ベジフルサポータージャーナル

活気あふれる春の韓国在来市場へ!「南山中央市場」

伝統野菜・食文化

韓国のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、食育マイスターのキム・ヨンウンです。

今回は春の訪れとともに一層活気のあふれる韓国の在来市場をご紹介します。韓国の春の野菜とお料理もお楽しみください。



韓国の在来市場は、百貨店やスーパーマーケットより価格が安くて新鮮で量も多いのが特徴です。お互いに挨拶をしたり、値段の駆け引きをするなどの交流もあり、庶民的で情を感じられます。東京の上野の「アメヤ横丁」と雰囲気が似てると思います。

私が今回訪問した「南山(ナムサン)中央市場」は、ソウルから車で1時間30分ほどの天安(チョンアン)にあります。1918年につくられ、今は中央市場・天日市場と合併し天安の代表的な在来市場となっています。

市場では農水畜産物、工産品、衣類などを販売。平日の昼間でも人が多く活気づいています。最近になってアーケードがつくられ、より清潔で快適な市場になりました。入口付近には精米所(精粉所)があり、米や穀類、乾いた唐辛子などを粉にしたり、胡麻、荏胡麻を炒って油を搾汁できます。

ちょうどごまを練っていて、ごま油の香ばしい匂いがしました。絞りたてのごま油を使ってナムルをつくったらどれだけ美味しいか…考えるだけで幸せな気分になりますね。

市場には四角形のメジュ(みそ麹)が目立ちます。メジュは豆をゆでてつぶしたのを固めてわらの上にのせ、2〜3日おいた後にまたわらで縛り、部屋の棚につけて醗酵・熟成させます。4、5月になると晴れて暖かい日にコチュジャンや味噌、醤油を作る人が買い求めます。


韓国の料理にはニンニクが多く使われます。使いやすいように皮むきのニンニクやおろしにんにく、ラッキョウ種子も売っています。 韓国語でデジパ(「豚の葱」という意味)と呼ばれるラッキョウの種子はとても珍しいもので、キムチに入れれば汁の味がさらに美味しくなるそう。

ニンニクの横には、麦芽粉(ヨッキルム)も売っていました。大麦を発芽させて乾燥させた粉でシッケやコチュジャン、甘酒を作ります。シッケは麦芽粉でお米を発酵させて作る韓国伝統飲料水で、日本の甘酒に似ていますが、甘酒は麹カビで米を発酵させるのに対し、麦芽で発酵させる点が異なります。ヨッキルムの成分によって、油の多い料理を食べた後に飲めば消化を助けるといわれています。韓国の家庭では、名節と呼ばれるお盆とお正月の時によく作る飲み物です。

それから、旬の野菜がずらりと並んでいる八百屋。

こちらはダレ(ヒメニラ)。

アリシンが豊富で、ピリッと辛い味と香りのダレは早春の山や野原で育ちますが、最近は需要が多くなり、ハウス栽培が行われ、一年中食べられる食材になりました。味が似ているネギとにんにくは酸性ですが、ダレは多量のカルシウムを含むアルカリ性。

ダレムチ厶(ヒメニラの和え物)は、酢、砂糖、唐辛子粉などを入れてやや辛めながらも甘酸っぱい味わい。焼き海苔にご飯をのせてこれを一緒に包んで食べれば…箸が止まりません!

こちらはヨモギ。

特有の香りをもつ精油成分「シネオール」は、体内の有害細菌の成長を抑制して免疫と解毒作用に優れた効果が期待できます。韓国でも一般的に餅に入れて利用することが多いのですが、春に採取した柔らかいヨモギはデンザンクック(味噌汁)で食べることも。 ヨモギの強い味がデンジャン(韓国味噌)で中和されて、さらにおいしく食べられます。

シラヤマギクです。

この時期には山で採取した香りの良いものが手に入ります。サム野菜として利用するほか、ナムル、汁物に入れても美味しいです。

早わらびです。

私はワラビが大好きで、懐かしい祖母の味でもあるゴサリナムル(ワラビナムル)は韓国醤油とエゴマ粉を入れて炒めて作ります。

これは皆様ご存知の菜の花。

産地が主にゼジュド(済州島)だったため流通が難しく、旬も短かかったので韓国では知らない人が多かったのですが、今は菜の花が手に入りやすくなり需要が増えてきました。韓国ではナムルやキムチにして食べます。

