まつのベジタブルガーデン

福井県春の野に出でて若菜摘み「野草生活のすすめ」

まつのベジフルサポーターレポート

こんにちは。
福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代です。
新緑のまぶしい季節になりました。子供の頃から家族で毎年山へ出かけ、春は山菜採りに行っていた私にとってはわくわくする季節の到来です。山や田畑に囲まれた自然豊かな地に移り住んでからは、野原を歩き回り、季節の草花に触れることが何よりも楽しみです。今回は春の野草をご紹介いたします。

コシアブラ ウコギ科ウコギ属
早春、まだ雪の残る野原にまず出てくるのは、「蕗の薹(フキノトウ)」です。

キク科フキ属の多年草:独特の苦みがあり、早春の味として、フキ味噌や天ぷらで食べます。天ぷら以外は、灰汁抜きしてから食べます。

4月頃には、花が咲き、フキが生えてきます。
 
「土筆(ツクシ)」「スギナ」

シダ植物のトクサ科トクサ属:生殖用の茎「胞子茎」であるツクシは、胞子を飛ばします。胞子は水分を得ると発芽し、スギナになります。「スギナ」は「栄養茎」であり、胞子で増える他に、地下茎からも生え、冬を除く一年中生えています。ツクシは、袴を取り、灰汁を抜いて、卵とじや佃煮などで食べます。

 ツクシには、免疫力を高めるβカロテンやアンチエイジング効果が期待できるビタミンEが豊富に含まれています。(参考文献:日本食品標準成分表2015年版 七訂)

庭や畑などにはびこって、なかなか手強いスギナは、乾燥したものを煎じて飲むと花粉症に効果が期待できるという説もあります。

「葉ワサビ」

アブラナ科ワサビ属多年草:根茎部ではなく、葉や花を食べます。あまり日の当たらない、湿地に生えます。

3センチくらいに切ったものをさっと茹で、めんつゆなどに漬けます。

「野蒜(のびる)


ヒガンバナ科ネギ属多年草:河原の土手や空き地などに自生しています。
ニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウと共に 五葷(ごくん)と呼ばれ、「精がつきすぎる」として精進料理などでは避ける野草。何を五葷とするか時代や地域で異なりますが、野草のエネルギーを感じるエピソードですね。

【ノビルとささみの酢味噌和え】

地中に球状の根があり、生に味噌などを付けて食べたり、茹でて、酢味噌和えにしたりします。
ノビルは、ねぎと同じような調理ができるので、チヂミ、スープ、天ぷら、味噌汁など様々な料理に活用できます。

【ノビルと菜の花とへしこのパスタ】

ノビルには、ナトリウムの排出を助けるカリウムやカルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルも豊富です。都会でも、土手などに、よく生えている野草なので、ぜひ探してみてください。ただし、掘り起こした土は、元に戻しておくことをお忘れなく。

ノビルとよく似ているものに、「韮(ニラ)」があります。
ヒガンバナ科ネギ属ニラ:中華料理や韓国料理には欠かせないニラも土手などに、自生しています。

秋に咲く白い花は、とてもかわいらしく、βカロテン、ビタミンA、C、カルシウムが豊富です。硫化アリルがビタミンB1と結合して、代謝促進、疲労回復などの効果が期待できます。葉の部分が平べったいものがニラ、細長いものがノビルです。ニラとよく似た葉の水仙は、毒性があります。間違えて採取しないように、十分気を付けてください。

ヨモギ

キク科ヨモギ属多年草:冬以外は生えるが、食用には、春の新芽を食べます。

【ヨモギもち】
茹でて、灰汁抜きしたものをフードプロセッサーですり潰し、草餅やパンに入れます。

【ヨモギのチヂミ】
天ぷらやチヂミの場合は、そのまま調理できます。

(ゼンマイ)

ゼンマイ科ゼンマイ属:綿毛に包まれて、山の斜面に生えます。

ゼンマイには、左の男ゼンマイ(胞子葉)右の女ゼンマイ(栄養葉)があり、胞子を放ち、ごわごわした男ゼンマイは、食べられなくはないですが、おいしくないので、つるっとした葉の女ゼンマイだけを採るようにします。

くるっと巻いている状態のときに採り、重曹で茹で、灰汁を抜きます。

ゼンマイは、そのままではなく、藁灰をまぶし、天日で干します。途中、揉んでカラカラになるまで干すと長期保存が可能です。手間はかかりますが、おいしいゼンマイを食べるためにぜひ、このひと手間かけてください。 煮物やナムル、炊き込みご飯など様々な料理にできます。

【ゼンマイのナムルのビビンバ】

ゼンマイには、不溶性食物繊維が含まれており、腸の調子を整えてくれるといいます。
 
(コゴミ)クサソテツ

イワデンタ科クサソテツ属:ゼンマイやワラビと似ていますが、綿毛に包まれておらず、新芽のときは、くるっと巻いていています。

灰汁抜きの必要がなく、そのまま天ぷらや塩ゆでしたものを胡麻和えやマヨネーズをつけて食べます。
癖がないので、とても食べやすいです。不溶性食物繊維、ビタミンC、活性酸素を抑えてくれるβカロテンが含まれています。その他にも、こんな野草が生えています。

蕨(ワラビ) コバノイシカグマ科ワラビ属

カラスノエンドウ マメ科ソラマメ属

クレソン オランダガラシ アブラナ科オランダガラシ属

水ぶき ウワバミソウ イラクサ科ウワバミソウ属

ミツバ セリ科ミツバ属

カキオドシ シソ科カキオドシ属

自然保護区・個人の所有地は採取禁止や許可が必要な場合がございますので、事前にお調べしお出かけくださいませ。

 福井県のまつのべジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代でした。
  

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