多い高冷地です。温暖な西国育ちの天王寺蕪はすっかり突然変異をおこし、野沢菜が誕生した、といういい伝えがあります。
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ただし、現代の遺伝子の研究では、天王寺蕪の子孫ではなく、シベリア経由で入ってきた耐寒性に優れる西洋系の一種と見られています。野沢菜には豊富なカリウムが含まれ、余分な塩分を体外に排出したり、むくみを解消する効果があると言われています。また、βカロテンも豊富に含まれており、これは漬物にしても残っています。活性酸素を抑え、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守る働きのほか、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きもあると言われています。

野沢菜は浅漬けもよし、少し時間が経ち、べっこう色で酸味が利いた本漬けもよし、さらに、それを炒め煮にしてもよし 。時間と共に、味も楽しみ方も変わります。
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信州の食卓に欠かせない家庭の味
我が家の野沢菜漬けも、暮れには美味しく仕上がる予定。今から楽しみです。

長野県まつのベジフルサポーター
アクティブ野菜ソムリエの 戸谷澄子でした。

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