これは海辺の砂でよく育つ防風ナムルです。

むかしからは漢方によく使われた食材で、中風では痛風を予防するということから「防風ナムル」という名前がついたそうです。日本ではボタンボウフウ(牡丹防風)と呼ばれる沖縄の伝統野菜と同じですね。防風ナムルは、特有の香りと辛口ながら甘い味を持っていて、デンジャン(みそ)のたれとの相性がよく美味しいです。

ホンイプはニシキギの新芽で3〜4月だけ食べられます。

葉が出たらすぐに花が咲くので1回収穫するのも困難なので、なかなか手に入りにくいのです。ホンイプは熱湯でさっとゆがいて水気をきって、塩、ごま塩、胡麻油でシンプルな味付けでいただきます。

ツルニンジンがありますね!!ササム(沙蔘)とも呼ばれます。
人参(蔘)類特有の苦みの中に甘みがあります。 白い肌に繊維質が豊かで食感がしゃきしゃきしてて歯ごたえもいいです。人参のようにサポニンが含まれ、韓国では特に気管支を健康に保つと知られていて漢方で使われる場合も多いです。コチュジャン(唐辛子味噌)のタレで焼いて食べると最高です!

ナムドロップ(たらのめ)とタンドロップ(うど)


両者の名前も見た目もよく似ていて、子供の頃は区別がつきませんでした。
ウドはゆでて酢コチュジャンで食べました。 酢コチュジャンはコチュジャン、酢、砂糖で作ります。独特な香りのウドとは相性が良いですね。

新玉ねぎや新じゃがいも、サツマイモ、里芋なども並んでいました。

ところで、市場を歩き回っていたらお腹が空いてきいました。市場の名物「カルクッス」を食べましょう。
牛の骨と、カタクチイワシ、野菜で作ったスープに手打ち麺が入っています。
歯ごたえのある麺とうま味たっぷりのスープのカルグクスは本当に美味しいです。

カルグッス店の前の店ではお豆腐を売っていました。

白い豆腐の隣にある灰色の豆腐は「ソリテ」という黒豆で作ったものです。 緑豆のところてん、トトリムック(ドングリのところてん)もありました。トトリムックはどんぐりを乾かして粉にしたものに水を入れて沸かしてゼリーのように作ります。

100gあたり50kalとカロリーが低く、ダイエット食材として知られています。また、ドングリにはタンニン成分が含まれ、毛細血管を丈夫にするアコンサンは重金属の排出効果が期待できるため、黄砂やほこりが厳しい春先にはぴったりの食材です。私はトトリムックを買い、和え物を作りました。

サンチュとチコリを入れて、醤油と唐辛子粉、おろしニンニクなどで味をつけます。 韓国ではマッコリによく合うおつまみとして愛されてます。

こちらはいろいろな魚や海産物で作った塩辛類を販売しています。

カタクチイワシ、貝、エビ、太刀魚、太刀魚内臓、タコ、明太子、牡蠣など..種類がとても多くて数えきれません。キムチに入れたり、ご飯のおかずにもなります。

それから、高麗人参や薬草などの漢方薬を扱う店も多いです。

これはわかりますか?そうです!さなぎです!

蚕のさなぎは高たんぱくな食材で甘みがあり、塩辛い味付けにするとさっぱりして香ばしい味。一口食べてみるとやみつきになってしまうかもしれません

市場でおかずもたくさん売っています。

漬物も豊富です。 デンジャン(韓国味噌)の中に入れて熟成させた大根の漬物がありました。

大根の漬物は水に浸して塩分を除去してから、えごま油におろしにんにくとみじん切りねぎ、ごま塩などを入れて炒めて食べるのもおすすめ。昔懐かしい優しくて深い味で、ご飯にぴったりのおかずです。

また、こしょうを臼で挽いて販売しているのを初めて見ました!

さて、市場で仕入れてきたフキとセリ、ニンニクの葉を使ってこのようなおかずを作ってみました。

ふきのデンジャン(味噌)ナムル

セリのナムル

ニンニクの葉酢醤油漬けもの

韓国の在来市場、いかがでしたか。 スーパーなどと違って、在来市場は臨場感があり、春を体感できました。韓国にいらっしゃることがあれば、ぜひ在来市場に足を運んでみてくださいね。韓国の伝統料理屋旬の食材に出会えるはずです! 

韓国のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロのキム・ヨンウンでした。

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