まつのベジタブルガーデン

山形県とろける!ワインカラーの平田赤ねぎ

伝統野菜・食文化

こんにちは。
山形県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、アスリートフードマイスター3級
鐙谷貴子です。

こちら山形県は紅葉の木々の葉も散り、雪予報が気になるこの頃です。雪囲い、車タイヤ交換など、すっかり冬支度の準備に追われています。そんな朝晩の寒さで、美味しく鮮やかなねぎがあります。ワインカラーの赤紫の色のねぎ。それが「平田赤ねぎ」です。

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平田赤ねぎは山形県を流れる最上川の河口の酒田市から10kmさかのぼった酒田市平田飛鳥地区に伝承された在来野菜の一つです。最上川の堤防下にこの赤ねぎの畑が広がっています。この畑の土は川が運んできた赤茶色の豊かな堆積土壌。赤ねぎは、根深ねぎで、葉の地上部は濃緑色で土の下の部分は上1/3が白色で、その下は赤紫色のワインカラーに着色しています。

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平田赤ねぎ生産組合長の石川巌さんを訪ねました。

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このねぎの特徴は生では辛みが強いですが、加熱すると甘くなり、香りを放ち、トロケル食感になります。

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「平田赤ねぎ」は2006年に地域団体商標として認定されました。平田赤ねぎが伝来したのは江戸時代末期に北前船を利用する上方商人の船乗りがこの地域の船着き場に立ちより、湧水を飲ませてもらったお礼にと赤ねぎの種子を置いていったのが始まりという説もあります。当時ねぎといえば薬用にも用いられる貴重品。大事に自家採取されて守り続けられていました。冬が長いこの地方では越冬野菜として栽培していました。

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しかし、この赤ねぎが周辺に広がらなかったのは土壌条件が変わると品質の良い赤ねぎが作れなかったためだと推測されています。現在、生産組合員は6名に減ってしまいました。寂しいことに高齢化の波がここにも来ていました。今年も10月末から収穫が始まりました。昔から、収穫の目安は鳥海山の初冠雪と白鳥の飛来と言われていたそうです。今年もそれを目安にそろそろかな?と掘り出すといいます。

通称「ガラスハウス」という作業場を訪ねました。

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車を降りた瞬間からねぎの香りがします。ねぎが大好きな私は、わくわくしてハウス内に一歩入りました。「ツーン」としたねぎの強い香り。数分後目までチカチカして来ます。外側の葉などを取り除いたり、グラム数を計ったり、袋に入れる作業が12月末位まで続くそうです。

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そして全国への出荷を待っています。

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「平田赤ねぎとセロリのピンクピクルス ざくろと柚子と」

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<材料>

  • 平田赤ねぎ・・・3本
  • セロリ・・・1本
  • ざくろ、柚子・・・飾りとしてあれば

●ピクルス液●

  • 水200cc
  • 米酢100cc
  • 赤ワイン15cc
  • 砂糖35g
  • 塩小1

<作り方>

  1. ねぎは長さ3cm幅に切る。セロリは1cm幅で斜め切り。
  2. 鍋にピクルス液、ねぎを入れて弱火で5分加熱して止める。
  3. 容器を煮沸消毒して、2.のねぎ1.のセロリを入れて液を入れて冷めたら冷蔵庫に入れる。
  4. 容器から出してざくろ、柚子を飾る。

この赤紫色が、鮮やかなピンク色に変わります。

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「平田赤ねぎの豚肉巻きまき」

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<材料>2人分

  • 平田赤ねぎ2本
  • 豚バラ肉150g
  • 塩こしょう・・適量
  • りんご・・・付け合わせとしてあれば

<作り方>

  1. ねぎは青い部分を切り落とし豚バラ肉を巻きつけ塩こしょうをする。
  2. フライパンに並べて水(分量外大2)入れてフタをする。水分がなくなったらフタを取り弱火でゆっくり焼く。
  3. 皿にもりつけ、りんごなどを添える。

「平田赤ねぎとカリフラワーの米粉グラタン」

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<材料>

  • 平田赤ねぎ2本
  • カリフラワー少々
  • 米粉大4
  • 豆乳400cc
  • ピザ用チーズ50g
  • バター20g
  • 塩コショウ適量

<作り方>

  1. ねぎは2cm幅に。カリフラワーは子房に分ける。
  2. フライパンにバターを入れて1.と塩コショウで炒める。
  3. 2.に米粉を入れてなじませ、豆乳を加え一煮立ちさせる。
  4. 器に移しチーズをかける。
  5. あらかじめ余熱していたオーブンに入れ。240度10分こんがり加熱する。

これから山形は寒い雪の冬に向かいます。それと同時に、この平田赤ねぎは色濃く甘くなっていきます。受け継がれて行く魅惑のねぎ。百貨店、スーパーなどで見かけましたらどうぞお手にお取りいただけると嬉しいです。

山形県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、アスリートフードマイスター3級、
鐙谷貴子でした。

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